【Pearl75周年特集】田浦楽が語る“世界のパール”の安定感と耐久性、「無敵状態ですね(笑)」

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Crystal LakeやA Ghost Of Flare等のサポートドラムをはじめ、ソロプロジェクトSOUL JAPANでのバンド活動、さらにはコンポーザー、エンジニア、プロデューサー、ギタリスト、ボーカリストとしての顔を併せ持つなど、360度展開に裏打ちされたマルチな音楽的才能を遺憾なく発揮しているミュージシャンが田浦楽だ。もちろんドラマーとしての評価は著名プロミュージシャンからも高く、前述したラウド系のみならずヒップホップやDJなど幅広いジャンルより注目を集めている。

◆田浦楽 画像 / 動画

3月某日、関東近郊の撮影スタジオで実施された<Pearl Drums 75th Anniversary Special Day>のデモ演奏収録時、あまりにもパワフルで高速なドラムソロに撮影スタッフ一同が息を飲んだが、演奏終了後の屈託のない笑顔が現場の空気を一変させて拍手喝采が沸き起こった。ここに公開するインタビューは、その直後に行ったものだ。収録されたドラムソロのテーマや、Pearl75周年記念モデル“プレジデントシリーズ”の感触、Pearl Drumsを愛用する理由など、世界を股にかけて活躍する田浦楽とPearl Drumsならではの内容となった。

   ◆   ◆   ◆

■ドラマーが何を求めているか
■それを分かっている人たちが作っている

──75周年記念モデルとなるPearlのプレジデントシリーズを見て、まず一言「ヴィンテージっぽいですね」と発しましたね。

田浦:そうですね。叩いてみたら、アメリカでプレイしてるような感覚になる音でした。僕がサポートしているバンドではツアーでアメリカやヨーロッパにも行くんですけど、プレジデントシリーズのフェノリックシェルはカリフォルニアで叩いてるような鳴り。すごくカラッとしていてシェルが響く。言い方は難しいんですけど、簡単に鳴らせるような気がするんです。アメリカで鳴らしたときのリファレンスシリーズの音に近い感じもしました。

──スネアは、センシトーンヘリテージのアルミシェルを選んでいましたが?

田浦:ヨーロッパをツアーするときは、センシトーンをよく使うんですよ。使い勝手が良くて、軽いので運搬もラク。狙った音が簡単に出るんですよ。粗悪な音響環境のライブ会場とか、セットチェンジが10分しかないことも、向こうではあるんですね。普段はスチールシェルを使っているんですけど、アルミシェルはどんな環境でもいつも通りの音が出せるので。

▲田浦楽 with President Series Phenolic

──本日の収録場所は撮影スタジオなので、いつもの環境とは異なりますからね。ドラムソロでは、バックトラックを流してましたが、これもご自身が作ってきたそうですね。

田浦:そうです。昨日は現場が早めに終わったんで、3時間ぐらいで作ったんですよ。僕は曲を作るのも好きなので、 “撮影に間に合えばいいかな”と思って。でも練習する時間はなかったので、朝起きて、ちょっとイメトレして、現場でパッと叩いたのがあんな感じのソロ(笑)。特別難しいプレイは入れず、シンプルにっていう感じです。

──あれがシンプル!?

田浦:速いフレーズもありましたけど、練習して覚えるようなフレーズはあんまり入れ込まないようにしたんです。でも、自分で作ったオケのBPMが速すぎちゃって。

──カメラマンの方が、「スティックの動きを捉えられない」と言ってました(笑)。ドラムソロのテーマ的なものは?

田浦:Pearlのプレジデントシリーズというキットの利点が最大限出るような感じで考えました。高速プレイでも音の粒立ちがしっかりと出るし、パワフルなプレイも活かせるキットですから、バックトラックも、その部分が伝わるように作らせていただきました。最初はシンプルなところから曲っぽく入って、最後は速いフレーズで終わるというような構成で。それで最後にスティックを投げて、お祭り的に(笑)。

▲田浦楽 with President Series Phenolic

──ドラムキャリアは2021年で何年ぐらいですか?

田浦:20年ぐらいです。僕が知ったときはすでに亡くなっていたんですけど、バディ・リッチ(※ジャズドラマー)のプレイを初めて観たとき、“このドラマーはヤバいな”と。それがドラムを始めるきっかけになりました。もともと僕はギターから楽器を始めたので、ディープ・パープルやクリームなどがすごく好きだったんですよ。でもドラムの入り口は、ビバップ世代のジャズ。だからバディ・リッチから入った感じですよ。

──それで田浦さん自身のプレイも音数が多いんですね。

田浦:あっ、それはあるかもしれないです(笑)。僕は現在28歳で、たぶん今が旬の年齢だと思うんです。でも、いまだにバディ・リッチのように叩けないし、全然追いつけない。僕は現代のドラマーなのでツーバスを使っていますけど、バディ・リッチがもし今の時代のドラマーだったら、当然のようにツーバスも叩きこなしていると思うんです。全ての時代を超えちゃっているドラマーだと思っているので、現代的にバディ・リッチを体現するじゃないですけど、背中を追いかけつつ精進しています。バディ・リッチってライブでは激しくて、個人的にはすごいロックなドラマーだと思っているんですよね。それを僕がやっているヘヴィメタルやラウドロックの解釈でプレイすると、どういう感じになるのか?って。激しくて、プレイが細かくて、めちゃくちゃリズムが安定しているというのが、僕の理想のドラマー像です。

──なるほど。初めて買ったのはPearlのドラムセットだったそうですね。

田浦:そうなんですよ。その頃は購入資金も限られていたので、安いドラムセットしか買えないわけです。それで楽器屋の店員さんに安いセットをいろいろ並べてもらって、叩き比べをさせてもらって。僕は当時からパワーがあったので、叩いてるうちに、フロアタムがずり落ちちゃうとか、タムの角度がどんどん変わっちゃったりしたんですね。“安いセットって、やっぱりダメなのかな”と思っていたところ、Pearlのドラムセットは全然傾かないし、ほかのドラムセットみたいなことにはならなかった。“すげー、Pearl”と思って買ったんですよ。もちろん、自宅で鳴らせるような環境ではなかったので、地元の箱でライブがあるときに、自宅とライブハウスを何回も往復しつつ搬入して(笑)。

──初心者向けのエントリーモデルですか?

田浦:エクスポートシリーズの3点セットでしたね。音のことよりも、ドラムを始めたての自分にとっては、まず壊れないってことが重要でした。“やっぱりドラマーが何を求めているかを分かっている人たちが作っているんだ”と思いましたね、Pearlは。今はモニターとして関わっているので分かりますが、製品を作るときに試奏や細部のチェックを最も多くやっているメーカーだと思います。エクスポートシリーズも市販するにあたって、たぶんプロドラマーにも試奏してもらって、改良を重ねていると思うんですよ。

◆インタビュー【2】へ
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