【速レポ】＜SATANIC CARNIVAL＞MONGOL800、雨上がりの温かで朗らかなステージ「富士山が見えてきました」

恒例の「Enjoy Yourself」がSEで流れると、上江洌清作（Vo,B）、高里悟（Dr,Vo）、サポートメンバーのKuboty（G,Cho）の3人が登場。SATAN STAGEの3番手を務めるのは沖縄発のMONGOL800だ。

◆MONGOL800 画像

「いい感じに晴れてきて、富士山が見えてきましたね」と清作が笑みを浮かべると、「あなたに」で本編スタート。この曲で清作が歌い始めた後、2019年に脱退したオリジナルメンバーである儀間崇（G,Vo）が歌うパートをなんとKubotyが歌い上げ、これにはちょっとビックリした。ギターだけではなく、ヴォーカルでもモンパチの楽曲を力強く支えているではないか。

雨が降って太陽が顔を出す──次は今日のシチュエーションにぴったりの「太陽雨」をプレイ。朗らかで温かいメロディを振りまくと、「嬉しい、超晴れた。荒吐（ARABAKI ROCK Fest.）、俺らのワンマンも飛んで、カウントダウン以来、半年ぶりのライヴ。1曲カバーやっちゃってもいいですか？」と清作が言うと、もはやお馴染みのサポートメンバーであるNARI（Sax／SCAFULL KING）、Seasir（Tp／DOBERMAN）の2人を迎え、「青春狂騒曲」を披露。


この曲は、サンボマスター初のトリビュートアルバム『サンボマスター究極トリビュート ラブ フロム ナカマ』参加曲であり、今年4月に出た自身のアルバム『etc.works3』にも収録されたもの。原曲はいい意味で裏切る大人びたカバーで、モンパチらしい落ち着いたムードがまたバンドのカラーにマッチしていた。

引き続き賑々しい管楽器隊を従え、記念すべき1stアルバム『GO ON AS YOU ARE』から「PARTY」、「DON’T WORRY BE HAPPY」と連発。前者ではKubotyがここぞとばかりにギターを弾きまくり、後者においてはNARI〜Seasir〜Kubotyとリレー形式でソロパートを繋ぐ演出もあったりと、新しいアプローチで観客を盛大に沸かせる。


再び通常の3人体制に戻ると、「あなたに」同様、ライヴ不可欠の名曲「小さな恋のうた」へ。ここでもKubotyは歌で援護し、モンパチの楽曲に新たな色を添え、大勢の観客を歓喜の渦に巻き込んでいった。

ライヴも残り1曲となり、ここで意外にも戦後70年の沖縄慰霊の日にあたる2015年6月23日にYouTube先行公開された「himeyuri〜ひめゆりの詩〜」（7thアルバム『People People』収録）を最後にプレイ。“平和と呼ぶにはまだ遠く 歴史にするにはまだ早い”という印象的な歌詞を用いたメッセージソングを解き放つ。



「LOVE」、「HAPPY」、そして「PEACE」はモンパチを語る上では外せないキーワードだ。曲前に多くを語ることなく、すっと演奏に入ったけれど、沖縄から平和を希求し続ける姿勢は多くの人たちの心を根底から揺さぶったに違いない。終了後、ステージに向けて観客からは惜しみない拍手が送られていた。

※高里の「高」は「はしごだか」

取材・文◎荒金良介
撮影◎中河原理英