【速レポ】＜SATANIC CARNIVAL＞ハルカミライ、エネルギーの全力フルスイング「元気そうで何よりだぜ！」

2日間に渡り熱演が繰り広げられたEVIL STAGEも、ついに終演のときを迎える。その最後を担うのは八王子発の4ピースロックバンド、ハルカミライ。

◆ハルカミライ 画像

＜SATANIC CARNIVAL ‘18＞に初出演した際、「怪獣の中に野ウサギが迷い込んだ」と揶揄されたことに触れ、それをひっくり返しに来たと話していたが、今やそれも笑い話。暴発気味とも言えるロックンロールなライヴで多くのオーディエンスを魅了し、確固たる存在感を示し続けているバンドだ。


その期待感はかなり高く、ライヴがスタートする前から前方エリアは満員御礼。それを感じ取ったのか、サービス精神旺盛なサウンドチェックを終えた後、橋本 学（Vo）が「やっときたぜ、おい！」と大声を上げ、「君にしか」から全力のフルスイングをかまし、最高のスタートダッシュを決める。


フロントに位置する橋本、関 大地（G,Cho）、須藤 俊（B,Cho）の3人は縦横無尽にステージを動き回り、唯一その場から動けない小松 謙太（Dr,Cho）も強烈なショットを繰り出し、ときには立ち上がったりもする。なりふり構わずに踏み込んでいるからか、気持ちをさらけ出しているからか、彼らの一挙手一投足からとにかく目が離せなくなる。特別な派手さ、パフォーマンスではないが、惹きつけられる魅力がにじみ出ているのだ。


また、「おい、お前ら。元気そうで何よりだぜ！」と橋本が口にしていたが、久しぶりにお互いを確かめ合う場になっていたのだろう。ステージも客席エリアも熱気が高まり続けたのも頷けるところだ。

とは言え、「カントリーロード」、「ファイト!!」や「俺達が呼んでいる」等で激しく熱く突き進みながら、一転して、＜SATANIC CARNIVAL＞への気持ちを織り交ぜた歌詞で響かせたスローバラード「僕らは街を光らせた」は特筆したいポイント。加えて、クライマックスで楽器隊がぶっ壊れるぐらいに躍動する様も素晴らしかった。


そこから、本来ならば大合唱が痛快であろう「PEAK'D YELLOW」でストレートにパンクロックを鳴らし、パワフルでありながら寄り添ってくれる温かさも持つ「世界を終わらせて」と続けていき、ラストは「ヨーロービル、朝」という胸がすくような流れで締めくくり。“開けた蛇口は閉めないスタイル”とでも表現しようか、最後の最後までドバドバとエネルギーが溢れ出していた。

取材・文◎ヤコウリュウジ
撮影◎半田安政