【インタビュー】仲村宗悟、ありのままを詰め込んだ1stアルバム「曲を生み出すことに対しての責任感は背負いたい」

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男性ソロシンガー&ソングライター&声優という、先行ランナーのいない道を全速力で走り続ける仲村宗悟が、待望のファーストアルバムをリリースする。

◆ミュージックビデオ

タイトルは『NATURAL』。これまでのシングル・リード曲を中心に、自ら作詞作曲を手掛けた新曲を加えた11曲は、アーティストデビュー2年間の軌跡であり、十代からの彼の音楽人生の集大成と言える多角的な魅力がぎっしり詰まった会心の作品だ。

同日リリースのニューシングル「壊れた世界の秒針は」(テレビアニメ『RE-MAIN』エンディング主題歌)も自ら作詞作曲を手掛けた楽曲で、アニメの世界観に寄り添った浮遊感と疾走感がきらめくロックチューン。その才能はいったいどこまで高く遠く広がってゆくのか? 仲村宗悟の現在地を探るインタビュー、必見だ。

   ◆   ◆   ◆

■音楽自体を楽しもうぜと思いながら書いた

──いよいよ待望のファーストアルバムがリリースされます。

仲村宗悟:アルバムを作るのが夢だったんですよ。アルバムはアーティストのその時代のカラーが詰まっているし、もともと音楽をアルバムで聴くのが好きなので、そういう意味でも自分の歴史的な1枚を作りたいという思いがありましたね。

──どういう作品にしようと思っていたんですか。

仲村宗悟:最初に『NATURAL』というテーマを決めたんです。ファーストアルバムは余計なものが何もくっついてない状態で出すものだから、“ありのまま”という意味で『NATURAL』にして、そこからいろいろ曲を作っていきましたね。でも「僕なりのラブソング」「あなたのこと」の2曲は、僕が声優になる前からあった曲です。「あなたのこと」は10年前ぐらいの曲なんですけど、それを入れようと思ったのも、『NATURAL』というタイトルが決まってからです。自分を作ってきた曲という意味でも、入れたいと思ったんですよね。

──『NATURAL』というテーマは、コロナ禍の今だから出てきたものでもある?

仲村宗悟:いや、あんまりそれは考えていないかもしれない。曲は僕のパーソナルなものが中心で、「わかってちょうだいね」とか「素敵な世界で」とか、聴く人によっては今のご時世だから書いたと思われる人もいらっしゃるかもしれないけど、僕としてはそうじゃないかも。そういうことを歌ったり、言ったりしてくれている人はいっぱいいるので、そうではないところでもっと音楽自体を楽しもうぜと思いながら書いた気がしますね。曲は受け取り手のものだから、その人の解釈でいいんですけど。

──ちなみに「あなたのこと」を作った当時のこと、覚えてますか。

仲村宗悟:東京に出てきて音楽学校に入って、男子寮に2年間住んで、卒業してフリーターになったんですけど、寮の仲間とはずっとつるんでいて、みんなと集まった時にこの曲を聴かせた覚えがあります。どんな気持ちで作ったのかな? 当時のことをはっきりとは覚えてないけど、ギターを弾いて曲を作るのが楽しくて、今でもそうですけど、楽しみながら書いたんだろうなと思います。ただ、今だったら絶対書けない歌詞なので、あらためて見るとこっぱずかしいし、「かわいいな」とすら思う(笑)。

──ピュアピュアな恋愛ソングですよね。

仲村宗悟:それも含めて、歌詞もメロディも書き換えずに入れたかったんです。その時信じた最高のものを書いている自分を入れかったので。

──もう1曲「僕なりのラブソング」は?

仲村宗悟:「僕なりのラブソング」は、声優になったかならないかぐらいの頃に書いたので、7年前ぐらいかな。声優デビューしてちょっとしてから始めた、今も続いている『めんそーれ!仲村屋』というネットの番組をやっているんですけど、その番組の初イベントで「僕なりのラブソング」を初めてフルで歌ったのを覚えてます。

──そんな思い出が詰まった曲が、村山☆潤さんの最新アレンジで生まれ変わりました。

仲村宗悟:「僕なりのラブソング」は“大きい感じで”というイメージを最初に伝えて、アレンジを進めてもらいました。「あなたのこと」は、イメージとしてはビートルズの「レディ・マドンナ」みたいな、はずんでる感じの楽し気なイメージが僕の中にあるんだけど、「それは聞かなくていいです」と言いながらアレンジを進めてもらいました(笑)。あんまり言うとイメージを限定しちゃうから、「そういうふうにしなくていいよ」と言いつつ、いちおう伝えますみたいな感じでしたね。

──歌詞は若いかもしれないけれど、曲はまるで最近書いたようにみずみずしいですよ。

仲村宗悟:うれしいです。この2曲はどうしても入れたかったんですね、自分を奮い立たせる意味でも。


──その2曲と、これまでのシングル以外の新曲4曲は、最近のものですか。

仲村宗悟:そうです。全部書き下ろしです。

──新曲「チョコレート」は、今までにない世界観を感じましたね。アダルトなムードのラブソングで、言葉も意味深で。

仲村宗悟:自分の好きなブラックミュージックにポップスの要素を混ぜ込みながら、いいバランスになったと思います。歌詞は、(主人公の)目線からそれ以上の情報を感じる、という歌にしたかったんですよ。この二人は普通のカップルじゃないかもしれないし、主人公にはほかに恋人がいてもおかしくないかも?とか。歌詞にも曲にも、自分の好みをかなり詰め込みました。

──「チョコレート」のようにじっくり深読みできる曲もあれば、「わかってちょうだいね」のように、ストレートに世の中への怒りや不満を吐き出す曲もある。そこが聴いていて面白いなと思います。

仲村宗悟:そういうアルバムにしたかったんですよ。「この2曲を入れたら、もう何でもありでしょう」と思わせたかったので。「わかってちょうだいね」は、最初から今みたいな短い構成にしたかったんですけど、プロデューサーから「もうワンコーラス、サビを足さないか」という提案があって。レコーディング当日まで決まらなかったんですけど、僕の考えた構成でバンド演奏してもらったものを聴いて、「これでお腹いっぱいになるかも」という話になったから、「でしょ?」って(笑)。俺はこの曲で「言い逃げ」したいから、そういう曲にしたいと言って、通してもらいました。言い逃げの曲です。

──こういう攻撃的な側面もあるんだなって、意外に思いつつ、「こういう仲村宗悟もかっこいいな」と。

仲村宗悟:メロディ的には、僕が中学生や高校生の時に聴いて「なんだこれ、超かっけー」と思った洋楽みたいな曲にしたかったんですよ。勢いがあって、激しくて、なんかわかんないけどパワーがビンビンに伝わってくる、そういうメロディにしたかった。今まで書かなかったタイプの曲です。

◆インタビュー(2)へ
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