【インタビュー】かなまる、笑顔と愛情で突き進むママアーティストが築く「Circle」

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ママでも夢を叶えられる!というスローガンを掲げ、2018年から音楽活動をスタートさせたかなまる。シングルマザーとして子育てをしながら、2019年には元ふぇのたすのヤマモトショウがプロデュースを手掛けた1stアルバム『まるいち』をリリースし、今年の春には個人事務所&レーベルも設立した。8月24日にはいよいよ、そのレーベル「FRUITS」からの第1弾シングル「Circle」をリリース。一度は見失いかけた音楽の道を、輝く笑顔と大きな愛情をもって突き進む彼女に話を聞いた。

   ◆   ◆   ◆

■娘との時間も大切にしながら音楽活動。
■個人事務所と音楽レーベルを立ち上げました


──まずは自己紹介をお願いします。

かなまる:私は「ミスiD 2018」というオーディションでAAAのSKY-HIさんの個人賞を受賞し、そこから音楽を評価していただいたことを自信に、ママでも夢を諦めない、夢を叶えられるんだというスローガンを掲げ“ママアーティスト”として活動しています。現在は5歳の娘がいて、シングルマザーで子育てをしながら育児と家事を両立させ、娘との時間も大切にしながら音楽活動をさせていただいてます。

──事務所とレーベルの代表という顔もお持ちなんですよね。

かなまる:はい。私ひとりではなく、クラウドファンディングを行ってファンの皆さんと一緒に作り上げたものですが、6月15日に個人事務所と音楽レーベルの「FRUITS」を立ち上げました。現在はその代表も務めながら自分自身をプロデュースしているんですが、自分のやりたいことや好きなことを仕事にして輝いていくということを目標にしています。

▲かなまる/「Circle」

──たぶん、かなまるさんの1日は24時間じゃないですよね(笑)。

かなまる:24時間じゃ足りないです(笑)。子供を保育園に預けてからお仕事を始めるんですが、個人事務所を立ち上げたものの、スタッフがいないからひとりで全部やっているんですね。グッズの制作やその配送、事務作業や関係者の方との連絡も。あとは活動と生活資金になっている17LIVE(イチナナ)のライブ配信も行いつつなので、本当にあっという間に1日、1ヶ月、1年が過ぎていきます(笑)。でも音楽を聴くとか自分の好きなこともやらないと心が苦しくなってしまうので、最近はそういう時間も見つけながら、楽しんで仕事できるように工夫をしています。

──かなまるさんのその笑顔を見ていると、自分のやりたいことをちゃんと自分でコントロールしながら発信されているんだろうなと感じます。

かなまる:ありがとうございます。私自身子育てというのが主体にあって、日々の子供の成長が幸せで、ファンの人たちは子育てをしているママアーティストの私っていうのを理解して応援してくれているから、その安心感からも毎日の幸せを感じることができているんです。その感じが表情からも伝わっているのであれば、すごく嬉しいです(笑)。

──どんなお仕事であっても、ママが生き生きと生活しているのは子供さんにとってもすごくいい影響になりますよね。かなまるさんだけでなく、お子さんの笑顔まで見えてきそうです。

かなまる:娘は私に影響されてか音楽がすごく好きで、この前のピアノの発表会でも堂々と舞台に立って、しっかりお辞儀もできていました。その日は自分もママみたいにお花をもらいたいって言っていたので、母と一緒にひまわりの大きな花束をプレゼントしました(笑)。

──素敵なエピソードですね。そういう前向きでハッピーな空気が、きっと周りのいろんな人にもいい影響を与えているんだろうなと思います。

かなまる:大きな企業に勤めていたけど、私が笑顔で頑張っている姿を見て、自分の好きなことを仕事にすることにしましたっていうファンの方がいて。身近なところでそういうお知らせを聞くと、もっともっと、私のことをまだ知らない人にも伝わっていけばって思うんですよね。お仕事もそうだけど、ママだからとか、パパだからとか、そういう部分だけじゃなくちゃんと自分らしく輝いて生きてほしいという、私からファンのみんなに対する思いが。これから出会っていく人達にもそういういい影響があればと思うし、その代表として、先陣を切っていけたらいいなと思っています。

──ではここから少し、かなまるさんのこれまでの歩みを聞かせていただきたいのですが。

かなまる:学生時代は、何をやっても続かない性格だったんです。バイトもコロコロ変えていたし、すぐに投げ出して逃げるようなタイプでした。元々ブライダル系の専門学校に行こうとして願書まで書いていたんですが、そもそも勉強が大嫌いで(笑)。そんな時に、唯一の娯楽であるカラオケに行ったら友人から「絶対に歌を仕事にしたほうがいい」と言われたんです。歌を歌っている時はすごく輝いているなって自分でも思っていたし、小さい頃から人前に出ることや歌を歌うことは大好きだったんですよ。特技らしい特技もなかったし、自分に自信もなかったけど、歌だけは自信を持てるっていうのが昔からあったから、その友人の言葉で願書を破り捨てたんです。でもやっぱり、18歳から子供を産む21歳まではチャランポランでした(笑)。

──アイドルとして活動されて時期もあったそうですね。

かなまる:はい。ちょうど地下アイドルという言葉が出始めた頃だったんですが、ただ歌が歌いたいという思いだけで、それがどういうものなのか何もわかっていなかったんです。結局「私がやりたいのはこういうことじゃない」と思ってやめたんですが、そこから娘が生まれ、シングルマザーになり…っていう、10代後半から20代前半は怒涛の日々でしたね。でも地下アイドルの経験は、あって良かったなと思っています。いわゆる業界の闇に触れたことで、こんな人もいるんだなとか、こんな風に搾取されるんだなとか知ることができましたからね(笑)。もちろんそういう方ばかりではありませんが(笑)、その経験があったから個人事務所を立ち上げることも出来ました。ただ私の中では、地下アイドルとしての人生とママアーティストとしての人生は全く別のものとして考えています。地下アイドルをやめて2年間のブランクもあるし、子供も生まれて、私としては生まれ変わったという自覚なので。

──なるほど。

かなまる:地下アイドルの時は売れるということが目標だったんですね。日本武道館のステージに立ちたいとか、Mステに出たいとか、みんなとそういうところで盛り上がっていたんです。でもママアーティストになってからは、売れたいがために音楽をやっているわけじゃない。そんな風に自分の考え方としても人生としても変わりましたから、別のものとして考えているんですよね。

──お子さんが生まれて、いろんなことが明確になっていったような感じですね。

かなまる:はい。父からは「普通に働け」と言われていて、私もそうしようかと思っていたんですが、「自分がやりたいこと、好きなことってなんだろう」ということをもう一度思い出してみた時に、やっぱり歌だなって思ったんですよね。当時はまだ何もやっていませんでしたが、SNSにファンがいて、そこで現在のママアーティストとしての活動のきっかけとなった「ミスiD 2018」というオーディションがあることを教えてもらったんです。ママアーティストとして今年の秋で4年目になるんですが、最近、音楽をやることに反対していた父から「お前は本当にすごいな」と。「よくここまでひとりでやってると思うよ」っていきなり言われて、涙が出てしまいました。母は私のライブを見にきてくれたことがあったんですが、父はまだ生で見たことがないので、早く大きな会場の特等席で見せてあげたいなと思っているところです。

──コロナ禍になってなかなか思うようにライブ活動ができない面もあると思いますが、オンラインライブの投げ銭のシステムをわかりやすく説明したり、やり方を工夫したりしながら、リスナーの皆さんが安心して参加できるよう心配りをされていますよね。そこからライブハウスの支援活動につなげるなど、ファンの皆さんと一緒に前進されているんだなという印象です。

かなまる:どうやったらみんなに見てもらえるか、どうやったらイチナナを見たことがない人でも楽しめるかなど、私ひとりが悩んで考えるんじゃなくて、普段使っている私のアカウントで、リスナーさんの人数は関係なくその日に来てくれた人たちと「どうしよう?」「じゃあこうしようか」って意見交換しながらっていうのが私たちのコミュニケーションの取り方で。ライブハウスの件も私ひとりでではなく、みんな一体となって救ったね!って、そういう感じで協力した1年半だったかなと思っています。ライブはお客さんが目の前にいる上でやったほうがいいなとは思いますが、私はオンラインライブの可能性を信じているし、またライブハウスでひとりひとりの目を見て歌える日が来るように、続けていきたいツールだなと思っています。

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