【インタビュー】[Alexandros]、新メンバー加入により生まれた膨大な熱量「手探りだからこそ面白い」

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■ロックバンドって何だろう?といったら
■やっぱり好き勝手できるってことだと思うから。


──私はリアドさんに対してパワードラムっぽいイメージを持っていたので、[Alexandros]のライブで叩く姿を通じて“こんな引き出しあったのか”と驚かされる瞬間が多かったんですよ。「閃光」もまたそういう曲だなと感じたのですが、ご本人としてはその辺りの手応えはいかがですか?

リアド:本当にその通りで、新しい自分をみんなが引き出してくれている感覚はありますね。みんなリズムに対して“こうであるべきだ” “こうだったらカッコいい”という強いイメージを持っているので、それを共有しながら自分も新しい自分を探しに行く感覚でやっています。レコーディングの時も洋平が「もっと違うフレーズやってみて」というふうにいろいろな要求をしてくれて。それで叩いてみて、実際に出来上がった時に“あ、自分の叩くドラムがこんなフレーズになったんだ”という新しい発見があったりして。ライブもレコーディングもずっとそんな感じですね。

川上:まあ、1000回ぐらいダメ出ししてますけどね(笑)。俺もわーわー言ってますけど、ドラムのプロじゃないので細かいところまでは分からないし、多分、彼の概念が覆るようなことも言っていると思うし。でもそうなった時に新しいものを作り出せる楽しさがあるし、手探りだからこそ面白いのかなとは思いますね。

──お話を聞いている感じだと、川上さんは、リアドさんのドラマーとしての現状の能力よりも、これからの可能性、のびしろを見てメンバーに引き入れたのかなと思いました。

川上:俺は結構そういうメンバーが好きなんですよね。何だろうな……。リアドってもっともっとすごいことになっていくと思うんですよ。リアドのドラムは好きだけど、内なるものがもっとあると思うし、そういう意味ではまだ全然出てきていないと思う。リアドはそこを引き出すべきだと思うし、それは俺が引き出さなきゃいけないなものでもあると思うんですよね。それに、リアドはできていないことに対する意欲がすごいから、曲を作ってアレンジを頼む側としてはすごく楽しみで。つまり、俺はリアドのドラムに惚れたわけじゃなくて、リアド偉武という人間に惚れたから入ってほしいなと思ったんです。

▲川上洋平

──なるほど。タイアップ曲の場合、バンドの今の音としてアウトプットするだけではなく、タイアップ先の作品にどう寄り添うかも大事になってくると思いますが、歌詞はどのようにイメージを膨らませていきましたか?

川上:それは俺にも分からないですね。

──というと?

川上:昔からずっと、タイアップをもらって曲を作る時にあんまり意識し過ぎないようにしているんですよ。合わせにいこうとすると絶対に嘘が見えるし、そういう曲はライブでも全然やらなくなるから、そっちのほうが失礼だと思うので。もちろん映画を観て、原作の小説を読んでから曲を書きました。だけど、[Alexandros]にオファーしていただいたということは、どこかしらに[Alexandros]の味を求めていただいているということだから、その時の自分たちから自然に出てきたものを出すのが何よりの誠意だと俺は思います。うちらは職業作家ではないので、「『ガンダム』に合わせた曲を作ってください」と言われたらできないけど、「[Alexanrdros]が思う主題歌を作ってください」というオファーだったらできます、っていうところかな? 

磯部:[Alexandros]が『ガンダム』の主題歌を書くから、じゃあ映画のストーリーや画を俺らっぽい感じにするのかといったら、絶対そうはならないじゃないですか。だから結局Win-Winなんじゃないかなと思いますけどね。そうじゃないと化学反応って起きないだろうし。

──繰り返しになりますが、たとえ主題歌であろうと、今の自分たちの内から出てくるものが大事ということですよね。

磯部:そうですね。

川上:「「ワタリドリ」みたいな曲がいいです」と言われても、うちらが全然そういうモードじゃなかったら断るだろうし。だからロックバンドやっているんでしょうね。ロックバンドって何だろう?といったら、やっぱり好き勝手できるってことだと思うから。今日の服だって自分たちで買ってきたやつだし。(リアドを指しながら)このセットアップなんて、ホントについさっき買ってきてましたけど。

リアド:ははは。

川上:何でスタイリストがいないのかというと、服も自分たちで選びたいからで。自分のやりたいことをやっていないと「アーティストだ」「ロックバンドだ」とは言えないと思うんですよね。

──それはロックバンドの在り方としてめちゃくちゃ正しいなと思います。とはいえ、みなさんは2010年代のバンドなので、“フェスで会場を盛り上げるためには”みたいなことも考えざるを得なかったんじゃないですか?

川上:あ~、それはね、バランスです。基本的には“自分たちがやりたいことしかしないです”というスタンスだけど、“こういうのがほしいんだろ?”ということをやって、相手を喜ばせるのも好きという心も持ち合わせているので。だから、めちゃくちゃ本音で話すと、そういうポップ性がバランスよく存在しているから、仕事を失わずに、こうやってインタビューを受けられているのかなと思いますね(笑)。

磯部:俺はそれも純粋な欲だと思いますけどね。「やりたいことをやる」と言ってもただのオナニーじゃちょっとねと思うし、本当にやりたいこと=世間を100%無視することかと言ったらそうじゃないし。

▲磯部寛之

──ロックバンドの場合、“デビューするぞ” “フェスに出るぞ” “アリーナでライブするぞ”というふうに、ひとつずつ達成しながら活動規模を拡大させていく道のりがあるじゃないですか。ファンも、そうしてバンドが大きくなっていく過程にドラマを見出していて。

川上:うんうん。

──先ほど仰ったようなバランス感覚が功を奏して、[Alexandros]は勝ち上がり続け、スタジアムライブができるほどのバンドになりました。だけど、そのやり方でエンジンを燃やしていくタームは既に終えていて、そうではないものを原動力にしないといけない時期ですよね。

川上:まさにそうです。

──だからこそ「閃光」のような曲が、今、必要だったのかなと思いました

川上:必要だったというより、そうしたいと思い始めたという感じですね。ベストアルバムのリリースが自分たちのことを見直す機会になったんですよ。ドキュメンタリーも作って、“ああ、こういう曲あったなあ” “こういうことやってきたなあ”と改めて振り返った時に、仰る通り、“デビューして金稼ぐぞ!” “有名になってやるぞ!”と何かに駆られながらやってきた部分もあったなあと思って。“やらなきゃ”もすごく強いエネルギーになるけど……やっぱりね、ライブでも何でも、自分らが今やりたいことをやっている時が一番楽しいんですよ。やってほしい曲と思われてるって何となく分かるし、やらなきゃいけない曲も分かるけど、“俺たちはこれがやりたいんだ”ってことをドヤ顔でやっている時のほうが何億倍も気持ちいい。だから今は、売れるかどうかとか、流行りに近いかどうかじゃない。“やりたい”にもっと重きを置きたいし、自分たちの内から出てくるものを形にしてみんなに聴かせたい。勝っていきたいみたいな意欲はもちろん今もあるけど、それよりも音楽に対するピュアな情熱のほうが大きいですね。

取材・文◎蜂須賀ちなみ
ソロ写真 撮影◎小松陽祐

ニューシングル「閃光」

2021年5月5日(水)発売
■完全生産限定盤:UPCH-7582 ¥5,500(税込)
※CD+「HG 1/144 RX-78-2 GUNDAMVer. [Alexandros]」オリジナル・ガンプラ / 外箱、中箱(ガンプラ)、2面4P
ブックレット
※Ξ(クスィー)ガンダム書き下ろしオリジナルジャケット仕様

■初回限定盤(DVD):UPCH-7583 ¥3,080(税込)
※CD+DVD / 2面4Pブックレット+天地開きスリーブケース仕様

■初回限定盤(Blu-ray):UPCH-7584 ¥3,520(税込)
※CD+Blu-ray / 2面4Pブックレット+天地開きスリーブケース仕様

■通常盤:UPCH-5978 ¥1,100(税込)
※CD Only / 2面4Pブックレット

収録曲:
01. 閃光
02. 閃光 (English ver.)
03. 閃光 (Instrumental)

初回限定盤DVD / Blu-ray:
Secret Session Live at Shimokitazawa Shelter

Adam’s Apple Pie
Revolution, My Friend
My Blueberry Morning
Stimulator
閃光
For Freedom

▲「閃光」通常盤

<2021年ツアー>

2021年
6月17日(木)仙台GIGS OPEN 18:00/START 19:00
6月18日(金)仙台GIGS OPEN 18:00/START 19:00
6月24日(木)Zepp Haneda OPEN 18:00/START 19:00
6月25日(金)Zepp Haneda OPEN 18:00/START 19:00
6月30日(水)Zepp Nagoya OPEN 18:00/START 19:00
7月01日(木)Zepp Nagoya OPEN 18:00/START 19:00
7月08日(木)Zepp Fukuoka OPEN 18:00/START 19:00
7月09日(金)Zepp Fukuoka OPEN 18:00/START 19:00
7月15日(木)KT Zepp Yokohama OPEN 18:00/START 19:00
7月16日(金)KT Zepp Yokohama OPEN 18:00/START 19:00
7月23日(金・祝)Zepp Sapporo OPEN17:00/START18:00
7月24日(土)Zepp Sapporo OPEN 17:00/START 18:00
7月30日(金)Zepp Osaka Bayside OPEN 18:00/START 19:00
7月31日(土)Zepp Osaka Bayside OPEN 17:00/START 18:00

前売:¥7,700(ドリンク代別)
年齢制限:小学生以上チケット必要/未就学児入場不可
枚数制限:2枚まで

▼詳細後日発表
2021年
10月12日(火)横浜アリーナ
10月13日(水)横浜アリーナ
10月26日(火)日本武道館
10月27日(水)日本武道館

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