【ライブレポート】[Alexandros]、ツアー<ALEATORIC TOMATO>横浜公演「次に会ったら必ずこの歌を一緒に」

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[Alexandros]が全国ツアー<ALEATORIC TOMATO Tour 2021>を開催中だ。7都市14公演をまわる同ツアーは、6月17日の仙台GIGSから7月31日のZepp Osaka Baysideまで、仙台、羽田、名古屋、福岡、横浜、札幌、大阪といった大都市を2DAYSずつまわるもの。これに加え、10月12日および13日には横浜アリーナ2DAYS、10月26日および27日には日本武道館2DAYSが開催されることも明らかとなっている。そのツアー 9公演目が7月15日のKT Zepp Yokohamaだ。

◆[Alexandros] 画像

[Alexandros]は4月10日に新メンバーとしてリアド偉武(Dr)を迎え、5月5日にシングル「閃光」をリリース。その際のBARKSインタビューで川上洋平(Vo, G)は同楽曲について「原点回帰じゃなくて、新しい、今だからこその初期衝動という感じがします」と語っていた。「ライブに対する衝動も結構ある」とは磯部寛之(B, Cho)の弁であり、ついにスタートしたライブハウスツアーは、その衝動で満たされる空間となるはずだ。

開演前のステージ上には、上手にマーシャル3段積みが3セット、下手にアンペグ2セットとフェンダーベースマン1セットの3セット。ある意味では装飾のないシンプルなものだが、アンプの双璧が作り出す巨大な存在感と風格がロックなストロングスタイルを象徴する。事実、約2時間20分のフルセットによるライブは、曲間にも綿密なアレンジが施され、ダイナミックなサウンドが次々と繰り出される圧巻のサウンドスケールだった。メンバー個々の力量の高さはもとより、セッションシーンの高度なアンサンブルはしなやかにして鉄壁。[Alexandros]の現在を雄弁に物語った同公演のライブレポートをお届けしたい。

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6月17日の仙台GIGS公演を皮切りにスタートした<ALEATORIC TOMATO Tour 2021>。この全国ツアーまだ続くので、セットリストや演出に関する詳述は避ける形で7月15日に行われたKT Zepp Yokohama公演の模様をレポートする。

入場時の検温、ソーシャルディスタンスが保たれた形でフロアに整然と並べられた椅子、観客の声出し禁止など、平時に於けるライブとは異なる状況、制約は続いているが、そんなことをすぐに忘れられるくらいの圧倒的な熱量を[Alexandros]は全編で体感させてくれた。

川上洋平(Vo, G)、磯部寛之(B, Cho)、白井眞輝(G)、今年4月に正式メンバーとして加入したリアド偉武(Dr)、サポートプレイヤーのROSÉ (Key)がステージ上に揃い、演奏を始めるや否や会場全体を包み込んだ生々しいサウンド。音を奏でる喜びを全身に溢れ返らせていたメンバーたちの姿は、猛烈にかっこよかった。スリリングな演奏のキメとタメを経ながら、絶妙なコンビネーションによるバンドサウンドを天井知らずに高鳴らせ続けた「For Freedom」、メンバー各々のソロ演奏を交えたセッションのような展開の末に本編へとダイナミックに雪崩れ込んだ「ワタリドリ」など、お馴染みの曲たちのフレッシュな表情を噛み締められる瞬間の数々は、[Alexandros]のライブに何度も足を運んできた熱心なファンにとっても堪らないものとなっていたはずだ。



「声が出せないのはわかってるから、全員で手を振ろうぜ!」という川上の言葉が観客の一体感を劇的なまでに加速していた「Don’t Fuck With Yoohei Kawakami」。客席内で一斉に掲げられた掌、夢中になって打ち鳴らされた手拍子が、まるで大合唱する歌声のような爽やかな昂揚感を漂わせた「Starrrrrrr」。瑞々しいピアノの調べ、濃密に渦巻く音像によってロマンチックな空間を作り上げていた「Vague」など、あの場にいたあらゆる人々が忘れられない感覚を胸に深く刻んだに違いない。

新旧の多彩な曲たちによって構成されていたセットリストは、とにかく刺激的な瞬間の連続だった。そして、映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の主題歌となった新曲「閃光」が、圧倒的な興奮と共に観客に受け止められていたことにもぜひ触れておきたい。人々の間からみるみる内に激しい手拍子が湧き起こり、ステージへと勢いよく届けられる様が圧倒的だった。演奏を始める直前に「次に会ったら必ずこの歌を一緒に歌おうな」と川上が言っていたのだが、心置きなく大合唱できる日々が戻ってきた際には「閃光」が各地のライブ、音楽フェスなどで素晴らしい風景を生み出すことになるだろう。そんな未来が楽しみになるひと時を、この曲はじっくりと届けてくれた。



川上と白井の地元が横浜から近い相模原であることに触れたりもしつつ、メンバー同士がリラックスした様子で言葉を交わすMCタイムが中盤にあったが、基本的にはあまりインターバルを挟むことなく、演奏に専念していたのも印象深い。楽器の持ち替えをスピーディーに行いながら、演奏をあまり途切れさせることなく様々な曲を有機的に連鎖させていく姿は、新体制となった[Alexandros]のアンサンブルと表現力に対するメンバーたちの自信も窺わせてくれた。

今回のツアータイトルに含まれている“ALEATORIC”とは“偶然性の”という意味だ。この言葉をまさしく体現するかのように、その瞬間だからこそ生まれ得るかけがえのないサウンドを全員が一丸となって鳴り響かせていた [Alexandros]。生身から放たれるサウンドを交し合いながら絶大なエネルギーを生み出す“ロックバンド”としての喜び、矜持が、客席にいる我々に向かってまっすぐに迫ってくるライブだった。

各地のライブハウスを巡るこのツアーは7月31日の Zepp Osaka Baysideまで続き、10月には横浜アリーナと日本武道館での公演も予定されているが、大きな会場のステージでも彼らは強力なサウンドを鳴り響かせるに違いない。



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なお、<ALEATORIC TOMATO Tour 2021>より、7月31日に行われる大阪・Zepp Osaka Bayside公演の模様がStreaming+にて生配信されることも明らかとなっている。当日はライブ全編の配信に加えて、ファンクラブ会員のみ視聴できるアフターパーティーの生配信も実施される予定だ。また、YouTubeでもライブ本編の一部が無料で生配信されるという。視聴チケットの販売開始は7月24日21時より。

取材・文◎田中大

■ライブ情報

<ALEATORIC TOMATO Tour 2021>
6月17日(木) 仙台GIGS
6月18日(金) 仙台GIGS
6月24日(木) Zepp Haneda
6月25日(金) Zepp Haneda
6月30日(水) Zepp Nagoya
7月01日(木) Zepp Nagoya
7月08日(木) Zepp Fukuoka
7月09日(金) Zepp Fukuoka
7月15日(木) KT Zepp Yokohama
7月16日(金) KT Zepp Yokohama
7月23日(金・祝) Zepp Sapporo
7月24日(土) Zepp Sapporo
7月30日(金) Zepp Osaka Bayside
7月31日(土) Zepp Osaka Bayside
※チケットソールドアウト

10月12日(火) 横浜アリーナ
10月13日(水) 横浜アリーナ
10月26日(火) 日本武道館
10月27日(水) 日本武道館
【プレオーダー受付(最速 / 2次 / 3次)】
・最速受付期間:7月19日(月)12:00〜7月25日(日)23:59
・2次受付期間:7月26日(月)12:00〜8月1日(日)23:59
・3次受付期間:8月2日(月)0:00〜8月9日(月)23:59
受付URL:https://eplus.jp/alexandros/ ※全て共通

■配信情報

【Streaming+有料生配信(ライブ本編)】
※<ALEATORIC TOMATO Tour 2021> 7月31日(土)Zepp Osaka Bayside公演のアンコール含む全編を生配信
配信メディア:Streaming+
初回生配信:2021年7月31日(土) 17:30開場 / 18:00開演 / 20:30終演予定
※巻き戻し再生不可
アーカイブ:2021年8月1日(日)18:00〜8月9日(月・休)23:59
▼チケット
視聴券:¥3,850(税込) ※別途チャージ¥220
販売期間:2021年7月24日(土)21:00〜8月9日(月・休)21:00
受付URL:https://eplus.jp/alexandros-2021-st/
※イープラスへの会員登録(無料)が必要です。申込みの前に必ず登録してください。

【YouTube無料生配信】
※<ALEATORIC TOMATO Tour 2021> 7月31日(土)Zepp Osaka Bayside公演の一部(約20分)を無料生配信
配信メディア:YouTube
配信日時:2021年7月31日(土)19:20頃〜
[Alexandros] Official YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/user/ALEXANDROSchannel

【Streaming+有料生配信(アフターパーティー)】
※<ALEATORIC TOMATO Tour 2021> 7月31日(土)Zepp Osaka Bayside公演終了後に行われるアフターパーティーを生配信
タイトル:あとがきのparty
配信メディア:Streaming+
初回生配信:2021年7月31日(土) 20:45開場 / 21:00開演予定 / 22:00終演予定
※巻き戻し再生不可
アーカイブ:2021年8月1日(日)18:00〜8月9日(月・休)23:59
▼チケット
視聴券:¥1,650(税込) ※別途チャージ¥220
チケット販売期間:2021年7月24日(土)21:00〜8月9日(月・休)21:00
※CREW会員は受付期間中にログインの上、チケットページから申し込みできます。
※MOBILE会員はスマートフォンでアクセスの上、受付期間中にTOPページに掲載される専用バナーより申し込みできます。
※イープラスへの会員登録(無料)が必要です。申込の前に必ず登録してください。

■リリース情報

『“Where's My Yoyogi?" at Makuhari & Documentary』
2021年7月28日(水)発売
【Blu-ray(Blu-ray2枚組+フォトブック)】UPXH-1076/7 ¥8,030(税込)
【DVD(DVD2枚組+フォトブック)】UPBH-1500/1 ¥6,930(税込)
※Blu-ray、DVD共に初回プレス分はスリーブケース付
予約リンク: https://umj.lnk.to/WheresMyYoyogi
▼収録内容
・<[Alexandros] 10th ANNIVERSARY LIVE at 国立代々木競技場 第一体育館 “Where’s My Yoyogi?”> 2021年3月21日/千葉・幕張メッセ国際展示場9~11ホール ライブ本編(全22曲)
・2021年4月にWOWOWで放送されたドキュメンタリー番組『[Alexandros] × WOWOW "Where's My Documentary?"』の放送には収まりきらなかった密着映像を多数追加編集し収録。更に幕張公演2日間の裏側に密着した映像も新たに収録(約63分収録)
・ライブ本編、オフショットを含むオリジナルフォトブック(20ページ)
・本編映像では、[Alexandros]映像作品では恒例のメンバー副音声も収録
▼収録曲
01. For Freedom
02. She's Very
03. city
04. Rocknrolla!
05. You're So Sweet & I Love You
06. Waitress, Waitress!
07. Kick&Spin
08. Starrrrrrr
09. Droshky!
10. Dracula La
11. Adventure
12. ワタリドリ
13. NEW WALL
14. Feel like
15. LAST MINUTE
16. Mosquito Bite
17. PARTY IS OVER
(アンコール)
18. rooftop
19. Beast
20. 風になって
21. Untitled
22. 閃光

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