【ライブレポート】川音希、流田Projectとのコラボライブで新たな一面

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川音希が7月23日に渋谷Eggmanにて、恒例のシリーズライブ<かわお 60分 vol.6 川音希 と 流田Project>を開催した。

◆ライブ画像(18枚)

本公演がいつもと違うのは、数々のアニソンを手がけていることでも知られる仮面バンド・流田Projectと“かわお”こと川音希の初コラボレートライブであること。鍵盤ナシのゴリゴリのロックサウンドをバックに歌うという意味でも新たな挑戦だ。

そして、“かわお60分”といえば、しばしば延長戦上に持ち込まれることでもおなじみ。前回は“かわお85分”となったが、さて今回は?

開演時間の17時になると、すでに川音とは息の合ったコンビの域に達しているMC・さわやか五郎(上々軍団)が登場し、天気について「まさかの灼熱すぎる」と汗でTシャツを3枚も着替えたことを明かし、感染対策に基づいての注意事項(当日は着席スタイル)を伝え、これまでのシリーズについて「60分で収まったことはございません!」とあらかじめ予告。


オープニングナンバーは7月21日にリリースされたばかりのシングル「はじまりのメロディ」だ。川音はミュージックビデオと同じブルーの夏らしいワンピース姿。その爽やかさとは対称的(?)に仮面バンド、流田Projectはヴィジュアルも出す音も汗が飛び散ってきそうなぐらい濃い存在感を放っているが、この組み合わせがスリリング。ビートのきいたサウンドをバックに歌う川音の歌もややシャウト気味で音源とはまた違うテイストになっているのが新鮮だった。続いてパワフルなドラミングと骨太なギターリフで始まったアップチューン「存在」が放たれ、客席もハンドクラップ。本当の自分という存在を示せとメッセージする曲と力強いサウンドが痛快だ。


最初のトークでは川音がバンドのメンバーをひとりずつ紹介。自己紹介を忘れているため、さわやか五郎が「そして?」と促すと慌てて「あ! はい。川音希です。よろしくお願いします」と挨拶。流田Projectが流田 豊(Vo,G)、
穴澤 淳(G)、桃山 竜二(B)、栗川 雅裕(Dr)の4人から成る謎のロックバンドで、『聖闘士星矢Ω』の主題歌など数々のアニソンを担当していることが紹介された。さわやか五郎が初めてコラボした感想を聞くと「ふだんとは違う部分も多いんですけど、すごく楽しくて、ずっと今日を楽しみにしてました」と川音。

流田は「僕ら、いろいろコラボする機会があるんですけど、めちゃめちゃ歌が上手なので、演奏していて身体がノッてくるんですよ」と、川音のヴォーカル力を絶賛。両腕を振って嬉しそうにしながらも「(そんなに褒めても)何も出ないですよ」と返す攻めのリアクションが川音らしい。今回のコラボが実現したのは共通の知人に勧められたのが理由のことだが、川音に対する褒め殺しトークはこの後も続き、穴澤と流田が「歌がパワフル」「1音たりとも外さないですよね」と賞賛する展開に。


今回のライブのために書き下ろした新曲について、川音が「めっちゃ難しい曲」と感想を述べると、書く前までは生の歌を聴いたことがなかったソングライターの流田が「正直、歌いこなせるのかな?って不安だったんですが、リハで一発、合わせた時から、1音たりとも!」とたたみかけ、「もう何なんですか!?」と川音は微妙にキレ気味に。さらにさわやか五郎が「ピッチの鬼!」、流田が「口からCD音源」と追い打ちをかけたものだから、「あとで覚えとけよ」とついには捨て台詞まで飛び出し、流田は「あとで川音さんのTwitterに素顔を載せられるんだと思います」とリベンジに怯えていた(笑)。

そんな和気藹々としたやりとりの後に披露されたのが、今回のコラボが実現したからこそのニューソング「Don’t Pass Me By」。疾走感たっぷりのストレートなロックチューンで後半のドラマティックな展開も新境地。音域の広さも歌詞のノリも川音の新たな面を引き出していて、大きな拍手が沸き起こった。その直後にガラリとシフトチェンジし、不倫を題材にした代表曲「赤い涙」を歌う姿にも惹きつけられた。太いサウンドの中、しっとりと歌い、憂いを感じさせる佇まいからはいつも以上に大人の色気が漂っていた。


再び流田Projectとのトークセッションでは、新曲「はじめてのメロディ」のタイトルにちなんで川音の第1印象が事前アンケートで発表されることに。栗川は「もしかして絵が画伯?」、桃山は「和服が似合いそう」、穴澤は「映像で見た時はしっかり者のお姉さん。実際にお会いしたらかわいらしい女の子でした」、流田は「透き通るような歌。歌が抜群」。人見知りで有名な川音だが、メンバーとのやりとりは、リハーサルを含めてまだ2回しか会ったことがないとは思えないほどリラックスムードだ。が、ステージの上で打ち解けたと語るメンバーに対して「安心してください。ステージから降りたら元に戻るので」と川音は崖から突き落とすのも忘れない(笑)。


この後もメンバーが出すクイズに正解したら、川音の好物、ラーメンがゲットできるという企画が催されるものの、持ち前の天然気質が炸裂。「もし生まれ変わったら何になりたい?」という栗川の質問の答えを当てようとするものの、なかなか答えられずに五郎が「(栗川は)料理が趣味」というヒントを出すと「平野レミさん?」というすっとんきょうな答えを返し、苦笑されていた。答えは「鳥」(空を飛びたい)だったのだが、ここでも川音は「さばかれたいってことですか?」と本気で質問していた。



ライブはいよいよ後半戦に突入し、川音のヴォーカルもさらに加速していった。タフなバンドサウンドに負けないエナジーを放った「one day」、歌い出しから客席を釘付けにし、間奏でバンドのメンバー紹介も盛り込まれた「Dear My Life」、軽快でパンキッシュなアプローチで響かせたライブでおなじみのタオルを振る「今君に すぐ君に」は開放感マックス。後半で五郎が仮面をつけてステージに乱入して踊り、川音に仮面を渡して、全員が仮面姿になってはじける演出も一夜限りのコラボレーションならではのサプライズだった。

川音画伯がつけた仮面は自画像をもとに作ったものだということも明かされ、地元の「佐野ふるさと特使」となった川音の激辛!かわお麺(餃子3個付き)が8月1日から佐野ラーメン晴れる屋で販売されることや、自身初となる冠ラジオ番組『川音希 はじまりのラジオ』(TOKYO FM提供)が音声サービス「AuDee」にて4週に渡って放送されていること、9月26日に渋谷wwwでワンマンライブを開催することも告知された。ここで時間が59分となったため、さわやか五郎はタイムアップ。


「ありがとうございます。大変な中だったと思うんですけど(会場に)来るという選択をして直接、足を運んでくださってありがとうございます。これからも一緒に楽しんで行けたらなと思いますので、よろしくお願いします」


最後に披露されたのは明日への想いが込められた「今日という風景」。透き通る歌が風を運んでくるような気持ちにさせられた。ちなみに今回は“かわお65分”。ほぼタイトル通りの時間内で新たなトライで楽しませてくれた。

取材・文◎山本弘子

セットリスト

M1はじまりのメロディ
M2存在
M3Don’t Pass Me By
M4赤い涙
M5one day
M6Dear My Life
M7今君にすぐ君に
M8今日という風景

<川音希 Live shibuya WWW>

2021年9月26日(日)
会場:Shibuya WWW
時間:開場 16:30/開演 17:00
出演:川音希、Ba HIROTOMO、Gt オバタコウジ、Dr 眞田将至、Key 今井隼、さわやか五郎(MC)
​料金:前売 ¥3,500/当日 ¥4,000(+1D別)
チケット:5月1日(土)正午12:00よりLivepocketにて発売中

<流田豊生誕ライブ〜ゆたぼうとあそぼう〜>

2021年8月21日(土)
会場:LIVE labo 代々木
時間:開場17:00/開演17:30
チケット:前売 ¥5,000/当日 ¥5,500(+1D別)
チケット発売日:7月25日(日)10時〜 Live Pokectにて (先着)
チケット発売URL:https://t.livepocket.jp/e/labo210821

【ライブ配信について】
当日は、ツイキャスプレミアにてライブ配信も行います
配信チケット¥2,000
配信開始17:20~

◆川音希 オフィシャルサイト
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