【プロミュージシャンのスペシャル楽器が見たい】MINA(ex GIRLFRIEND)、10代から一緒に成長してきたシグネチャーモデルとルックスに一目ぼれした2本のベース

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可憐なルックスに似合わずバキバキに鋭いスラップを決めまくって音楽ファンを驚かせているのが、元GIRLFRIENDのベーシストのMINAだ。最近では、TwitterやTikTokといったSNSでそのハイテクプレイを披露し、幅広く注目を集めている。そんなMINAが使う、中学生のときにデザインを考えたという自らのシグネチャーモデル、そしてルックスに一目ぼれしたというレトロなデザインの2本のベースについて、MINAに話を訊いた。


――MINAさんのメインベースは、ご自身のシグネチャーモデルですね。

MINA:Sago New Material Guitarsさんで作ってもらったベースです。中学2年生のころにベースを始めたのですが、中学3年生のときに、ありがたいことにSagoさんからシグネチャーモデルを作るお話をいただいたんです。デザインを考えたときは当時中学生だったので、ちょっと中二病チックなところもあるんですが、それも私のベースらしいところだと思うし、とても気に入っています。

――当時、どういうベースを作ろうと思ったんですか?

MINA:とにかくこだわったのは色です。当時はベースを始めてからまだ1年くらいしか経っていなかったので、色々なことがよくわかっていなかったんです。雑誌などを読んで知識として知っていることがあっても、それが実際どういうことなのかわかってませんでした。だから、どういう音のベースというより前に、まず深緑色のベースにしたい、ボディが深緑でペグなどの金具類がゴールドという、見た目がゴージャスなベースにしたいとお願いしたんです。当時は緑のベースって少なくて、すごく珍しい色だということを聞いたので、ほかにあまりないなら自分で作りたいな、と思ったんです。


――ご自身でデザインしたのはどの部分ですか?

MINA:白いイラストの部分です。私が手書きしたイラストを送って、その通りに塗装していただいたものです。私はすごくアニメが好きなので、アニメのキャラクターをモチーフにしたイラストを描きました。『デュラララ』というアニメのセルティ・ストゥルルソンというキャラクターです。もう完全にアニメ好きの人が持つベースになっていますね(笑)。



――このベースで、とくに気に入っているポイントは?

MINA:軽く作ってもらったので弾きやすいところですね。これより前は、フェンダーのジャズベースをお借りして使っていたんですが、私には少し重すぎたんです。長時間弾いていたり持ち運んだりすると、肩のところにあざができてしまったこともありました。でもこのベースは軽いので、ライブでも動きやすいです。ホントはもう少し重い楽器で重い音を出せるといいのかもしれないけど、さすがにあざができるのはちょっとヤバいなあと思って(笑)。これ、“女の子ベーシストあるある”だと思うんですけど、ライブで動くとボディの当たる腰のところにもあざができたりします。配信だと見ている人との温度差もありそうなので、少しおとなしくしていますが、お客さんのいるライブだと、やはり動いてしまいますね。


――指板にポジションマークがないのもユニークですね。

MINA:ポジションマークのデザインが思い浮かばなかったので、なくていいや、と思って(笑)。でもこのほうがすっきりしてきれいに見えると思います。ポジションマークがないベースってあまりないし、今はお気に入りのポイントのひとつです。それと、フレットも24まで延ばしてもらいました。

――それはハイポジションでのプレイをしたかったから?

MINA:これも単純に欲張っただけです(笑)。オリジナルのベースとしては、多いほうが個性も出るだろうと思ったんです。


――つまみやスイッチはどんな構成ですか?

MINA:つまみはピックアップのバランサーとボリューム、トレブルとベースで、スイッチはアクティブとパッシブの切り替え用です。バランサーは、プレベのほうに寄せていることが多くて、ほぼプレベみたいな感じで使っています。でも曲によってはリアのジャズベのピックアップも使えるので、万能なベースになっていると思います。


――ピックアップのアクティブとパッシブは、どのように使い分けているんですか?

MINA:色々な音が出るようにしたいと思ったので、切り替えられるようにしてもらったんですが、実際はほとんどパッシブしか使っていません。

――それはどうして?

MINA:パッシブの音のほうが好きなんです。それと、アクティブに頼ると上手くならないんじゃないか、パッシブを使って弾いたほうが成長できるんじゃないか、と思ったのもありますね。だから練習ではコンプレッサーなどもなるべく使わないようにしています。ただ、ライブでソロがあるのにエフェクターを踏めない位置にいるときに、このスイッチでアクティブに切り替えてブーストする、というような使い方はしていました。


――サウンドの面ではどんなところが気に入っていますか?

MINA:プレベのピックアップの音が好きですね。グリスなどをしたときの、ゴムみたいなイメージの粘っこい迫力がある音がすごく好きです。スラップはジャズベでやる人が多いですが、このベースは高い音も抜けてくるので、このプレベのピックアップでやるスラップの音も私は好きです。


――スラップといえば、SNSではMINAさんのテクニックがとても注目を集めていますが、スラップをやり始めたきっかけは?

MINA:バンドを始める前はダンスやボーカル、お芝居のレッスンばかりの毎日だったので、ベースのことはよくわからなかったんですが、やり始めてから色々調べていくうちに、スラップってカッコいい、と思ったんです。最初は、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーですね。これはスゴい!と思って色々と見ていくうちに、フリーもスラップもすごく好きになったんです。でもスラップを習得するのには、ホントに時間がかかりました。もう一生できないんじゃないかと何回も思いました(笑)。


――それでもたった数年でここまでできるようになるなんて、どんな練習をしたんですか?

MINA:ホントに単純に同じフレーズをずっと弾くという、それだけです。基本的な同じフレーズをずーっと弾いていました、アニメを見ながら(笑)。放課後もできるだけ練習スタジオに行っていたし、青春を全部練習に注ぎ込んだ感じで、ホントに遊ばないで練習していたので、少しはうまくなったとは思います。レッチリだと「Can't Stop」をすごく練習しました。あれで少しはスラップができるようになったという、思い出の曲です。これですね(「Can't Stop」のスラップのフレーズを弾く)。ああ、でも大変だったなあ(笑)。


――このベースに組み合わせて使うアンプは?

MINA:EDENのTN501というコンパクトなヘッドを使っています。すばやく音を具現化してくれる、というイメージの音ですね。たとえばAmpegなら重さがあって、モワっとした雰囲気の中から音が進んでいくようなイメージですが、EDENはシューティングゲームの用語でいえば集弾率がいいというか(笑)、狙ったところにきちんと当たってくれる。解像度が高くて、細かいフレーズによくついてきてくれるんです。

――このベースを5年くらい使ってきて、今の感触は?

MINA:全体的にフィットするようになってきたので、今はめっちゃ弾きやすいです。最初はピックアップの音の違いもわからなかったんですが、プレベの音が好きだなあ、というのもだんだんわかってきたし。なにもわからなかった時期からずっと使い続けてきて、自分の好きな音が見つかったり、自分の弾き方もわかってきた。そういう大事な相棒的な存在ですね。

■ダンエレクトロ '59DC LONG SCALE BASS


――では2本目のベースを紹介してください。

MINA:去年の夏に手に入れた、ダンエレクトロの'59DC LONG SCALE BASSです。これはもう見た目がドストライクです(笑)。たまたま遊びに行った楽器屋さんで見つけて、すぐに試奏させてもらいました。

――なんともかわいらしいルックスですね。

MINA:ですよね! リップスティックピックアップも、このボディの形も全体の色も、すべてがかわいいんです。ボディは薄いけど平たいので、普通のベースに比べたら弾きにくい面もあるんですが、そんなことをねじ伏せるくらいのルックスですから(笑)。ほかのベースにはないメゾナイトという素材で作られていてとても軽いし、手触りもホントに大好きです。クッキーとかプリンみたいな色だし、これがお菓子だったら絶対おいしいですよ(笑)。




――では見た目で一目ぼれして買った?

MINA:そうです。楽器を選ぶときには見た目をけっこう大事に考えているんですが、これはとにかく見た目がヤバい(笑)。やる気出ちゃいますよね、こんなにかわいかったら。

――つまみの構成は?

MINA:ボリュームとトーンが上下2段になっていて、別々に回せます。だから見た目はつまみが2つに見えますが、2ボリューム、2トーンです。このつまみが2色になっているのもかわいいです。


――どんな音が出るベースですか?

MINA:メゾナイトは軽い素材だし、ホロウボディなのであたたかい音が出ますね。スラップにはあまり向いていない音かもしれませんが、バラードなら映えるだろうと思います。このルックスなのでステージ映えもしそうだし、今後はこのベースが映えるような曲もたくさんやりたいと思います。


■ギルド STARFIRE BASS II


――3本目は懐かしいルックスのモデルですね。

MINA:ギルドのSTARFIRE BASS IIです。もともとは60年代にあったモデルを復活させたものだそうです。気に入ったベースに出会った時のために、こつこつお金を貯めていたので、高校3年生の誕生日に、これに使おう、と思って。

――気に入ったところは、やはり色ですか?

MINA:そうですね。深緑の色も気に入ったし、この形もかわいくて大好きです。サイズは大きいしめっちゃ重いので、私にとってはそれほど弾きやすいベースではないんですが、こんなにかわいかったら欲しくなりますよ(笑)。



――これもホロウボディですね。

MINA:アコースティックタイプのベースはこれが初めてだったので、メインのベースとは色々違うところがあって最初は戸惑いました。音は、ダンエレクトロと同じ系統のあたたかい音ですね。指弾きでちょっと手数のあるファンクとかに合いそうだな、と思っています。スラップもできないわけではないけど、あまり合わないかもしれないな。私のイメージしているスラップとは少し違う感じになりそうな気がしますね。



――ピックアップセレクターの近くにあるつまみは?

MINA:これはマスターボリュームで、全体の音量をここで調整できます。このベースはけっこう歪みが乗りやすいので、ボリュームとトーン、それにこのマスターボリュームでどう調整すればいいか、今研究中です(笑)。

――次に欲しいのはどんなベースですか?

MINA:次は普通のジャズベにしようかなと思っています。今の緑のシグネチャーモデルはほとんどプレベに近い使い方をしているので、それとジャズベを曲によって使い分ける、みたいなことができたら理想的かな、と考えています。そんな2本体制にしたいですね。


――MINAさんがベースを演奏するうえで心がけていることは?

MINA:私は今でも色々な演奏を聴いたり見たりして勉強しているんですが、そこで思ったのは、楽しそうに弾いている人がすごく魅力的だな、ということです。だから、私も楽しく弾くことを心がけています。プレイの内容ももちろん大事ですが、それ以上に本人が楽しんでいることが良い音楽につながると思っています。

――そのためには、それだけ好きになれる楽器があることは大事ですね。

MINA:もう絶対です(笑)。自分が好きだと思えるベースでプレイするのは楽しいですから。

――これからどういった活動をしていく予定ですか?

MINA:すでにTwitterやTikTokといったSNSでベースの演奏を皆さんに見ていただいていますが、これは今後も頑張って更新していこうと思っています。それと、この夏からYouTubeを始めたので、そこにも力を入れていきたいです。私もまだ足りないところがたくさんあるので、視聴者の方といっしょにベースを練習して、いっしょに向上していければいいなと思っています。


――今後はどんなアーティストを目指していますか?

MINA:ベーシストとしてはまだたくさん課題があるので、しっかり練習してクリアしていきたいと思っています。将来的には作曲もできるようになれたらいいなと思っています。あとは、ボイストレーニングを受けて歌の練習もしているので、アニメ好きの私としては、アニメの主題歌を担当させてもらえるようになりたい、というのも一つの目標です。


取材・文:田澤仁

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