カワイ、アコースティックピアノアクション搭載ハイブリッドピアノが進化、「NOVUS NV10S」「NOVUS NV5S」発売

河合楽器製作所から、デジタルピアノにアコースティックピアノの技術を導入したハイブリッドピアノNOVUSシリーズの新製品が登場。よりアコースティックピアノに近い音と充実した機能を実現した「NOVUS NV10S」と「NOVUS NV5S」が5月21日に発売される。



ハイブリッドピアノNOVUSシリーズは、河合楽器製作所の創立90周年記念モデルとして誕生し、グランドピアノアクションを搭載した「NOVUS NV10」が2017年に、アップライトピアノアクションを搭載した「NOVUS NV5」が2019年に発売されている。アコースティックピアノの弾き心地とBluetooth Audio、カラー液晶タッチパネルなどのデジタル技術を兼ね備えた新たなジャンルの製品として多くのユーザーに使用されている。


今回登場の「NOVUS NV10S」と「NOVUS NV5S」は、音源システムのバージョンアップやスピーカーシステムの改良などで、よりアコースティックピアノに近い音を楽しめるととともに、カラー液晶タッチパネルデザインを一新したことで、機能面においてもより充実した製品となっている。

カワイでは、ピアノ音収録時にさまざまなマイク一でサンプリングした音を多層的に組み合わせた同社独自の音源システムを開発しているが、「NV10S」と「NV5S」にはその音源システムの最新版を搭載。グランドピアノ特有の音であるハンマーが弦に当たる瞬間の音と鍵盤を押したと時に鍵盤が下に当たる瞬間の音を、弦や響板の音とは別にサンプリングしたことで、より一層グランドピアノの音に近づいた。

スピーカーシステムも刷新された。「NV10S」では、低音スピーカーのサイズを16cmから20cmに変更。設計を刷新したことで低音の響きを向上させた。また、演奏者へより自然な音色を届けるため中高音スピーカーの一を変更。これらの改良により、グランド緋杏おのような豊かな響きを体感できる。


一方の「NV5S」は、響板スピーカーの加振器を一新し、高音域の再生能力が向上。低音から高音までしっかりと鳴り響く、迫力のある響きが楽しめる。

スマートフォンのようにカンタンに操作できるカラー液晶タッチパネルは画面デザインを一新。「最近演奏した音色リスト」や「お気に入りの音色リスト」など、プレイリストのように音色をカンタンに選択できるようになり、今まで以上に使いやすくなった。また、専用のアプリを使えば、スマートフォンやタブレットを使って離れた場所からでもタッチパネルと同様の操作で使うことができる。


アコースティックピアノアクション搭載は前モデル同様。優れた連打性と弱打コントロール性を実現している。また、ハンマーの動きを読み取る機能として非接触型光センサーを採用し、鍵盤タッチに影響を及ぼさず演奏者のタッチを正確に検知。アコースティックピアノが持つ豊かな表現力を実現し、演奏者の高度な要求にも応える。さらに、ダンパーペダルを踏んだ時と踏まないと時の鍵盤のタッチ感の差を実現するためのダンパー機構も搭載。アコースティックピアノの弾き心地を再現している。デジタルピアノへのダンパー機構の搭載は業界唯一となる（2021年5月現在）。

外観を美しく魅せるデザインも大きな特徴。「NV10S」は、グランドピアノを彷彿とさせるようなラウンドとエッジの効いた美しいラインを取り入れ、コンパクトでありながらもグランドピアノの優美な佇まいを実現。「NV5S」では、アクションを搭載しながらも奥行46cmとスリムなスタイルを実現し、部屋の景観を妨げないスタイリッシュな外観に仕上げている。

鍵盤蓋を閉じる時に誤って手を離しても、蓋がゆっくりと自然に閉じる、カワイのアコースティックピアノにも採用されている「ソフトフォール鍵盤蓋」を採用。不用意に鍵盤蓋に触れても手を挟む心配がないのは、子供がいる家庭では特にうれしいはず。このほか、右手、左手パートを個別に再生したり、曲の一部分だけを繰り返すなど多彩な練習が可能な豊富なレッスン曲を内蔵（NV10S/NV5Sともに377曲）。調律師が行うようなピアノ音の調整ができる「コンサートチューナー機能」や、鍵盤でテンポを刻むことで指一本で演奏できる「コンサートマジック」、スマートフォンからの音楽をピアノ本体のスピーカーで再生できるBluetooth Audio機能（対応コーデックはSBC、AAC、aptX）、MIDIに対応したアプリをワイヤレス通信で接続して楽しめるBluetooth MIDI機能、立体感と臨場感のある音を再現する「スペイシャル・ヘッドホン・サウンド」、WAV/MP3録音再生機能など、多彩な機能を備える。