【インタビュー】DJ RYOW、豪華客演集結の12thアルバムにヒップホップの未来「音楽にラインを作りたくない」

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■DJのアルバムってコンピレーションに近い
■でも今回はラッパーっぽい作り方かもしれない

──dodoさんをフィーチャリングした「kill shit men feat. dodo」、LEXさんをフィーチャリングした「ARIGATO feat. LEX」は一緒にやってみて、いかがでした?

DJ RYOW:2人に共通しているのは仕事の早さというか。こっちが何曲か音を送って、向こうがピンときたら1日でリリックが上がってくるんですよ。刺さるビートが聴かせられたらパーンと思いつくんでしょうね。それでいて楽曲のクオリティが高く、僕らの世代とは感性が違って、いい意味で直球。僕ら世代のリリックはイルなスキルというか、ダブルミーニングだったり、何回も聴いて“渋いなぁ”っていうのがカッコよさに繋がっていたんですけど、今の子達は超ストレートなので、それがまた刺激的なんですよね。

──世代観の違いも面白いですよね。

DJ RYOW:音楽の捉え方も僕らはラップでしたけど、今はメロディのある音楽でもヒップホップって言える時代なので。

──ジャンルに関係なく自然とラップが取り入れられています。

DJ RYOW:そう。いい意味で固定概念がないので。ビートを渡して、“こういう曲になるのかな”っていう予想がいい意味でズレるんですよ。それが面白いです。

──「kill shit men feat. dodo」のリリックには“名古屋駅ホームですするきしめん”というリリックが出てきてニヤッとさせられます。

DJ RYOW:たぶん僕がずっと名古屋で活動してきたのを意識して作ってくれたんでしょうね(笑)。

▲DJ RYOW

──「ARIGATO feat. LEX」はエレクトロなアプローチで。

DJ RYOW:LEXはまだ19歳なんですが、天才肌ですね。いい意味で遊びで曲をどんどん作れる子だと思います。この2曲ともすごく気に入っているし、若くて才能のある子達と一緒に曲を作れていることが嬉しいですね。現場にずっと居続けたからだと思うんですけど。

──先ほど「芯がブレていないところが共通している」とおっしゃってましたが、AK-69さんや般若さん世代との共通項は感じますか?

DJ RYOW:まず、1枚にまとめてみて思うのは、みんなヒップホップというか、音楽が好きなんだなってこと。特に上の世代は、好きじゃないと今までやっていないだろうし、若い世代はまだまだこれからっていうところで進化していくと思っています。アルバムはわざと14曲目に10代のLEXの曲を入れていて、最後の「NEVER CHANGE feat. AI, AK-69 & 般若」はベテランていう。でも、この流れで聴いても違和感がないんですよね。

──確かにそうですね。

DJ RYOW:音の進化はあるにせよ、“年齢、関係ねーな”って。

──終盤のみならず、全体的な曲順にもこだわってますよね。前半はクールでエッジが立った曲が多くて、中盤にドシッとしたヒップホップが来て、だんだんメロディックで心地いいグルーヴになっていくみたいな。

DJ RYOW:はい。実際、音のみでも聴けるように、トラックだけ並べて曲順を考えたりしているんですよ。DJやるときもアップダウンを作って、流れをすごく大事にしているので、今作でもそれを形にした面はあります。DJのアルバムってコンピレーションアルバムに近いというか、“今回はこんなメンツが参加してます”みたいな作りが多いと思うんですけど、あくまでひとりのアーティストのアルバムとして発信したいんです。そういう意識で制作しているので「INTRO」から始まるんですが、構成は今まででいちばん、こだわったかもしれないですね。

▲DJ RYOW

──アルバムらしいアルバムです。

DJ RYOW:DJというより、ラッパーっぽい作り方のアルバムかもしれないですね。ミュージックビデオも、僕本人は絶対出たくないんですが、あえて出たりとか。

──本心では出たくない?

DJ RYOW:出なくていいなら出たくないですね。とはいえ、3秒以上は出てないですよ(笑)。

──リングを持っている映像だったり、けっこう出演してる印象はありますけど。

DJ RYOW:消したほうがいいかな(笑)。

──それとRYOWさんがリスペクトされている今は亡きTOKONA-XさんのユニットILLMARIACHI の曲をサンプリングした配信曲「TOKONA 2020 GT feat. TOKONA-X 」も収録されています。彼の楽曲はやはり欠かせないというか。

DJ RYOW:もちろん。僕はトコナメさん達がいたBALLERSというクルーのメンツなので。今も現役で表に立ってやっているのは僕ぐらいだから、ちゃんと残していきたいんですよね。音作りと同じで“この曲、リミックスしてみたいな”と思ったときに作るんですけど、「TOKONA 2000 GT」はちょうど20年前の曲で名古屋の街のことを歌っているんです。でも、あれから街も世代も変わっているので、リリックには今はない場所も入っているんですよ。それを聴いた若い子達が昔の名古屋のことを調べたり、逆に昔、ヒップホップが好きで聴いていた人達が今の音で聴いて“新しいな”と感じてくれたら、またいろいろ戻ってくれるだろうし。そんな想いを込めて作りました。



──個人的には「Asian Groove feat. OZworld 」「Money Dance feat. ¥ELLOW BUCKS」「W.T.M.F.N? feat. ¥ELLOW BUCKS, SOCKS M.O.S.A.D. - What's Mother Fuckin' Nameサンプリング」からTOKONA-Xさんの曲に向かう流れがグッときました。

DJ RYOW:OZworldは前作にも参加してくれて。¥ELLOW BUCKSやSOCKSは僕と同じ東海地方のチームみたいな感じですね。もうガッツリ作りました。

──先ほど若い世代の話が出ましたが、¥ELLOW BUCKSさんも20代です。彼はギラついてますよね。

DJ RYOW:ギラついてますね(笑)。M.O.S.A.D.やトコナメさんと一緒にいた20代前半の頃はみんなギラギラしていたので、僕らがBALLERSで動いていた頃に近いものを感じます。

──上に行ってやるぜ、みたいなノリですか?

DJ RYOW:そうそう。¥ELLOW BUCKSも東海地方をもっとアゲたいと強く思っているので、アイツと遊んだり、しゃべったりしていると当時の感情が蘇ってくるんですよ。僕はイラついても表に出さないけど、アイツはギラついてますね(笑)。でも、若いときはそれでいいと思うし、これからどんどんいくと思いますよ。

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