【インタビュー】石原詢子、古内東子書き下ろし曲で突破するポップスと演歌の境界線「“今だから見えるもの”と“ありがとう”を」

ツイート

■ジャンルも年齢も性別も関係なく
■受け入れてもらえる楽曲を歌いたい

──同じく古内さんが書き下ろしたカップリングのバラード「ひと粒」にリクエストなさったことはありましたか?

石原:「私のイメージで自由に書いてください」と投げかけたところ、東子さんが「失恋や片思いの、私の世界観の歌でよろしいんでしょうか?」とおっしゃったので「お好きなように書いてください」って。カップリングにするにはもったいないくらいのラブソングで、“好きになってしまったら、会いたくて切なくてどうしようもない”という気持ちが全て入っている曲です。聴いたら“また恋をしたいな”と思ってくださる方がいるんじゃないかなって。

──“私の話 つまらないでしょう”という出だしがインパクトがあって、ドキッとしました。

石原:そうなんです! そこは私もビックリしました。本当に素敵な曲です。

──古内東子ワールドですよね。レコーディングではどのように歌おうと?

石原:恋する気持ちを前面に出して歌いました。私自身の数少ない恋愛経験の中から(笑)、声をかけられて嬉しくて硬直したことだったり、冷たくされてクーって落ち込んだことだったり、若い頃に限らずときめいた時のことを思い出して歌いましたね。

▲石原詢子

──石原さんが本当の意味で新しいステップを踏み出したシングルということができそうですね。

石原:はい。新しく生まれ変われるんだから、後ろを振り向かずに今やれることをやりきりたかったんです。ガラッとイメージを変えたかった。だから、髪をショートカットにしてジャケットも一新して、ミュージシャンも編曲も初めての方々で、全てが新鮮でした。

──新しく生まれ変わりたいという気持ちの根源となっているものは何なんでしょうか?

石原:演歌という土台があるからこそ言えることなのかもしれないですけど、冒頭でお話をしたように、私が子供の頃は多くの人がTVで演歌とかポップスとか、音楽をジャンル分けしないで聴いていた時代だったんです。年齢も性別も関係なく受け入れてもらえる楽曲を歌いたい、そもそもそう思っていたことが大きいと思います。

──なるほど。今作は今後の石原さんの活動にどんな影響をおよぼしそうですか? 演歌をベースに枝葉を広げていくようなスタイルなのか、もっと大胆な活動になるのか?

石原:その両方ですね。今作はメッセージソングですが、古内東子さんが書く“もっと大人なラブソング”も歌ってみたいし。演歌はもちろん私の土台であり詩吟もルーツなので、オールマイティな歌手として、もっといろいろなことにチャレンジしていきたいという気持ちです。

──先ほど「女性演歌歌手は男っぽい方が多い」というお話が出ましたが、私自身、都はるみさんだったり、石川さゆりさんだったり、演歌にはしっとりした面がありつつも、悲しさを突き抜けていくダイナミックなパワーがあると昔から感じていました。そういう意味でもジャンルという壁がなくなればいいなと思っています。

石原:おっしゃる通りです。演歌は報われない恋を歌うことが多いので、ロックやJ-POPと路線は違うかもしれないですが、とても素敵なラブソングが多いんです。大ヒットさせることで、“もっと近い音楽なんだよ”っていうメッセージも届けていきたいですね。私が新しいことに挑戦したのは、より多くの方々に歌を聴いていただきたいという気持ちからで。“ありがとう”というメッセージを伝えたかったからでもあるんです。心に響く曲なので、ぜひ触れていただきたいと思っています。

取材・文◎山本弘子

   ◆   ◆   ◆


▲古内東子

▼印象深いエピソード
「ポップスを歌うという決断の潔さもそうですし、お食事をご一緒した中で、演歌を歌われる方はかしこまったイメージがあったのですが、それとは裏腹に、いい意味で男の人っぽいなとサバサバした方だなと思いました。かつ、その中にも乙女な部分があるのが魅力的でした」

▼レコーディングを振り返って
「詢子さんは“緊張した”とおっしゃってましたが、十分伸びやかな声を出されていた印象でした。そこに注目してお聴きいただけたらと思います。トップアレンジャーの河野伸が編曲されたオケに、詢子さんの声が加わって、できあがったなぁという実感がわきました。周りからも“完成度が高い”と好評で嬉しかったです!」

   ◆   ◆   ◆

■シングル「ただそばにいてくれて」

2021年5月19日発売


【CD】MHCL-2901 ¥1.300(税込)
1. ただそばにいてくれて
2. ひと粒
3. ただそばにいてくれて(オリジナル・カラオケ)
4. ひと粒(オリジナル・カラオケ)


【カセット】MHSL-41 ¥1.300(税込)
A面
1. ただそばにいてくれて
2. ひと粒
B面
1. ただそばにいてくれて(オリジナル・カラオケ)
2. ひと粒(オリジナル・カラオケ)

▼「ただそばにいてくれて」
作詞:古内東子 作曲:古内東子 編曲:河野 伸
▼「ひと粒」
作詞:古内東子 作曲:古内東子 編曲:河野 伸

■「ただそばにいてくれて」発売当日スペシャル生配信

5月19日(水) 19:30~
※YouTube生配信
https://youtu.be/qS0xApn_Gq8



◆インタビュー【2】へ戻る
◆インタビュー【1】へ戻る
この記事をツイート

この記事の関連情報