【速レポ】<京都大作戦2021>Ken Yokoyama、「観に来てくれる人がいるから俺たちは輝ける」

ツイート

晴天とは呼べないものの、ギラギラと太陽が照り付ける太陽が丘。立っているだけで汗が吹き出す高い湿度は、まさに京都にいるなって感じ。その太陽以上に輝く笑顔でステージに登場したのはKen Yokoyamaだ。メンバーは思い思いに手を振って、オーディエンスの拍手にも答える。

◆Ken Yokoyama 画像

「京都大作戦、久しぶり。東京から来たKen Yokoyamaです。交通機関の乱れで新幹線が止まって、Minamiちゃんが、たった今、着きました」──Ken



今日は早朝から東海道新幹線が雨のため運転を見合わせ、約5時間近く予定より遅延したのだ。関係者もファンも含め、当日東京方面から京都へ向かった多くが、この遅延に巻き込まれた。Minamiは、新幹線が止まっているならと一度、羽田まで行って、だがチケットが取れなかったため再び新幹線へ。そんな大冒険のような道のりを経て、本番2分前に会場に着いたばかりだった。

「お天道様には敵わないですよね。コロナにも敵わないですよね。コロナもあって、天気のいいも悪いもあって、でも今年こうやって会えて、良かったじゃないですか。4日間、無事に開催されることを祈ってます」──Ken





そう言いながら、グレッチを手にKenが静かに響かせ始めたコード。それは1曲目へのプロローグだ。そして始まったのは「I Won't Turn Off My Radio」。切ないマイナーメロディが太陽が丘に広がり、身体を揺らしていくオーディエンス。「歌える人は一緒に心の中で歌ってくれ!」とKenが呼びかけると、歌声こそ聴こえないものの、腕も上がり一体感も自然に生まれていく。その光景を目にしながらKenは言った。

「サンキュー! 見た目はポカーンとなっているけど、気持ちは伝わるんだぜ」──Ken

その言葉から続くのは最新アルバムからのタイトルナンバー「4Wheels 9Lives」だ。いつもは曲に合わせてダイブやモッシュなどで暴れ狂うオーディエンス。しかし今は、声が出ないようにメロディを口ずさみながら、ハンドクラップを鳴らし、そしてステップを踏んで曲と同化していく。


「分かるぜ、その感じ。“ううーん……”みたいなの。でもこれが今、精一杯だからな。主催者からあれしちゃダメ、これしちゃダメって言われる前に、みんな、分かってるもんな。その上で、ここの場所を選んでくれて、時間を取って、わざわざ来てくれて、ありがとう」──Ken

その場でピョンピョンするぐらいならできるのかなと言いつつ「Come On, Let's Do The Pogo」、さらに「Woh Oh」を放つ。

もともとKenは、パンクだけじゃなく、ロックンロールもブルースもメタルもルーツに持つミュージシャンだ。だから50年代や60年代を連想させるスイングするロックンロールナンバーを作るのも、なんら不思議ではない。しかし今日演奏しているナンバーの数々を改めて見てみると、もしかしたら、この状況だからこその選曲をしているのかもしれない。衝動的に荒々しく攻め立てるナンバーを敢えて避け、Ken Bandの様々な曲の中でも、とくに分かりやすく覚えやすいメロディや無条件に身体が反応してしまう楽しいリズムを持った曲を、この日は主軸にしているような気がする。ライブで初披露となる「Forever Yours」も、突き抜けるメロディが太陽が丘の晴れた空に広がり、ただただ気持ちいい。





そんなライブ後半、「京都大作戦、喰らってくれ!」と突入したのは「Punk Rock Dream」だ。<京都大作戦>で過去に何度もプレイしてきたナンバーのひとつでもある。いつもならマイクを客席エリアに放り投げ、オーディエンスに歌わせて、共にパンクロックの夢を膨らませながら盛り上がる曲だったりする。しかし今はみんなに歌わせるのではなく、自らがみんなの思いを一身に受け止めながら、みんなの気持ちも代弁するように力を込め歌い続ける。ときおり目を閉じ、そしてオーディエンスを指さしながら。その表情も、笑顔ではなく真剣だ。気迫も気合いも愛情も、めちゃめちゃ伝わってくる。

「来年また、一昨年とも、今年とも違った光景が見れるといいね。10-FEETが呼んでくれたら来るから。来年には、2021年は大変だったよねって、笑い話になったらいいな。こればっかりは俺たちの力じゃどうにもなんないことから、ただただ待つ身だよね。でも来年そうなったらいいよな。また会おうな。こうやって観に来てくれる人がいるから、俺たちはこうやって輝けるんだよな」──Ken


ラストにカバーソング「You Are My Sunshine」をプレイしながら、Kenはもちろん、Jun Gray、Minami、EKKUNも、ステージに登場したとき以上の笑顔を見せる。Ken Yokoyamaは心底からみんなの気持ちを明るくさせながら、ポジティブな音楽をとどろかせ続けた。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎青木カズロー/瀧本 JON...行秀

【Ken Yokoyama セットリスト】

M1. I Won't Turn Off My Radio
M2. 4Wheels 9Lives
M3. Come On, Let's Do The Pogo
M4. Woh Oh
M5 .Forever Yours
M6. Punk Rock Drea
M7. You Are My Sunshine

<京都大作戦2021~中止はもう勘弁してくだ祭(マジで)~>

2021年7月3日(土) 、4日(日)、10日(土)、11日(日)
京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
OPEN 9:30 / START 11:00
※終演時間=各日20:00 予定 ※雨天決行/荒天中止

【出演アーティスト ※50音順】
▼7月3日
【源氏ノ舞台】
岡崎体育 / Ken Yokoyama / coldrain / 10-FEET / Dragon Ash / ハルカミライ / MAN WITH A MISSION
【牛若ノ舞台】
COUNTRY YARD / climbgrow / J-REXXX BAND / SCAFULL KING / TOTALFAT / Vaundy
▼7月4日
【源氏ノ舞台】
氣志團 / THE ORAL CIGARETTES / SUPER BEAVER / dustbox / 10-FEET / Hump Back / マキシマム ザ ホルモン
【牛若ノ舞台】
ENTH / OAU / kobore / THE冠 / TETORA / 花団
■7月10日
【源氏ノ舞台】
打首獄門同好会 / ウルフルズ / SHISHAMO / 10-FEET / 東京スカパラダイスオーケストラ / HEY-SMITH / ROTTENGRAFFTY
【牛若ノ舞台】
Unblock / Suspended 4th / NAMBA69 / HERO COMPLEX / 夜の本気ダンス / LABRET
■7月11日
【源氏ノ舞台】
Creepy Nuts / G-FREAK FACTORY / SiM / 10-FEET / back number / ヤバイTシャツ屋さん / WANIMA
【牛若ノ舞台】
上江洌.清作 & The BK Sounds!! / Age Factory / SHADOWS / SHANK / Hakubi / LONGMAN

▼チケット料金
1日券9,878円(税別) /前2日券 19,690円(税別) /後2日券 19,690円(税別)
※オリジナル万能傘/オリジナルラベル除菌スプレー付き
※チケットのお申し込み・ご来場に際しては、オフィシャルサイト等の注意事項及び感染症ガイドラインを必ずご確認ください。

▼チケットに関するお問い合わせ
[問]京都大作戦チケットセンター
https://ticket-every.jp/kyotodai/contact/

▼公演に関するお問い合わせ
[問]サウンドクリエーター https://www.sound-c.co.jp
電話でのお問い合わせ:06-6357-4400 (月・金12:00~15:00 ※祝日を除く)
メールでのお問い合わせ:https://www.sound-c.co.jp/contact/


この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス