“ホラー映画音楽職人”マーク・コーヴェンが劇伴を担当する『ライトハウス』、五感を刺激するそのサウンドの秘密とは?

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『ムーンライト』『ミッドサマー』など次々に斬新で良質な作品を生み出し続け、最も勢いのある制作・配給会社A24が製作、2020年のアカデミー賞撮影賞ノミネートほか世界中の映画賞を席巻した傑作『ライトハウス』がいよいよ2021年7月9日(金)全国ロードショーとなる。

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北米ではA24の配給で公開され、わずか8スクリーンでスタートしたミニシアター系の映画としては異例の興行収入1,000万ドル以上の大ヒットを記録。⻑らく日本での公開も待たれていた本作の監督を務めるのは、⻑編デビュー作『ウィッチ』がサンダンス映画祭で圧倒的高評価を受け、一躍スター監督へと躍進したハリウッド屈指の才能、ロバート・エガースが務めている。


謎めいた孤島にやって来た“2人の灯台守”たちが外界から遮断され、徐々に狂気と幻想に侵されていく――人間の極限状態を恐ろしくも美しい映像で描いた本作。少しずつ狂気の世界に足を踏み入れていく2人の灯台守をW主演で演じるのは最新シリーズの『バットマン』の主演に決定、2020年に公開し大ヒットしたクリストファー・ノーラン監督『TENET テネット』で人気が爆発したロバート・パティンソンと、言わずとしれた世界の名優ウィレム・デフォーという、実力と人気いずれも申し分のない2大スター。そして今回ぜひ注目したいのが、彼らが繰り広げる壮絶な演技合戦を更に盛り上げる“陰の主役”作曲家のマーク・コーベンが手がけた『ライトハウス』の刺激的な五感を刺激するサウンドだ。

コーベンは「エガース監督から、本作の音楽は“海”とつながりが必要だと聞きました。ですから、私はそれが、管楽器でなければならないと思いました。映画の舞台となる、あの古い灯台では、小さなコルネットや古いトランペットが演奏されている可能性があります。あるいは、古い風変わりなアコーディオンなどが転がっているかもしれません。エガース監督は、"よし、これらの楽器は実際に灯台守達が演奏していたかもしれない"と考えました。また管楽器には、息、風、海、波など、“海”を想起させる要素がありますよね」と言い、その希望に応えるため、オーケストラを使用する金管楽器中心にしたスコアを制作していった。加えて、映画の音楽をより豊かにするために、端にゴムボールが付いた木槌を、木やガラスなどのさまざまな表面に引きずること摩擦音を表現、ワイングラスと濡れた指で作られた音楽の音を再現するように設計されたガラス・アルモニカや、淵の周りに⻘銅の棒が付いたステンレス製のボウルで、摩擦した木槌を使うと力強く、極めて優美な音を発するウォーターホーン(オーシャンハープとも呼ばれる)などさまざまな独自の“楽器”を採用している。

エガース監督の前作『ウィッチ』(15)に続き2度目のタッグを組むこととなったマーク・コーベン。“出す音全てがホラー属性”というなんとも不穏なアコースティック楽器「アプリヘンション・エンジン」の設計者でもあり、大ヒットした密室スリラー『CUBE』(98)などの劇伴でも有名な彼だが、本作でも全編に渡って禍々しく優美なトーンで絶え間ない試練を予感させるスコアを制作、“ホラー映画音楽の巨匠”とも言われる彼の手腕を遺憾無く発揮した本作を、ぜひ音響設備の整った劇場で体感してほしい。


『ライトハウス』

2021年7月9日(金)、TOHO シネマズ シャンテほか全国ロードショー
監督:ロバート・エガース『ウィッチ』 脚本:ロバート・エガース/マックス・エガース 撮影:ジェアリン・ブラシュケ『ウィッチ』 製作:A24
出演:ウィレム・デフォー『永遠の門 ゴッホの見た未来』、ロバート・パティンソン『TENETテネット』
2019 年/アメリカ/英語/1:1.19/モノクロ/109 分/5.1ch/日本語字幕:松浦美奈 原題:The Lighthouse 提供:トランスフォーマー、Filmarks配給・宣伝:トランスフォーマー

■STORY
1890年代、ニューイングランドの孤島に二人の灯台守がやって来る。彼らにはこれから四週間に渡って、灯台と島の管理を行う仕事が任されていた。だが、年かさのベテラン、トーマス・ウェイク(ウィレム・デフォー)と未経験の若者イーフレイム・ウィ ンズロー(ロバート・パティンソン)は、そりが合わずに初日から衝突を繰り返す。険悪な雰囲気の中、やってきた嵐のせいで二人は島に閉じ込められてしまう......。

◆『ライトハウス』 オフィシャルサイト
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