【レポート】JDDA記者発表、文化・芸術・ライブエンターテインメントの発展に向けて歴史的一歩となる「邦盤レコード正規ネット配信開始」

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2021年7月13日(水)、DJ業界にとって画期的な発表が行われた。虎ノ門ヒルズCIC Tokyoにて行われたのは、一般社団法人JDDA / Japan Dance Music & DJ Associationによる「邦盤レコード正規ネット配信開始・記者発表」だ。

◆「邦盤レコード正規ネット配信開始」 関連画像


同法人が一般社団法人日本レコード協会(RIAJ)、一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)及び株式会社NexToneと連携し、著作権及び著作隣接権の権利者から特別な了承を得て、今年7月17日(金)より半年間、“日本で初めて邦盤レコードを正規に”用いたDJプレイのインターネットライブ配信事業を行うというものである。

A.T.カーニー日本法人会長で今回会場となったCIC Japan合同会社会長でもある梅澤高明氏の司会の元、まずはJDDA理事でありZEEBRAこと横井英之氏、そして同じく理事であるNaz Chrisことクリスティーナなずな氏から下記経緯説明が語られた。


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新型コロナウィルス流行の影響からDJがクラブ等でパフォーマンスすることが困難な中、海外をはじめ日本でもDJによるインターネット配信の活動機会が増えています。しかしながら、レコード盤、CDやダウンロードなどの形で提供されるレコード音源(原盤)を用いたDJプレイのインターネット配信について円滑な著作権・著作隣接権の許諾手続きが定まっていないために、権利処理が曖昧なまま配信が行われている場合もあります。深夜にダンスクラブ等で踊ることが違法であったことが風俗営業法改正により正式に認められるようになったように、適切な権利処理をもってレコード音源をライブDJ配信で使用する先駆けとなるべく、JDDAは全ての原盤権者、作家・アーティストの権利が損なわれることの無いよう関係者の権利を適切に守りながら、このライブDJ配信事業に取り組みます。

JDDA代表理事で音楽家の角田敦(Watusi)は「100年ぶりとも言われる新型コロナウィルス禍で大変厳しい状況に置かれているDJ達に著作権・著作隣接権の権利者の皆様から半年間、画期的な特別措置を講じて頂きました。100年を超える商業用レコードの歴史ではラジオ、テレビでの利用という大きな節目がありました。今回の事業を通じて新型コロナウィルス禍とインターネットの時代に即した、円滑で調和が取れたレコード音源のインターネットでの利用という新領域を開拓し、権利者やDJのみならず様々な表現者に寄与したいと思います。」と述べます。

今回の著作権・著作隣接権の時限的な協力体勢によるライブDJ配信は、連携する日本レコード協会、日本著作権協会及びNexToneの他に、音楽権利者諸団体のご理解をいただき、文化庁、経済産業省、東京都や渋谷区などの行政府、日本ナイトクラブエンターテイメント協会や日本ミュージックバー協会などのダンスミュージック関連団体や、日本橋アートアクアリウム美術館をはじめとする民間事業者(以上、法人格省略、順不同)によるご協力・ご支援を頂くなど、エンタテインメントに関わる全員が一団となって新型コロナウィルス時代のエンタテインメントの姿を見据えて取り組んでおり、JDDAはこの試みを有意義なものとしてゆく所存です。


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続いて、東京都議会議員の入江のぶ子氏が「文化芸術ライブエンターテインメントの発展に向けての一歩」と発声すると、その後、一般社団法人日本レコード協会の畑陽一郎・常務理事、一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)の宇佐美和男・常任理事が続いた。

また今回は行政府から、知的財産戦略推進事務局コンテンツ振興担当であり、クールジャパン戦略推進担当でもある塩原誠志氏が登壇し、未来について、そしてこれからクールジャパンについて、加えて経済産業省・商務情報政策局・コンテンツ産業課長の高木美香氏は「コロナ禍でどうライブエンタメをやっていくか……ライブに勝るものはないが、デジタル/配信のシーンは数百億円の規模になっている。ポストコロナでも残るサービスであり、DXが戻ることはない。日本の財産(シティポップなど)を活用して、日本のコンテンツを広げていく」と締めた。

そして最後にJDDAから、<Japan DJ/net - Online>の説明があった。今回のプロジェクトの元となるJapan DJ/netは、全国のDJをジャンル/活動地域などで自由に検索・閲覧できる国内最大級のWebサイトで、プロ認定団体がベースとなり、国内で活動するDJ達の活動環境やその表現や職業の未来を創造することを目的としている。そんなJapan DJ/netが行う配信<Japan DJ/net - Online>は音楽業界として日本初の試みであリ、7月より年内まで半年間、毎週末(金曜/土曜20時〜23時予定)都内各所から様々なジャンルのプロDJ達が行う(アーカイブ配信は行わない)。また使用する曲は全て今回の特別措置で協力をいただいた邦楽レコード音源のみを使用したDJセットとなる。全ての原盤権者、作家/アーティストの権利が損なわれることの無いよう、関係する権利者の権利を適切に守り、活動の支援となる取組みを目指すという。こちらは音声配信サイトSPINEAR、映像配信サイトLotus.TV協力の元行われる。


<Japan DJ.net -Online->

š2021年7月17日(土)〜2022年1月15日(土)
※半年間役50配信実施予定、総勢150名のDJが参加予定
š開催中心エリア:東京都全域〜(オンラインで地方都市からも参加可能)
š予定会場:都内各所(LIVEハウス/クラブ/ミュージックバー/観光スペース/公共スペース)・・・他
※オンラインを基本とする(人数限定・招待制での開催も状況判断をしつつ想定)

■概要
●対象とする配信形態は生でパフォーマンスするDJMixのオーディオ並びにパフォーマンス映像をライブストリーミング配信する形態とし、無料配信を基本とします。配信地域は制限しません。
●ライブDJ配信に使用する音源は邦楽レコード音源に限定、今回の特別な取組みにご賛同を得られたレコード会社の音源を対象とします。参加DJはJapanDJnetの登録メンバーであり、JDDAが職業DJと認定した方に限定します(文化庁の「文化芸術活動の継続支援事業」の受給者、東京都「アートにエールを!東京プロジェクト」“個人型”による支援対象者(動画掲出者)も対象)。
●この度の配信事業は2021年7月17日(土)から開始し、2022年1月16日(日)までの期間限定で行います。
●楽曲は(一社)音楽情報プラットフォーム協議会MusicForest/音楽の森3に登録された楽曲、もしくはオリジナル楽曲を使用します。
●配信はライブのみでアーカイブ配信は行いません。毎週末、金曜、土曜の20時~23時を予定(その他、祭日などの特別配信含め半年間で約50配信を予定)。
●配信プラットフォームはJDDAがJ-Waveのポッドキャスト配信を行う「SPINEAR」内に設ける特設サイト「Japan DJnet Online」を使用します。

【今回の配信で行う事】ライブストリーミング配信/邦楽レコード音源の使用/職業DJによる配信/特設サイトでの配信/予め決めた時間での配信/無料配信が基本とする
【今回の配信で行わない事】オンデマンド配信洋楽レコード音源の使用/職業DJと認定出来ないDJによる配信/その他のプラットフォームから配信/自由な時間での配信/自由な条件設定による有料配信

š主催:一般社団法人JDDA
制作:VIVID DIGITAL LIMITED
協力:一般社団法人日本レコード協会/一般社団法人日本音楽著作権協会/株式会社NexTone/AlphaTheta株式会社

◆Japan DJ.net オフィシャルサイト
◆JDDJ オフィシャルサイト
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