【レポート】BAROQUEの圭、本格的ソロ始動ライブで決意「僕はこの道を進んで行く」

ツイート

無期限活動休止中のBAROQUEの圭(G)が4月12日、東京・TSUTAYA O-EASTにてワンマンライブ<圭 SOLO LIVE「THE LIBERTY -輪廻の新月-」>を開催した。ソロアーティスト圭としての本格的な幕開けとなった同公演は、有観客および生配信で実施されたもの。そのオフィシャルレポートをお届けする。

◆圭 画像

圭というソロアーティストが誕生する瞬間を目撃した夜となった。ファン、いやきっと本人さえも、まさか自分がボーカリストとしてステージのセンターに立ち、ギターやピアノを弾きながらライブを行なう姿を想像していなかったのではないだろうか。

圭がギターを弾かないパートは、今回初めてサポートメンバーに加わった結生(G / メリー)が、高松浩史(B / THE NOVEMBERS)、山口大吾(Dr / People In The Box)、hico(Keyboard&Manipulator)と息を合わせてサポートしていく。自身の存在意義を問いかけるような「wailing wall.」のボーカルは、次の「17.」でバックバンドの躍動感に満ちたサウンドに合わせ、強い意思を持った歌へとスイッチした。圭はギターを弾きながら、フロアに突き出した花道を颯爽と移動し、ハンドマイクでライブタイトルにもなった「liberty」を連呼した。


BAROQUEが止まって以降、考え続けた存在意義。その答えが2009年、自ら歌って作り上げたソロ作品(『silk tree.』『for a fleeting moment.』)にあったことを改めて確信したであろう圭は、「17.」を歌い終えた瞬間、堂々とマイクを持つ左手を突き上げてみせた。それは“BAROQUE”や“ギタリスト”といった肩書きから自らを解き放ち、“ここからは歌おうがギターを弾こうがなにをやってもいい”という自由を受け入れた瞬間だったといえるのではないだろうか。圭は短い挨拶を挟んで「どんな日になるのかと思ってたけど、初めてのことだらけなんですけど、懐かしい感じ」と自らの感覚を表現した。フロアを見渡しても圭の歌う姿に驚く人はいない。それほど歌が当たり前のように観えた。

ライブは子供たちの声をサンプリングした「pitiful emotional picture.」で、一人ひとりの幼き記憶の扉を開き、サウンド志向の楽曲へシフト。「sanity dance.」「the blueroom.」といった楽曲は変拍子がアクセントだ。次々と展開していくエレクトロニックな原曲が、メンバー個々の高度な技術によって新たな生バンドアレンジで披露される。メロディアスな歌ものはもとより、エレクトロニックな側面も作家・圭ならではのものだ。

続いては、ギタリスト圭の本領が発揮される。hicoが奏でるエレガントなピアノに導かれ、圭が弾き出したのはオリジナル曲ではなく、誰もが知っているクラシカルなラブバラード「A Whole New World」(ディズニー映画『アラジン』主題歌)だった。歌うようにギターでメロディを奏でる圭。ギタリストとしての表情では、とたんに華麗さや艶が倍増する。ファンは彼が鳴らす伸びやかなギターの音色に誘われ、ラグジュアリーなランデブーを楽しんだ。


メンバー紹介をはさんで「sleep2 the moon.」からは、ファンタジックな楽曲へ。この日は、夢や願いごとを叶えるには絶好のチャンスと言われている新月だった。曲を丁寧に届けた圭は「綺麗な新月が見えましたね」と静かに観客に語りかけてギターを置き、ドラムの横にセットされたアップライトピアノの前に移動。歌、ギターに続いて、ピアノへ。kannivalism時代に「small world」でピアノ演奏を披露したことのある圭は、ビートルズとディズニーランドが絵本のなかでひとつになったような「vesperbell.」をピアノで弾き語った。

再びギターを持った圭は、パンキッシュな「4letter word.」で高揚感や熱気をグッと高め、ライブはクライマックスへ。「autophobia.」「cry symphony.」ではエモーショナルな音の洪水を築いた直後、スケール感たっぷりに轟音を放つ。真っ白い風景を鮮烈に描いたシーンはこの日のハイライトだった。

「今日はありがとうございました」と語った圭は、BAROQUEの無期限活休発表直後に行なった昨年9月のソロライブを回想し、「あの日は、いま考えると、一歩を踏み出すことをまだ恐れていた。だから、あの日の自分に、今日決着をつけたいと思います」と本音を吐露。この言葉に続けて、BAROQUEの「BIRTH OF VICTORY」「I LUCIFER」を続けてプレイした。歌詞を噛みしめるように歌った「I LUCIFER」の“この世界に君はいない”という一節が涙を誘う。照明で真っ赤にそまったステージ。圭は花道に飛び出して跪き、エネルギーに満ちたギターソロにメッセージを込めるようにパフォーマンス。あの日の自分にけじめをつけ、一歩を踏み出した圭は、清々しい表情をうかべて本編を締めくくった。


ファンのクラップに呼ばれ、再び舞台に姿を表した圭は、「まっすぐなマイクスタンドで自分が演奏して歌ってる夢を見て。それがいまのライブをやるきっかけになった」と打ち明けた。さらに、「今日演奏した12年前に作ったソロ曲は、当時インストアイベントで数曲演奏しただけ。正式なライブでは一度もやっていなかったから、ほとんどが初演奏だった」と解説。「でも、まるで今日のために、曲たちが待っててくれたんだと思うぐらい、マッチしてて。その曲たちに背中を押されて、いまここにいます」と感慨深そうな表情を浮かべた。

また、2021年に結成20周年を迎えるBAROQUEについても触れた。この20年間、解散、再結成、メンバーの失踪、脱退など、なにかあるたびに新しいバンドスタイルを模索し続け、バンドを存続させてきたという。そして、一人になったいまの状況に対しては、「BAROQUE、まだまだ俺に新しいことをやらせるか」と、このバンドが引き寄せる数奇な運命を軽く笑い飛ばしてみせた。「挑戦することは素晴らしいこと」と前置きした上で、ソロデビュー曲「the primary.」は「そんなことを思いながら書いた曲で、10年以上たったいまもそう思ってます」とアンコール1曲目へ。

「the primary.」からスタートしたアンコールは、目の前にいる一人ひとりにアイコンタクトを送りながら、“全てを終える瞬間まで人生を輝かせろ”と熱いメッセージを届けた。歌い終えた圭は「よし!」と2回うなずき「一歩ね、一歩だけど踏み出せた気がしてます」と誇らしげに語り、「俺をここまで育ててくれてありがとう」と感謝の気持ちをストレートに伝えた。「僕はこの道を進んで行くんで」と力強く宣言し、「この世に生まれて出会ったすべての人、愛してます。最後に聴いて下さい」と再びピアノの前に座った。

ラストナンバーはバラード「ring clef.」だ。感動的なMCからピアノの弾き語りでじわりとテンションを高めていこうとしていたそのとき、圭が間違えて曲をストップ。「ちくしょー。こういうところで人間出ちゃうんだよな」と悔しそうな独り言をつぶやいてやり直し。慣れないラブソングを通して、“初めて君に出逢った日と変わらないままに”と歌う圭の姿は頼もしく、自信がみなぎっていた。

「たくさん失敗したり、楽しいなと思う発見もいろいろありました」とこの日の公演を振り返った圭は、フロアに向かって「このまま前に進むつもりなんで。また会いましょう」と笑顔で伝えた。その姿は最後まで力強かった。

歌、ギター、ピアノ、そして楽曲たち。持てるすべてを伝えながら、圭がソロアーティストとしての第一歩を踏み出した同ライブは4月15日(木)23時59分までアーカイブ配信中だ(※アーカイブ配信では権利上の都合によりカバー曲はカット)。チケット発売は4月15日(木)20時00分まで。

撮影◎KEIKO TANABE


■ワンマンライブ<圭 SOLO LIVE「THE LIBERTY -輪廻の新月-」>2021年4月12日(月)@TSUTAYA O-EASTセットリスト

01. wailing wall.
02. 17.
03. the salvation.
04. pitiful emotional picture.
05. sanity dance.
06. the blueroom.
07. A Whole New World ※cover
08. sleep2 the moon.
09. moon dreams.
10. vesperbell.
11. 4letter word.
12. autophobia.
13. cry symphony.
14. BIRTH OF VICTORY
15. I LUCIFER
encore
En1. the primary.
En2. ring clef.

▼サポートメンバー
Guitar:結生(メリー)
Bass:高松浩史(THE NOVEMBERS)
Drums:山口大吾(People In The Box)
Keyboard&Manipulator:hico

【ライブ配信 アーカイブ】
▼視聴チケット
¥3,500 (税込)
販売期間:4月15日(木) 20:00まで
アーカイブ視聴期間:4月15日(木) 23:59まで
http://www.galacaa.com/concert/186
※カバー曲は権利上の都合によりアーカイブからカットしております

■サブスク配信情報

・Amazon Music Unlimited:https://music.amazon.co.jp/artists/B085XQWR3Y
・Apple Music:https://music.apple.com/us/artist/kei/1465709836
・Spotify:https://open.spotify.com/artist/0maFrI7WiLIRflewebbNeF?si=W_ypbJb9SVujxq-HpkMU6Q
・LINE MUSIC:https://music.line.me/artist/mi0000000012988b5f
・AWA:https://mf.awa.fm/2WI5gxn
・KKBOX:https://kkbox.fm/Lr18Rt

この記事をツイート

この記事の関連情報