【Pearl75周年特集】KOUICHI [10-FEET] × GODRi [SiM]対談、「ライブハウスでも野外でも変わらない」

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■当時の“プレジデント”を使ってます──KOUICHI
■このタイミングのこの企画は運命ですね──GODRi

──KOUICHI先生は、2〜3年前にドラムセットを変えましたよね?

KOUICHI:それまで自分のお金でドラムセットを買ったことがなくて。Pearlのモニターということに甘えさせてもらって、借りていたんですよ。でも2〜3年前に“欲しい!”と思ったドラムセットを初めて自分のお金で買ったんです。それが、ファイバーグラスシェルのプレジデントシリーズ、当時のやつですね。それでますます“大事にしよう”って気持ちが芽生えたというか。

GODRi:買ったらそうなりますよね。

KOUICHI:そう。決め手になったのは音で。ファイバーグラスシェルは明るいサウンドでパワーもある。ライブのPAさんからも「合っている」と言われて、“買って正解やったな”って。今回、Pearl 75周年記念モデルとなるドラムセットは、シェル素材こそ違うけど、プレジデントシリーズの復刻でしょ。このタイミングで、こういう対談企画に呼ばれたのはすごく嬉しいことやなと思ってます。

GODRi:運命ですね。

KOUICHI:しかも相手がGODRiっていう(笑)。

GODRi:運命です(笑)!

▲GODRi [SiM] with President Series Deluxe

──今日の撮影で叩いたプレジデントシリーズのシェルはラワン材なんですよ。柔らかい木なので、胴鳴りしやすいことが特徴で。

GODRi:そんな感じしたもん。

KOUICHI:キックのミュートもめっちゃ少なかった。オープンで鳴らすようにチューニングしてあるのかなと思いましたね。実際、叩いていて気持ち良かった。

GODRi:すごく自然に叩けたんですよね。ガチでチューニングはしなかったけど、常にいい鳴りで。

──今日のチューニングはPearlの熟練スタッフさんが二人のために施したものなんです。

KOUICHI:嬉しいですね。ハイブリッドなシェルもいいけど、僕はこういう感じのドラムのほうが好きかな。個人的な好みもあるけど、最終的にはバンドに合うかどうかやもんな?

GODRi:でも、バンドが合わせてくれるんじゃないですか?

KOUICHI:おっと、名言が出ました。“バンドが合わせに来い”と。

GODRi:やっぱドラムがね、土台というか。

KOUICHI:そうやな。ドラムが基準やもんな。

GODRi:そう。バンド内の空気を読みつつですけどね(笑)。

KOUICHI:ドラマーっていう人種は周りの空気読めるからな(笑)。

GODRi:ドラムセットを変えたタイミングは、10-FEET的にも流れがあったんですか?

KOUICHI:いや、俺の勝手な。だから変えたとき、「えっ、変えたん!?」って言われた(笑)。まぁでも、音の鳴りのこととかは言ってこうへんな。チューニングである程度音は変えられるから。

GODRi:“ドラマーが好きな音やったら、それでいい”って感じですよね。


──両バンドとも、ライブ活動は小さいハコから巨大な野外フェスまで網羅していて、ドラムセットにとって過酷な状況のときも多いと思うんです。

KOUICHI:ライブハウスは湿気が多いからね。それで、湿気にあまり左右されないようなシェルを選んで借りてたんですよ。だから、これまでメイプルシェルはあんまり選んでなかった。一時期、カーボンプライメイプルを使ってたんですけど、それも湿気に強い素材だったことが大きいんです。シェルが育っていって、音が変わっていくってのも感じてみたいですけどね。GODRiはずっとメイプルやもんな?

GODRi:そうです。僕はライブハウスの湿気とかあんまり深く考えたことなくて(笑)。“今日は湿気が多いから、音もちゃうな”ってことも楽しんでいるというか。“そういうことも含めてライブや”みたいなところがあって。

KOUICHI:ふぅ〜!! カッコええこと言うな(笑)! 今のGODRiの言葉は太字でお願いします。

GODRi:アッハッハ。話しながらひらめいたんで、言ってみただけです(笑)。でもPearlって比較的、間が取れているというか。

KOUICHI:うん、バランスがええんやな。

GODRi:Pearlはいい意味でクセが少なくて、僕らみたいにいろんな音楽ジャンルがごちゃ混ぜやったりすると、Pearlのドラムがちょうどいいってのは感じますね。

KOUICHI:たしかにどんなジャンルにも対応してくれるイメージはあるな。

GODRi:ライブハウスでも野外でも変わらないし。他のドラムセットの音を聴いてて、“野外ではめっちゃ鳴るけど、室内だとうるさいな”って思うこともあるんですよ。

KOUICHI:例えば、どこのメーカー(笑)?

GODRi:ええーっと……言わせるな(笑)! あとバランスのいい音だけど、さらに音の良さを追求しようと思うと、やっぱりプレイヤーの腕が試されるところがあって、そこがまたいいんですね。

▲KOUICHI [10-FEET] with President Series Deluxe

──“Pearlの機材でこんなのあったら、さらに嬉しい”なんてアイデアもあります?

GODRi:すごい難しいかもしれないですけど、ちょっと手間やなと思っているのが、スネアのスナッピーのセッティングなんですよ。スナッピーを張って、紐をちゃんと整えて、“…あ、ちょっとズレちゃったかな”とか。それはどんなメーカーも同じなんですけどね。だからスナッピーをワンタッチでできるような。

KOUICHI:ああ、分かる(笑)。お手軽なスナッピー、いいね。

GODRi:そうですそうです。そういうのがそろそろあってもいいのかなと思って、Pearlの人に軽く言ったこともあったんです。

──モニターさんの意見を吸い上げて、製品開発に活かしているのがPearlさんですから、いつか実現するかもですね。

GODRi:あとは、僕がお尻を痛めていたとき、スローンに座るのがちょっとツラかったことがあって。

──ドラムはずっと座って演奏する楽器だから、スローンにこだわる人も少なくないですよね。

GODRi:それこそ、痔持ち専用のスローンとかあったら需要あるかもしれないですね、ドーナツ型の(笑)。

KOUICHI:楽器店に買いに行ったとき「痔持ち専用のスローンありますか?」つって(笑)? 痔を英語表記にして、カッコいい名前を付ければ大丈夫か(笑)。それ、ドラマー以外からも熱い視線浴びるかもしれへんな。

GODRi:予防のために通気性がいいとかね。……お尻の話ばっかりだけど(笑)。

KOUICHI:でも、通気性いいスローンはありがたいかも。スローンの座面素材によっては汗を吸い込んじゃって、スッパスッパ!って酸っぱくなる(笑)。

GODRi:何気にお尻が一番汗をかきますからね。それに、叩いているときに体幹を支えるパーツがスローンだったりしますから、やっぱり重要。

KOUICHI:スローンで言うなら、背もたれが族車バイクみたいに後ろにクワーッと上がってるようなのもいいな(笑)。三段シートみたいになってるやつ(笑)。そういうのがあってもおもしろい。氣志團のサポートやってる亜樹良クンは絶対に使うと思いますよ。

GODRi:ハンドルとかあってもいいですよね。

KOUICHI:それでハットのところとライドのところにサイドミラー付けたら完璧やん。たまに後方確認しながら叩く(笑)。武道館のセンターステージとかでライブする人達もいるじゃないですか。360度の客席になっても、後ろを見ずに後方確認ができる。

GODRi:「後ろの人も見えてるでー」って(笑)。

KOUICHI:もちろん目視が大切(笑)。ちゃんと見えてるよってね。

GODRi:「ミラーに映ってる目と目が合った」って新しい喜びも(笑)。

KOUICHI:僕からの要望はそれぐらいかな(笑)。全部が僕らからしか出ない、なかなか新しいアイデアやと思いますけど(笑)。というか、痒いところまで手の届くハードウェアとか製品が、Pearlにはすでにいっぱいありますから。

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