フジロックの心得

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フジロックが、いよいよ今週8月20日(金)から開催される。すでに方々でアナウンスされているように、今年は新型コロナウィルスの感染症対策の徹底が肝心だ。そもそも「自然との共生」を唱えるフジロックは、参加者全員がタフな野外の環境に身を置く音楽フェス。加えて今回は、例年の7月末開催と比べると約1ヶ月遅い時期に開催されるため、気温等の面から未知の部分も多い。

会場である新潟県の苗場スキー場は、標高約1,000mに位置するため寒暖差があり、8月とは言え朝晩は冷える。7月末でも、晴れた日中であればTシャツ姿で汗ばむが、日が落ちてくると途端に涼しくなり、夜はウィンドブレーカーなどの上着が必須だ。オフィシャルサイトで注意喚起もされているように、8月開催時期の平均最高気温は25℃程度、最低気温はおおむね15℃以下とのこと。早朝は更に冷え込んで10℃以下になり、地元住民でもストーブを焚く事があったそうなので秋物のトレッキング・ウエアなどマストアイテム。体温が下がってしまうと免疫力も落ち、それでもし風邪を引いてしまって検温の際に37.5℃以上の発熱が確認されると、場内に⼊場できなくなってしまうので念入りに準備したい。マスク着用必須の今年は、汗や雨でダメージを受けるので予備のマスクを多めに持っていくのも大切なことだ。

▲2019年のフジロックフェスティバル@入場ゲート


フジロックと言えば、キャンプインのイメージの人も多いだろう。まだテントを所持していないキャンプ利用者に朗報で、特別にフジロックのキャンプサイトでCHUMSがレンタルテントを用意するそうだ(「Akimama」参照:https://www.a-kimama.com/fes/2021/08/117526/)。今年は、新型コロナウイルスの感染リスクを抑えるために、フジロックのキャンプサイトではソロキャンプを推奨。キャンプサイトの感染防止対策ガイドラインにも、「家族や同一世帯など生活を共にしている人以外での、テントを共有することはできるだけおやめください」とある。ブランケットなど、テントでもしっかり防寒対策が必要だろう。

初参加者にまず取り掛かって欲しいのが、やはりレイングッズの準備。山の天気は変わりやすい。市街地で晴れていても会場の中だけが雨という状況もよくある。傘が場内に持ち込めないので注意して欲しい。個人的には、一日中過ごしていると足に負担がかかる長靴より、防水のショート丈の靴が勝手がいい。歩き疲れたときに役立つ椅子の持ち込みについては、組立式チェアは禁止されている。折りたたみ式チェアはOKだが、たたまずに持ち歩く事は危険なのでもちろん禁止だ。今回もし初めてアウトドア用品を購入するなら、多少値がはっても質が良くて自分が気に入った商品のほうが、もちが格段にいいし荷物になってもテンションが下がらないのでおすすめ。そうしてフジロックに向けてグッズを揃えたら、家で一度使用して予め慣れておくと現場で扱いがラクだと思う。普段はインドア派の人々は、例年フジロックではマダニなどの厄介な虫刺され被害も多いため、基本的な虫除け&虫刺され対策もしておきたい。よって、暑かったり、気持ちがたかぶっても、Tシャツ、短パン、サンダルなどの肌の露出は避けたほうが賢明。総じて、会場が「山」であることを謳歌しても、決して野外を舐めずに過ごして欲しい。

フジロックは、目当てのライブ以外のときも、会場をふらふらと歩いているだけでも魅力がたくさんある。フジロッカーには、ライブをあまり観ずにただボーッとして贅沢に過ごす人もいるほどだ。エリアによって演出が違うためさまざまなデコレーションが鮮やかで、木々が美しかったり川の水が綺麗だったりと目を奪われる瞬間が多いので、自身の装備は抜かりなくして、十分にあの空間を体感してほしいのだ。それとたとえ観たいライブがたくさんあっても、欲張って広大なフジロックの会場を移動しまくると体力があっという間に奪われるので注意。ある程度は諦めも肝心で、心に余裕が宿ると結果的にフジロックをじっくり満喫できるというのが教訓になっている。

▲2019年のフジロックフェスティバル@ボードウォーク


思い起こせば、フジロックに初めて行って驚いたのがやはり会場のスケールの大きさだ。感染症対策の観点から例年に比べると数は少ないが、会場内に点在する各ステージのバラエティは、音楽の多様性を教えるものなので、それぞれの個性もぜひ味わって欲しい。山を臨む壮大な空間で数々の伝説が刻まれてきたGREEN STAGEをはじめ、気鋭のアーティストラインナップが刺激的なWHITE STAGE、大型テントのなかでジャンルレスにライブやダンスアクトが繰り広げられるRED MARQUEE、林に囲まれ最高の非日常空間が広がるFIELD OF HEAVENが主要4ステージ。それに加えて、新エネルギーによるCO2排出量の削減に取り組んでいるオルタナティブステージGypsy Avalon(感染防止対策として今年は最奥地に移設)、新人アーティストの登竜門的ステージであるROOKIE A GO-GO(例年の場外エリアから今年は場内ステージへ移設)、“ドラゴンドラ”に乗ると辿り着く異世界DAY DREAMING、サプライズゲストの飛び入り参加も楽しい苗場食堂ステージ(今年はOASISエリアの苗場食堂から、昔のワールドレストラン全体にスペースを取り拡大)、ツアーバス利用者専用キャンプサイト内に併設されたCandle JUNEプロデュースによるチル空間PYRAMID GARDEN。ワクワクしてくる。入場時に提示が必要となるフジロック公式アプリでは混雑状況をプッシュ通知で知らせてくれたり、自分のタイムテーブルを表示できる機能も備わっているようなので、ライブの観覧に活用したい。また近年便利なのが、会場内のほぼ全ての飲食店・グッズ売り場で電子マネーが使えることで、接触機会を減らすのと特に雨天時は格段にやり取りがスムーズになる。フジロックでは、フェス好きも魅了する多種多様な美味しいフェスごはんも待っている。今年は「マスク飲食」「個食」「黙食」で乗り切ろう。禁酒なので、尚更おいしいごはんに満たされたい。

▲2019年のフジロックフェスティバル@GREEN STAGE


▲2021年のフジロックフェスティバル 出演者ラインナップ


このほかにもSNSなどでは、フジロッカーが役立つ持ち物一覧を投稿してくれているので参考にして欲しい。アイテムと心の準備さえ整えば、あとは自分のセンスを信じて思い思いに過ごすのみだ。参加者の数だけ思い出が生まれるのがフジロックであり、人によって「人生の価値観が変わった」「第二の故郷」と言われるほどの唯一無二の音楽フェスを、是非あなたらしく過ごしてもらいたい。なお、コロナ禍の今年は、チケット購入者の中でフジロックへの参加に不安のある人や体調がすぐれない人に向けてチケットの払い戻しが実施されるので、自分の体調と向き合って検討して欲しい。詳細は、オフィシャルサイトからご確認を。

文:堺 涼子

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