【インタビュー】川崎鷹也、広がる活動域「孤独は、恩返しのための過程なのかもしれない」

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2021年に入り、さらにその名を広げ続けているシンガーソングライター・川崎鷹也。4月には大ヒット曲「魔法の絨毯」がストリーミング再生1億回を突破し、様々な作品や企業とのコラボレーション、松本隆トリビュートアルバムへの参加、「魔法の絨毯」が収録されている2018年3月のCD作品『I believe in you』の再販など、ポジティブなトピックで溢れている。BARKSにて彼への3回目となるインタビューでは、映画『眠れないオオカミ』の書き下ろし曲「Answer」を中心に、曲作りとの付き合い方や、ライヴにかける思い、メディアへの活発なアプローチなど、2021年5月現在の彼のモードを多角的にフォーカス。その結果、彼のコアな部分と、新しい知見が浮かび上がってきた。

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■新しい経験をすることで気付くこともたくさんある

──「魔法の絨毯」ストリーミング再生1億回突破おめでとうございます。率直なご感想を教えていただけますでしょうか?

川崎鷹也:ありがとうございます。数字にこだわっているつもりはなかったんですけど、僕と同じ並びで語られることが多い優里くんやYOASOBIさんはだいぶ前に1億回を突破していたので、“俺も1億って言ってみたいなあ”と思うことはあって(笑)。わかりやすくミュージシャンの仲間入りを果たせた感覚は、やっぱりうれしいですね。

──TikTokでの「魔法の絨毯」使用動画の再生数が2億5万回突破したのとは、また違う感慨深さがありますよね。

川崎:もちろんTikTok経由で聴いてもらえるのもうれしいですけど、やっぱりストリーミングは曲全体を味わってもらえるので、ミュージシャン冥利に尽きますね。サブスクが発達してきたからお仕事中のBGMにできたり、ライヴに行くことが難しい状況だからおうちで聴いてもらえたり、みなさんが広めてくれて、愛してくれて、みなさんと一緒に少しずつ歩んでこれたからこそ到達できた1億回だと思います。初期から応援してくれている人も、最近僕を知ってくれている人も、みんなで一緒に大きくて素敵な景色を見に行きたいですね。

──実際、TVなどでこれまでにない活動を見せてくださっていると感じます。メディア露出は川崎さんにとって音楽活動のなかでどんな位置づけなのでしょう?

川崎:僕は音楽番組に出ることをゴールにしていたわけではないので、いろんなメディアさんに出演するのは“もっといろんな人に僕の音楽を聴いてもらうため”ですね。番組に出演して、いろんな人と出会って新しい経験をすることで気付くこともたくさんあるので、それらを経るごとでいかにミュージシャンとして、人間として、パパとして、夫としてどんな成長ができるかが僕にとっては重要なんです。


──去年のインタビューでも「魔法の絨毯」が注目を浴びて以降、“いままで関わることがなかった人たちと出会える場所が増えた”とおっしゃっていましたが、そのお話とつながってきそうですね。

川崎:奥さんや子ども、マネージャーをやってくれている賢也(※薄井賢也。マセキ芸能社で「髭兎」のメンバーとしても活動中)や事務所の社長と出会ったことで、いまの考え方に至っているなと感じるんです。いろんな人と出会って、いろんな考え方を知って、いろんなことを学んで──いろんな影響を受けて川崎鷹也が出来上がっている。だから僕からそれを取っ払ったら、残るものなんてほとんどないんです(笑)。

──(笑)。人間誰しもそういうものだと思いますよ。

川崎:あはは、そうなのかな。今年に入ってからメディア出演を介していろんなキャリアのミュージシャンの方々と関わる機会が増えて、カメラが回っていないところで演者だからこそ抱えている気持ちを話せたんですよね。ずっと尊敬していたレジェンドの方から“TV観たよ”や“頑張ってるね”と連絡が来ると背筋が伸びるし、この数ヶ月はプロとしての佇まいや考え方を学ばせてもらっているなと感じます。いろんなことを吸収しつつ、素直さは大事にしたいなと思ってますね。

──川崎さんは2021年、出会いだけでなくコラボレーションの機会が多いようにお見受けします。「Answer」は漫画『眠れないオオカミ』の書き下ろし曲、それ以外にも日比谷花壇とのコラボ曲、上野優華さんへの楽曲提供、Crystal Kayさんや優里さんとのデュエットなどかなりの数ですが、川崎さんがコラボレーションをするうえで心がけていることとは?

川崎:シンガーソングライターはエゴのかたまりで、自分のやりたいことを表現に落とし込んでいくことにすべてを注いでるんですけど、コラボレーションではまず自分のエゴを通さないようにしています。僕の性格的にもお互いの気持ちいいところを探りたいし、僕以上にお相手がいかに気持ち良く仕事ができるかに重きを置いていますね。お相手の求めるものに僕のエッセンスを加えるというか。だから僕がお相手に対して“どうしたいですか?”や“好きにやってもらって”というスタンスを取るのが、僕としてもやりやすくて。気にしいなんですよね(笑)。

──“楽しんでるかな?”と気になってしまうというか。

川崎:そうです、そうです(笑)。もとの性格がそんな感じだから自分の好き勝手できないし、しっかり話し合いもして、どんな届け方をしたいか、どんなものを求めているのか、しっかりコミュニケーションを取って把握するようにしています。

──上野優華さんは、川崎さんが作詞作曲を担当した「愛しい人、赤い糸」のインタビューで、“川崎さんは自分のスタンスを崩さないのに、人の懐に飛び込んでいける人”とおっしゃっていました。

川崎:あははは。優華ちゃんの場合は、オファーをいただいてからお互いの人間性をしっかり把握したうえで“この人おもしろい!”と思ったうえで始まったコラボレーションだから、そういうふうに感じてもらったのかも。『眠れないオオカミ』の作者であるしたら領さんもそうでしたね。したらさんは“こんなことを思っていて、こういうことを伝えたいんだけど、不器用だから漫画で伝えるしかない”とおっしゃっていて、それまじ俺と一緒!って(笑)。人見知りなところも同じだし。


──川崎さんのトークスキルにいつも助けられているので、人見知り発言は全然ピンと来ないです(笑)。

川崎:いや、ほんと!(笑)。自分が本気で取り組んでいるものを介しているから話せるのであって、それがないとあんまり積極的にはいけないんですよ。僕は音楽、したらさんは漫画という自分の武器があるから人と向き合えているというか。そういうなかで人間同士のつながりという土台を作って、それをクリエイティブに変換して、どう届けるかを考えているなかで、自分だけでは辿り着けなかった発見があって──それが「愛しい人、赤い糸」や「Answer」だと思いますね。

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