the peggies、今年初のライブで「足跡」を初披露

ツイート

the peggiesが、今年初となるライブを3月28日に恵比寿リキッドルームで開催した。チケットはソールドアウト。the peggiesとともに“自分たちの場所、時間”を作り上げるべく、たくさんのファンが埋めるフロアには、開演前からウズウズした期待感、そして連帯感があふれていた。

そんな仲間たちとの再会の夜。青いストロボライトが点滅するなか北澤ゆうほ(Vo&Gt)、石渡マキコ(Ba)、大貫みく(Dr)がステージに現れる。

the peggiesの歌には、当たり前とされることに素直にうなずけない若者たちの反骨、“一人ひとりが違う自分でいいんだ”という肯定感、イエス・ノーでは簡単に割り切れない恋愛感情、不安や迷いを抱えながらも人生の旅を続けようとする冒険心と勇気が満ちている。そして、一人ひとり違う仲間たちの先頭に立って旅路を走る誇らしさがある。

その思いが大事にしているライブで仲間たちと共鳴し合い、まぶしい光を放ってきた。今は、満足に人と触れ合うことも、話をすることもできぬ日々が続く。やるせない空気が毎日を覆っている。それでも再会の日はやってくる。この夜、ステージ上の3人の立ち姿には、“仲間たちの発せられぬ声”を引き受ける気概がみなぎっていた。

大貫が叩くハイハットのカウントから「スタンドバイミー」が始まる。サビで高音を振り絞る北澤のギリギリ感が迫る。2曲目は「マイクロフォン」。フロアの仲間たちが心のなかで響かせている大きな声を代弁するかのように北澤が歌う。「聞こえているよ」「私がみんなの代わりに声をあげるよ」そんな思いが伝わってくる。北澤と石渡がドラムの前で円陣を組むがごとく身を屈める。そんな一挙手一投足からも“一つになれる空間”を作ろうとするガッツが見える。「まだまだいくぜ!」と北澤が叫ぶ。「そうだ、僕らは」「LOVE TRIP」と迷いを振り切ってくれるパワーポップが続く。




「手のひらに思いを込めて送ってほしい」。そんなMCの言葉に続いて小粋なロックンロールナンバー「I御中」、恋のドキドキ感が突き動かす「DIVE TO LOVE」、the peggies流ディスコティックチューンの「weekend」、骨太なオルタナティブサウンドが轟く「ネバーランド」と一気呵成に畳み掛けた。

the peggiesの3人も辛抱の日々を送っているが、「泣き言は言わない」的な強さと覚悟が見える。「大丈夫!」と仲間を勇気づける優しさが見える。そんな熱気をまとってステージ前半戦を駆け抜けた。

ステージ後半戦は「僕等讃歌」からスタート。北澤がこの日のために書き上げてきた新曲だ。披露する前に北澤はこんなことを言った。

「みんな、苦しみや迷いを抱えて生きている」「一人が寂しいと思う日々だからといって、どこかのグループに属さなくてもいい」「一人ひとり違っていてもいい。バラバラでもいい」「それぞれの場所で、孤立した状況でも、それでも僕らは手をつなぎあえる」「僕らはどこかでつながっていて、それを仲間と呼んでいいんだ」

the peggiesのコアな部分凝縮された「僕等讃歌」。誇らしげなマーチングバンド風のリズムに乗って“僕らの歌”が高らかに響く。讃歌とは褒めたたえる歌のこと。このただならぬ日々のなかで、the peggiesは仲間を褒めたたえてみせた。当然、その仲間にはthe peggiesの3人も含まれている。the peggiesはいっそう強く、優しくなった。そんなことを思った。「僕等讃歌」はこれからのthe peggiesを代表する1曲になりそうだ。


「僕等讃歌」でフロアが華やいだ後、「ボーイミーツガール」「最終バスと砂時計」「アネモネ」とキラキラしたパフォーマンスが続く。

ステージは佳境に。ここからは様々な事情で来場できない仲間たちにも精一杯の歌が届くようにと、YOU TUBEとLINE LIVEでの生配信が加わる(「足跡」から本編最後までの一部を配信)。まず演奏されたのは、この夜の目玉の一つと言うべき初披露のナンバー「足跡」。前日にオンエアが始まった人気のTVアニメ『僕のヒーローアカデミア』第5期のエンディングテーマだ。北澤は「ヒロアカの登場キャラの言葉ひとつ行動ひとつに何度も救われてきた」と言う。

北澤の弾くギターがメロディアスなアルペジオから、性急なカッティングに移る。石渡と大貫が前のめりなビートで情熱的に支える。3人とは思えぬ分厚くてパワフルなバンドアンサンブルで圧倒する。「さよならさ行かなくちゃ 僕よ僕になれと叫ぶ たどり着く先で君に もう一度出会いたいのさ」と北澤が高らかに歌い上げる。この曲でthe peggiesを知り、人生の冒険をともにする仲間がさらに増えることだろう。

「足跡」が終わると、「青すぎる空」「GLORY」「君のせい」と青春のきらめきが胸をかきむしるナンバー速射砲のように浴びせ、フロアの熱気は最高潮に。「楽しかったかい。最高です!」北澤が叫ぶ。仲間たちは手のひらに思いを乗せ、大きな拍手で応える。非常時でも見事に“みんなと一つの空間”を作り上げてthe peggiesはステージ本編を終えた。

アンコールは「明日」と「センチメートル」。「明日」のサビではフロアでの大合唱が起こるのがおなじみの風景だが、今は心のなかで歌うのみ。しかし、まるで皆の声が聞こえるかのような一体感が生まれていた。今、the peggiesはたくましさを増している。みんなの苦しみを背負う度量を増している。コロナ禍を超えた時、仲間たちが大きな声を存分にあげられる日が戻ってきた時、どんな光景を見せてくれるのか、楽しみに待ちたい。

また、このアンコールでは7月には東名阪ツアーが行われることが発表された。the peggiesはこんな日々でも仲間とサイドバイサイドで走っていく。

取材・文:山本貴政
撮影:上飯坂一

セットリスト

the peggies LIVE“HYPER BLUE”
2021年3月28日東京・LIQUIDROOM
01.スタンドバイミー
02.マイクロフォン
03.そうだ、僕らは
04.LOVE TRIP
05.I御中 ~文房具屋さんにあった試し書きだけで歌をつくってみました~
06.DIVE TO LOVE
07.weekend
08.ネバーランド
09.僕等讃歌(新曲)
10.ボーイミーツガール
11.最終バスと砂時計
12.アネモネ
13.足跡(新曲)
14.青すぎる空
15.GLORY
16.君のせい
En1. 明日
En2. センチメートル

ライブ・イベント情報

<the peggies tour 2021“Feel Black”>
7月3日 (土)名古屋 CLUB QUATTRO 17:15/18:00
7月4日 (日)大阪 BIGCAT      17:15/18:00
7月10日(土)恵比寿 LIQUIDROOM    17:15/18:00
■チケット:全自由 \4,200(税込/当日ドリンク代別途)
■公演に関するお問い合わせ
7/3名古屋公演:JAILHOUSE  052-936-6041
7/4大阪公演: 清水音泉    06-6357-3666
7/10東京公演: ディスクガレージ 050-5533-0888
■チケット一般発売日:5月15日(土)
e+(イープラス):https://eplus.jp
*1申し込み4枚まで(同行者登録必要)
*電子チケットのみ
*チケット購入時に同行者含め個人情報の入力が必要になります。【 オフィシャルサイト先行予約(抽選) 】
e+(スマチケ)受付期間: 3/28(日)19:00 ~ 4/11(日)23:00
受付URL: https://eplus.jp/thepeggies2021hp/
枚数制限: 1申込みあたり4枚まで
★電子チケットのみの受付です。
★必ず注意事項に同意の上、お申込みください。
★チケット申し込み時に『e+同行者登録システム』を利用した当日来場される方全員の【来場者設定】が必須となります。
その際、チケット申し込み者と同行者の全ての方(来場者全員)の、e+会員登録が必要となります。
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス