西田あい、故郷・鹿児島でデビュー10周年記念コンサート開催

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西田あいが5月15日(土)、地元・鹿児島県姶良市の姶良市文化ホール・加音ホール大ホールで鹿児島県民のみが来場可能な<姶良市制&西田あいデビュー10周年記念 ソーシャル・ディスタンス・コンサート>を開催した。到着したオフィシャルレポートをお届けする。

◆ライブ写真

本公演はコロナ禍の影響で昨年の7月に予定していたものが今年の1月に、さらにそれが延期となっていたコンサートの振替公演。

姶良市で生まれ、15歳から2年半のニュージーランドへの語学留学期間を除いて、デビューが決まるまで育った街の一番大きな会場でのワンマンライブは、西田の芸歴と同じく姶良が市になって10年の記念の公演となった。


幕開きは、おばあちゃんが持っていた鹿児島伝統の大島紬をリメイクした衣装で登場し、鹿児島出身の四元健一氏が作詞作曲し、姶良の他、様々な鹿児島の景色と心情を描いた「薩摩めぐり」でスタートすると「時の流れに身をまかせ(鹿児島弁ver.)」と続けた。

「やっと帰ってこれました!ただいま!」と挨拶すると、自身のこれまでを振り返るようにデビュー曲の「ゆれて遠花火」から始まり「ときめきカフェテラス」「雨おんな」「涙割り」「最後の頁」「愛が足りなくて」と10周年オリジナルメドレーを披露した。


掛け声をかけることができない客席とのコミュニケーションをとりたいと、掛け声の代わりに手をグー・パーする動きをレクチャーし、握手など触れることはできないまでも、少しでも近くに行きたいとマスクを2重に着用してイントロで中通路に移動。「ひとりにさせないで」を歌唱しつつ、客席と一体となって身体を動かした。

ここから姶良市制10周年のセレモニーへと移り、湯元市長の挨拶の後、姶良市のイメージキャラクター・くすみんから「姶良ふるさと大使」の委嘱状と花束を手渡された。


セレモニー後はバンドメンバーが登場し、西田が生まれ育った姶良市蒲生町にあり、国の特別天然記念物に指定されている日本一の巨樹・蒲生の大クスを舞台にした「帰郷~今でもクスノキの下で~」をしっとりと聴かせた。同曲の作詞・松井五郎さんが西田の生い立ちを聞き、制作された思い入れの深い作品だと明かす。

続いて、コロナ禍の影響を直接受ける中で「新しい私にエールがあるなら いつかの涙も力にしたい」という歌詞に自分自身も励まされたという「My Story」を披露。昨年3月に発売し、オリコンデイリーシングルランキングの演歌・歌謡曲チャートで、自身初となる初登場1位を獲得しながらも、客前ではなかなか披露することができなかった作品だけに、1年以上の歳月を経ての歌唱は、「日9ライブという毎週日曜日の夜9時にYouTubeでの生配信では毎週歌っていたけど、やっと皆さんに生で聴いてもらえた」と、想いもひとしおだった様子。


続いてはコロナ禍のステイホーム期間の生活をきっかけに生んだとも言える、今では歌手・西田あいの大きな武器になっているギターを抱えた。昨年、人前で歌う機会を奪われたことで始めたギター。昨年、7月10周年の記念にYouTubeで24時間生配信という前代未聞の挑戦を実行した中のライブでも歌った「夢の中へ」と、10月10日に10曲のフォークソングを撮影し、翌日から10日連続でアップするという企画「10aisongs」でも歌った「22才の別れ」を披露した。

実はこのステージのバンドメンバーが、その「10aisongs」に協力してもらったミュージシャンだということを明かすと「普通じゃ考えられない短い準備期間で撮影当日を迎えたことなど、その時の秘話も語り「青春の影」「あの日にかえりたい」「心もよう」と3曲を続けて披露し、声の種類、表現の仕方、昭和歌謡やシティポップを勉強してきた年輪を感じさせると共に、ギターも短期間での成長ぶりを見せた。10年のキャリアの中で培った、楽曲を届ける表現力と、自らの想いを発信し続けている近年の活動が相まって、西田あいならではの世界と言えるステージを繰り広げた。

コロナ禍の影響で塞ぎ込んだ時期もあり、苦しんだ自粛期間も自分にとっては必要な時間だったと思っていると語り、3月にリリースした新曲「幸せ日記」を弾き語りver.から、2C以降はバンドメンバーも参加するというアレンジで披露した。そして、最後の曲としてカバーアルバムにも収録してあり、MVは地元で撮影した「神様の宝石でできた島」で締めくくった。


が、鳴りやまぬ拍手に誘われて、手作業のアレンジを施した黄色いグッズで再登場すると「デビューから故郷の皆さんにはとてもたくさんのご支援をいただきました。誰にも知られていない頃から、地元から歌手が出たぞ!って応援してくれて歌わせていただける場所を提供してくれたり、毎月の様にイベントに呼んでいただいたり、本当に嬉しかった」と感謝の言葉を述べると共に「その毎月の様に来ていた故郷に帰ってくるのに、まさか1年3カ月もの長い期間かかるとは。だから、今日、終わりたくないなぁ…。でもまた鹿児島の皆さんと会って、皆さんの前で歌う事を約束します!」と語り「やっぱり故郷の皆さんの前で最後にもう1度この曲を歌いたい!」オープニングではカラオケで歌った「薩摩めぐり」を自身のギターとバンドの演奏で披露し、エンディングとなった。

コロナ禍で歌う場所を失い、試行錯誤しながらも挑戦し続け、たくさんの困難を乗り越えてきた歌手・西田あいに新しい光が差し始めた。歌謡曲歌手としてデビューし、作品の世界を届けることを学び、今では自分の想いを自分の言葉で発信し続けている西田あい。その両端にありそうな2つを同時に表現することができるようになったことに10年の年輪を感じる。

己の自己満足のためではなく、自分の言動に励まされ、明日への活力にしてくれる人のために歌を届けられる西田のような歌い手が広く浸透していく頃、様々な理由で立ち止まっている世の中が、うまく回り出す予兆のような気がする。近年、若い層の女性が西田を支持する声が多く上がる様になってきたのは、彼女たちは前向きに走り続ける西田を通して明るい未来を思い描いているのかもしれない。


セットリスト<姶良市制&西田あいデビュー10周年記念 ソーシャル・ディスタンス・コンサート>

M1「薩摩めぐり」
M2「時の流れに身をまかせ(鹿児島弁ver.)」※カバー
M3『10周年オリジナルメドレー』
(「ときめきカフェテラス」「雨おんな」「涙割り」「最後の頁」「愛が足りなくて」)
M4「ひとりにさせないで」
M5「帰郷~今でもクスノキの下で~」
M6「My Story」
M7「夢の中へ」※カバー
M8「22才の別れ」※カバー
M9「青春の影」※カバー
M10「あの日にかえりたい」※カバー
M11「心もよう」※カバー
M12「幸せ日記」
M13「神様の宝石でできた島」※カバー
EC「薩摩めぐり」

最新シングル「幸せ日記」

2021年3月3日(水)発売
CRCN-8390 ¥1,364+税
[収録曲]
1. 幸せ日記
2. Home
3. 幸せ日記(弾き語りver.)
4. 幸せ日記(Instrumental)
5. Home(Instrumental)

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