【レポート】井出靖、<Yasushi Ide 60th Celebration Special “New Beginning” THE MILLION IMAGE ORCHESTRA VS The Cosmic Suite Ensemble>

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井出靖の生誕60周年、並びに本人名義では8年ぶりとなる1曲36分の新作『COSMIC SUITE』リリースを記念した有観客のライブ<Yasushi Ide 60th Celebration Special "New Beginning" THE MILLION IMAGE ORCHESTRA VS The Cosmic Suite Ensemble>が、2021年5月20日(木)東京・KANDA SQUARE HALLにて行われた。

◆井出靖 関連画像

会場はいわゆるスクール形式で座席が並べられており、ひとつ空けて座る、ソーシャルディスタンスを考慮した配置で、230名限定のゲストが着席で観覧する。もちろん入り口での消毒、マスクの着用・声出し禁止など、感染防止対策を徹底的に守られた形で行われたことは言うまでもないだろう。


場内に入ると一際目を引くのが、MIRRORBOWLER主宰の麻田亮による二つの大きなミラーボールだ。同ホールの高い天井から吊られているミラーボールは華麗で幻想的でありつつ、井出の“COSMIC”な世界観をのっけから体感できるという仕掛けだ。また、“一本のロードムーヴィを視覚・聴覚で感じられる今までになかった表現スタイルを示した”THE MILLION IMAGE ORCHESTRA、そして井出靖名義としては8年振りになるアルバム『Cosmic Suite』1曲36分にも及ぶ組曲を再現するThe Cosmic Suite Ensembleの“対決”とあって、ステージ上には所狭しと機材が並び、ステージ下にはDJブースが備えられている。






オンタイムでスタートした<New Beginning>のオープニングは、The Million Image Orchestraより、お馴染みとなったDJ田中知之(FPM)とタップダンサーSAROの“二人芝居”「Track For Saro」。田中が繰り出すビートとSAROのタップが呼応する、その間およそ5分、早くも音とダンス、その空間に没頭する。徐々に早くなる二人のリズムは、これから始まる<New Beginning>への期待感を高めてくれるようでもある。そして拍手喝采と共にDJは田中から井出へ。藤本一馬、大山渉、西岡ヒデロー、椎野恭一が登場し、疾走感溢れるジャジーな「Golden Fields」を披露する。





リズム隊(椎野恭一、西岡ヒデロー)を残し、紫垣徹、AKIHIRO、Watusi、外池満広が加わりSKA FLAMESの「星に願おう」。ボーカルが延原達治に変わりTHE PRIVATESの「シェリー」と、名曲が続く。いわんや会場の誰もが口ずさんでいるかのようなスタンダード・ナンバーだ。続いてぐっとステージ上が狭くなり、塚本功、石井マサユキ、穴井仁吉、上原”ユカリ”裕、椎野恭一、外池満広、西岡ヒデロー、大山渉が参加しての「Caravan」。圧巻のツイン・ドラム。まだ5曲目ながらここが前半戦の一番の盛り上がりと言えるのではなかろうか。この日は時間が流れるのが早い、そんな気がしたのは筆者だけではなかろう。



身体が熱くなったところで(そんな気がした)、いよいよ事前告知通りの二人、高木完とRECK(FRICTION)がステージに現れた。井出のMCにて登場、現在制作中の『Cosmic Suite』続編で共演しているという二人。「座っている人の前で演奏するのは初めてだ」というRECKのエピソードの後に、椎野恭一を迎えた3ピースに井出がDJで参加した新曲、そして外池満広を加えた「HEAD!」を聴かせてくれた。ライブ・レポートの文で一番使いたくない言葉ではあるが、とにかく“かっこいい”。3ピースでありながらソリッドな音、激しくグルーヴするベース、畳み掛ける声、そしてその佇まい……この瞬間だけ、ミラーボールが視界から消えてしまったような、要は二人に釘付けの状態だ。ロック、アヴァンギャルド、その括りはなんでもいいのだが、井出靖の次回作に否応なしに期待が高まる。


本公演は感染防止対策のため、途中換気タイムが設けられている。高木完とRECKのパフォーマンス覚めやらぬ中、休憩を挟んで、第2部に突入する。始まりは井出のMCから。井出が曲をかけ、照明とミラーボール、音と光を楽しむ趣向だ。井出のチョイスは1974年に発表されたカルロス・サンタナとアリス・コルトレーンの「Illuminations」。これからThe Cosmic Suite Ensembleのメンバーと共に出かけるコズミックなトラベル……眩く光り輝くミラーボール、そして幻想的なライティングは、壮大な第2部の幕開けに相応しいように思えた。




第2部の一曲目は、井出が「インプロビゼーション溢れるコズミックなジャズ・ファンクを目指した」というヤン富田グループ「Patrol of the Saturn」のカバーから。それに続いて藤本一馬が奏でる印象的なギター・リフで最後の曲、1曲36分の「Cosmic Suite」が始まる。巧みなエディッティングで構成された「Cosmic Suite」が、ライブ演奏でどう披露されるのか、誰もが気になっていたはず。ロング・コートを羽織り、ステージに現れた井出。コズミックな映像、大竹彩子のイラストレーションをバックに中央に立つ、その姿はさながらジョージ・クリントンのようでもあり、クインシー・ジョーンズのようでもあり……そして心地よい無秩序な大人のジャム・セッションを見ているようでもあり、時折振られる井出のタクトでビシッと纏まる様はビッグ・バンドのようでもあり……。400トラックにも及んだという「Cosmic Suite」が、田村玄一、石井マサユキ、AKIHIRO、藤本一馬、Watusi、上原”ユカリ”裕、椎野恭一、堀江博久、外池満広、西岡ヒデロー、大山渉といった手練れたちをまとめる井出の巧みな手腕により、奏でられる様は圧巻であり、井出言うところの「圧倒的な作品」であった。


THE MILLION IMAGE ORCHESTRA、The Cosmic Suite Ensembleが繰り出す音、アフリカ・バムバータら“声”のゲスト、MIRRORBOWLERのオブジェ、ミュージックビデオ、VJ、ライティングなどまさに光と音との競演と言える<Yasushi Ide 60th Celebration Special "New Beginning" THE MILLION IMAGE ORCHESTRA VS The Cosmic Suite Ensemble>。このコロナ禍の<New Beginning>にあえて何かが足りないと問えば、“酒”と“語らい”だろうが、それは次の機会に取っておこう。井出靖の“New Beginning”、そして『Cosmic Suite』続編に期待だ。

取材・文:barks編集部
撮影:三浦憲治


<Yasushi Ide 60th celebration special New Beginning THE MILLION IMAGE ORCHESTRA VS Cosmic Suite Ensemble>

2021年5月20日(木)
KANDA SQUARE HALL
Open 17:00 Start 18:00

■出演 THE MILLION IMAGE ORCHESTRA
紫垣徹、延原達治、塚本功、AKIHIRO、石井マサユキ、藤本一馬、穴井仁吉、WATUSI、上原裕、椎野恭一、外池満広、西岡ヒデロー、大山渉、田中知之、SARO、井出靖

Cosmic Suite Ensemble
AKIHIRO、石井マサユキ、藤本一馬、WATUSI、上原裕、椎野恭一、外池満広、堀江博久、西岡ヒデロー、田村玄一、大山渉、井出靖

声のゲスト
Afrika Bambaataa
Objet Mirror Bowler
Music VIdeo VJ 北岡一哉
Lighting 山下恵美

TICKET : Adv 6,000yen / Door 7,000yen (共にドリンク代別)
一般販売 : on sale
 e+ https://eplus.jp/yasushiide/
 Grand Gallery店頭販売 03-6407-0750、 https://grandgallerystore.com/
Youth割引き Door 3,000yen (ドリンク代別)
 ※30歳未満の方が対象
 ※Grand Gallery店頭にて購入可能。
 ※ご購入の際に身分証のご提示が必要になります。
 ※プレイガイドで前売り券をご購入頂いた場合、公演当日に身分証のご提示でキャッシュバック致します。

PLAYGROUNDS : cosmicsuite@playgrounds.co.jp

備考・注意事項
:  ※再入場禁止
 ※撮影機器、録音・録画機器のお持込みは御遠慮下さい。
 ※小学生以上チケット必要、未就学児童膝上鑑賞可。ただし、座席が必要な場合はチケット必要。
 ※本公演は、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室のガイドラインに従って収容人数を50%以下として開催いたします。

◆Grand Gallery オフィシャルサイト
◆井出靖 ブログ(note)
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