【Pearl75周年特集】真矢 [LUNA SEA]が語る濃厚な22年間、「僕も知らない僕のことをパールが教えてくれる」
■あえて似合わないこと
■50代手前で派手なドラムに
──そして最新電子ドラムのe/MERGEですよね。飯石社長との対談では「究極のオモチャ」と表現していましたけれど、音の良さを大前提に、真矢さんのセットにはドラムを始めたばかりのキッズに“いつか、あんなドラムを叩きたい”って思わせるような夢が詰まってます。
真矢:そう!まさにそういう感覚です。ドラムは自分の秘密基地みたいなものなんですよ。サラリーマンになっても“駄菓子屋に行ってみたい”っていう童心を忘れないようなね。特に男にはいくつになってもそういうロマンがあって。もちろん長年同じドラムを使っている男性ドラマーの方もいますけど、セットを変える比率が女性ドラマーに比べて多いらしいんです。つまり、女性がドラムをツールとして見ている場合が多いのに対して、男性はオモチャとして見ている気がしますね。
▲真矢[LUNA SEA] with President Series Phenolic |
真矢:はいはい、そうなんです。さいたまスーパーアリーナで初お披露目したんですが、電子ドラムで演奏することをあえてライヴ前に発表したんですよ。そうしたら電子ドラムだからだと思うんですが、けっこう賛否両論があったんですね。でも、事前に言ってなかったら、わからなかったんじゃないかな。それぐらいアコースティックなニュアンスの音なので。
──e/MERGEは画期的なんですね。叩いてみたところ、“これはLUNA SEAで理想の音を出せるな”と?
真矢:そうです。LUNA SEAの曲ってテンポが速くて細かいんですよ。そして音がデカい(笑)。
──真矢さんのパワフルで緻密なドラムプレイを物語るようでもありますが、両立させるのって本当は至難の業ですよね。
真矢:全部、網羅しないとならないからね。これ、ドラマーにとっては三重苦なんですよ(笑)。レコーディングはまだいいんだけど、ライヴは大変なんです。なぜかというと他の楽器の音もマイクが拾っちゃっうから、かぶってしまうというか、ドラムの音だけを拾い切れないんですよ。例えばキックの音を拾ったことでスネアの細かいニュアンスがかき消されたりもするから、繊細なところまで表現するのが難しい。でも、e/MERGEはより音源に近い状況で叩けて、音色も変えられるからライヴにも強いんです。
──では、これまでドラムセットを空中で360度回転させたり、さまざまなドラムを叩いてきた真矢さんですが、その探究心や挑戦心の源は?
真矢:オモチャだから、いじくりたくなるんですよ。よく車やバイクをカスタマイズする人っているじゃないですか? 納得するまでいじくり倒したら、それはとっておいて、また新しいのを賈うみたいな。
──終わりがないですね。
真矢:そうそう。“もうこれはいいかな”と思うドラムは手離したりすることもあるけど、そういう面白さがあるから、探究心というよりもずーっと遊んでいる感覚ですよね。
──一方で、Pearl初期はワンバス時代もありましたし、ここ最近まではスリーバスだったり。“面白い”と思うことに対して常に正直なんでしょうね。
真矢:20代後半は髪型をオールバックにしてスーツを着て、シンプルなワンバスセットを叩いていたこともありましたね。年齢にそぐわないというか、大人びたことをあえてするのが好きだったんですよ。ところが、そういうスタイルが似合ってくる年齢になると、今度はあえて似合わないことをやってみたくなって、50代手前で派手なドラムにしてみたり(笑)。
──ただ、そのスリーバスもサウンドとして必要なものでした。
真矢:アコースティックドラムなのでバスドラの音色を変えたら楽曲の印象自体が変わるんですよね。時代時代の楽曲が持つトーンっていうものがやっぱりあって、ライヴでもそのトーンの再現性を高めたくてスリーバスにしていたんです。だから常に楽曲ありき!
──歌を活かすドラミングと、日本人の魂を感じさせてくれる間合いを活かしたアーティスティックなドラムソロの両方の魅力にいつも引き込まれます。時代とともに音も見た目も進化していくし、今回の75周年記念モデルのようにヴィンテージドラムの復刻で新たな音を発見したり、ドラムにはそういう楽しさもある。
真矢:まさに、そういうことです。これからもPearlさんと一緒に遊びながら高め合う感覚は変わらないでしょうね。
取材・文◎山本弘子
撮影◎野村雄治
■パールドラム75周年記念オンラインイベント<Pearl Drums 75th Anniversary Special Day>
https://www.youtube.com/user/pearldrums1946/featured
▼出演
つのだ☆ひろ、 真矢(LUNA SEA)、 夏芽(SHAZNA, RAISE A SUILEN)、 田浦楽、 KOUICHI (10-FEET)、GODRi (SiM)、大洗高校マーチングバンドBLUE HAWKS、 森 匠勲、相澤政宏(東京交響楽団)、 高橋紫微(フルーティスト)etc...
▼コンテンツ
・スペシャル対談 真矢 × 飯石真之(パール楽器製造株式会社 代表取締役社長)
・パール75周年記念新製品オンライン発表会
・つのだ☆ひろ/真矢/夏芽/田浦楽によるトーク&パフォーマンス
・KOUICHI (10-FEET) × GODRi (SiM)対談&パフォーマンス
・⼤洗⾼校マーチングバンドBLUE HAWKS パール75thドリルショー
・森 匠勲 パール75th アニバーサリー マーチングベースアンサンブル「to the Next Stage」
・つのだ☆ひろ&⾼橋紫微が巡る パールフルート工場探検
・相澤政宏(東京交響楽団)フルート独奏
・アーティストからの75thお祝いコメント
協力:株式会社 y’s connection / NiceB、 BARKS
後援:BARKS
関連リンク
◆真矢 オフィシャルTwitter
◆<Pearl Drums 75th Anniversary Special Day>特設ページ
◆パール楽器製造 オフィシャルサイト
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