CANのサウンドが殺戮の荒野に炸裂する『デッドロック』予告編解禁

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1970年に製作されたローラント・クリック監督『デッドロック』(原題:DEADLOCK)の公開日が2021年5月15日(土)に決定、この度予告編を解禁する。

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荒野を彷徨うかのように逃げてきた傷ついた若い男。荒れ果てた家に住むさえない中年男と狂女、そして口のきけない美少女。黒づくめの殺し屋が静かにやって来る。墓場に埋められたはずの100万ドルを奪い合い、男たちの闘いが、いま始まる……。

わずか7人の登場人物、“アメリカ”が舞台でありながらイスラエル・ネゲヴ砂漠で撮影されたドイツ映画『デッドロック』は、クラウト・ロックの雄CANのサイケデリックなサウンドトラックが鳴り響き、明らかにセルジオ・レオーネの『続・夕陽のガンマン』(66)を思わせる物語にも関わらず、アレハンドロ・ホドロフスキーの『エル・トポ』(70)やジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』(78)の影響下にあるようなポストアポカリプス的雰囲気に溢れている。

この度、解禁された予告編では、マリオ・アルドフ演じる監督官ダムを、アンソニー・ドーソン演じる殺し屋サンシャインがトラクターで追いかけ轢き殺そうとする狂気的なシーンで幕を開ける。そして、サンシャインが、謎の若い男キッド(マルクヴァルト・ボーム)に「金はどこだ!」と問い詰めて殴りつけ、血を血で洗うような銃撃戦が、赤い服を着て踊る狂女や口の聞けない美少女の白昼夢的な映像と共に映し出されている。


そして、何と言っても予告編を彩るCANのサウンドトラックも印象的だ。激しくかき鳴らされるギター、不穏なリズムを刻むドラム音、そして哀愁あるボーカル。そのボーカルを務めているのは、日本人のダモ鈴木。当時、米国や東南アジアでの放浪を経て、ヨーロッパに渡り、路上演奏で日銭を稼ぎつつ諸国を彷徨っていたダモ鈴木は、1970年にカンに出会いボーカルに 抜擢。以降、1973年までに脱退するまで、CANの全盛期を支える大きな力となった。加えて、本作に使用された3曲は、1970年にリリースされたアルバム『Sounstracks』に収められていたものの、肝心の映画を実際に観た日本人はほとんどいなかった。ようやく半世紀を経て、私たちは映像付きでその音楽に出合うことができる。奇しくも公開にあわせてCANの歴史的ライヴ音源を最高の音質でお届けする『CAN:ライヴ・シリーズ』の第一弾が5/28に発売(販売元:Traffic)。これは音楽ファンにもたまらない事件と言えよう。是非とも映画館の暗闇で、大音量のサウンドトラックと共に映画を堪能して頂きたい。

『デッドロック』

2021年5月15日(土)より新宿K’scinemaほか全国順次公開
1970年/ドイツ/英語/85分/1.66:1原題DEADLOCK★ドイツ映画賞長編作品賞受賞
監督:ローラント・クリック音楽:CAN(カン)出演:マリオ・アドルフ/アンソニー・ドーソン/マルクヴァルト・ボーム/マーシャ・ラベン
配給オンリー・ハーツ/アダンソニア宣伝:ブライトホース・フィルム字幕:小泉真祐
(C)Filmgalerie451

◆『デッドロック』 オフィシャルサイト
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