【楽器人インタビュー】黒流(和楽器バンド)「楽器が強すぎて、僕らは負けるほうが多かった」

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実家が和太鼓チームを手掛けていたという、いわば和太鼓奏者のサラブレッドとして生を受けた黒流は、まだ幼い頃から、脈々と流れる伝統の重さをひしひしと感じながらも、和太鼓が持つまだ見ぬ可能性に一筋の光を見出していたようだ。

◆黒流 和太鼓画像

ロック~ポップスに和楽器の世界観を融合させた和楽器バンドのサウンドには、これまでの既成概念には収まらない斬新なアプローチや創意工夫が収束・熟成の道筋を描いている。和楽器バンドが繰り出すサウンドに、日本古来の打楽器群はどのような変容を見せたのか。黒流に話を聞いた。

   ◆   ◆   ◆

──もともとは由緒正しき和太鼓の世界でしのぎを削っていたんですよね?

黒流:東京に初めてできたプロ団体に所属していまして、そこから独立したというかたちです。実家が和太鼓チームをやっていて、父も兄も好きでやっていたんですけど、僕だけ歳がかなり離れていたので、連れまわされていたんです。自分から和太鼓をやりたかったわけではなかったのですが、いつの間にか幼いのに打てるようになって、人前に立つと拍手をもらえたりして段々と好きになっていました。伝統的なものの素晴らしさもそこで色々知りましたけど、でも自分自身はハードロックやロックも好んで聴いていたので、好きなものと演っているものの差がどんどん出てきたんです。

──やっぱりそういう経験もあるんですね。

黒流:和太鼓を演っていること自体、思春期のときは隠してました。和太鼓というとふんどしやお祭りのイメージで、ちょっと別次元の人のように言われることが多かったので。

──カッコいいイメージじゃないんですか?

黒流:当時は違いましたね。同級生や気になっている子に言いづらいかった。そんな中で、プロ奏者としてテレビでの芸能人への指導もやらせていただくんですけど、リハーサルではひとまず私服の洋服のまま太鼓を打ったりするんです。そうすると、自分の好きな恰好で自分のかっこいいと思う打ち方で打ったときに「自分がやりたいことは、これに近いな」と思ったんです。もちろん法被もカッコいいんですけど。

──思春期~自我の確立ですね。

黒流:そういうところから音楽性も含めて、自分の好きなものとして表現したいと思いました。バンドと一緒にやるにしても、とりあえず鳴らしとけばいいという位置にいるのも違うと思ったし、賑やかしとか獅子舞や提灯のような風景扱いも違うと思ってました。もっと音楽としていろんな事をしなければいけないのに…と、沸々と溜まっていたと思います。

▲黒流

──同じようなことを感じていた人は身近にいなかったんですか?

黒流:同門の先輩ではいたのですが、和太鼓の業界は基本的に現存の和太鼓が心底好きな人がものすごく多いんです。街にある盆踊りチームなども含めれば今は何千という団体があると思いますけど、その中でそこの流派のてっぺんの人がいて、そのチームの頭の人が正解、他は不正解みたいな世界が多くて、僕のような考えはすごく難しかった記憶があります。

──そこからはずれていったのは、和太鼓への愛情の裏返し?

黒流:もちろんそうです。同時に、正統派の伝統を継ぐことの大事さも、バンド活動しているなかで強く感じていました。正統派の伝統をちゃんとできた上ではずれなければいけないという思いがあったので。

──なるほど。

黒流:例えば、法被やはちまきなど、ちゃんと粋な着こなしがあるんです。それをしっかり理解して自分でもやったうえで、それを崩していきたいと思いました。掛け声の出し方も含めて、伝統的なものを習得したうえで、自分なりの表現にしていきたい。あとは若くてかっこいい奏者を集めて、バーっと動きながらシャツの前をヒラヒラあけて腹筋出して…といった挑発的な演奏などをしたり、さらなる新しい表現に入っていきたいと悩みながらも画策していたんです。

──今の和楽器バンドの音楽は、伝統をそのまま受け継いでいる部分とオリジナルの部分が混在しているんですか?

黒流:和楽器バンドになる前は、和太鼓の表現として(従来の型から)外れたいと思っていました。突飛…エンターテイメントというか、音の出る火薬を使って演奏したり、光らせるとか、頑張って伝統から外れよう外れようとしていた時期があったんです。ただ、和楽器バンドになってからは突飛なことはあまり必要無いと気付きました。なので音楽的にもパフォーマンスも、逆に「らしい」ことをするのが増えてきています。


──なるほど、和楽器バンドという存在自体が究極の異例ですから、もはや道を外す必要はないんですね。

黒流:津軽三味線、箏、尺八もそうなんですけれど、らしさを求められるんです。尺八といったらコレ、和太鼓といったらコレみたいなものをですね。尺八も綺麗にバーっと吹くこともあれば、曲によっては一発で尺八と分かるブヒョ~というのが求められる。和太鼓も一般の人が思うお祭りっぽい「オリャッ」「ソイヤッ」というものもやります。太鼓チームのときはやっていなかったものを、逆に和楽器バンドになってからはやるようになったんですね。もちろん、空を飛びながらや火花を浴びながら太鼓を打ったりとエンターテイメント要素もこのバンドでは沢山していますが。

──おもしろいですね。最も型にはまったことを異端なバンド編成の中で行うという突き抜け方だ。

黒流:みんな伝統から外れて活動していた4人なので、ここにたどり着いた。原点回帰じゃないですけれど、これが新鮮だったりするんです。外れていたからこそ求められているものが分かる。

──伝統を学んだものの強さですね。

黒流:基礎がないとおそらく「~ぽい」ものしかできないですけど、基礎ができていればいつでも元に戻れる。さらに外れた目線から見える「求められているらしさ」を知っているので、それがすごく貴重なんです。

──それが4人集まっているなんて、ある意味奇跡ですね。

黒流:昔の経験なんですけど、すごく難しいのは、第一線の方たちのこだわりの強さなんです。せっかく太鼓、三味線、尺八などが集まっても「俺はこれしかやりたくない」「これじゃなければこの楽器はかっこよくない」「俺がやっている意味がない」というスタンスからスタートしてしまうと、創作が止まってしまうんです。もちろんこだわりは大事で、なるほどと思いながら見ていたんですけど、結果、やはり長くは続きませんでした。技術も一流で名曲とかプログレっぽい曲とか色々生み出しているんですけど、和楽器の好きな人の耳にしか響かず、一般層には届かない。それを客観的に見ながら「これではだめなんだ」と感じていました。

──難しいですね。

黒流:あとは年功序列とかですね。それはすごく古い時代の話ですけれど、ロックの世界に行ったとしても年上だ年下だとオラオラしていて「これは恥ずかしいな」「ここを変えなければ僕らは先に行けないんだな」とも感じていました。和楽器バンドでは8人がつくる音楽として、人間関係も含めて音楽を主体とした発言ができないとだめだといつも思ってます。


──伝統を知りながら大きく一周して、最新のバンドサウンドに帰結するのはとても興味深いです。

黒流:僕らは新たなジャンルを作りたい。和太鼓は、CMに出させていただくときもまだまだ提灯と団扇と和太鼓みたいな風景扱いですから。もちろんそれは全然間違ってはいないんですけれど、ギターでもクラシック/ロック/エレキと全然違うように、和太鼓のなかでも色んなジャンルができて欲しいと願ってます。「自分は和楽器バンドは嫌いだけど、こういうアプローチの三味線を弾きたい」「こういうアプローチの和太鼓を叩きたい」っていう天才がこれから絶対生まれてくるはずなので、そのきっかけのひとつとして、新しい形の音楽を8人がつくれたらいいですよね。そのためにも、僕ら4人(和太鼓、尺八、箏、津軽三味線)は道なき道を模索するところから始めていかないといけないのかな。将来は、伝統的な叩き方はいっさいできないのに、天才的なプレイをするような子たちが生まれてくると思います。その最初のきっかけに、和楽器バンドがなれたらいい。

──歴史が動くそのときに「和楽器バンドがいたからだね」と。

黒流:分母のすごく小さな音楽界で新しいことをやる人たちがいて、僕もそれを何十年とやってきたけど、まったく世間に出ていなかった。そんな中で竜童組や六三四、吉田兄弟・上妻宏光の功績は大きいと思います。僕らはそことはまた違ったアプローチで和を出すバンドとしてスタートして、その中から新しいことを試していく。それは結成当初からずっと変わらない。そういうバンドがひとつあれば、更に新しいものが生まれるんじゃないかと。僕らを見て下の世代が判断してくれればいい。


──和楽器バンドにおいて、山葵さんのドラムとの住み分けはどう考えているんですか?

黒流:それも今いろいろ試しつつやっています。パーカッション的な役割のときもあれば、ハードロックのツーバスの音を倍増させるみたいなふたりでドコドコ一生懸命打つこともある。バラードなどでは、ダンサーではないですけどゆっくり構えてひとつの音をドーンと打つために、おおきな動作を見せる。それはパーカッションの人には出せない太鼓の所作ですよね。レコーディングではパーカッション的な位置にいることが多いので、ライブでパーカッションの真似事をするのは楽なんですけれど、そこに甘んじていてはいけないなと感じてます。

──基本的なセッティングはどういうものですか?

黒流:テンテンいう締太鼓とドンドンいう和太鼓だけだと音楽的にはすごく難しいんです。お祭りで使う木をくり抜いた宮太鼓って「ドン」の「ン」…打った後の余韻が大きすぎて、バンドのなかでは轟音にしか聞こえない。木が貼り付けてある桶太鼓なら、アタックがはっきりして低音がちゃんとドーンと聞こえつつも、ベース音域ともぶつかりづらい。なので基本は桶セットにして、ポイントやアクセントとしてのひとつとして音の低い宮太鼓を置く。これは一発ドーンと打つときとかドコドコと低音を出したいときの低音重視のものです。試行錯誤しながらですけど、増やすときは基本桶ものですね。

──このアプローチは伝統的な和太鼓の世界とは違うものですか?

黒流:伝統的な太鼓の方とは違いますね。どのように楽曲を作っているかにもよるんですけれど、セットものをバーンと並べて打つ人は少ないですし、もっと生音が大きく鳴る和太鼓達を選ぶと思います。


──人知れぬ試行錯誤がありそうですね。

黒流:よくある話なんですけど、昔ソロの時、ピアノやバイオリン等と小さい演奏会場で演奏するお仕事では「和太鼓は音が大きいからマイクいらないですよね」って言われるんです。他の楽器はマイクで音を録ってお客さんのところに届くんですけれど、それと同じ音量で太鼓を打とうとすると強く打たないとお客さんまで聴こえない。そうするとステージ上で和太鼓の音がでかすぎて、各メンバーが自分の音が聴こえなくなっちゃったりするんですよ。ひとりだけどっかんどっかん打ってる中で他の楽器が弾くことになる。なので、「僕(太鼓も)マイク必要なんです」と言うんですけど、わかってもらえない。「だって音でかいじゃないですか、マイクが足りないんですよ」って(笑)。

──そういう経験も、和楽器バンドで活かされているんですね。

黒流:和楽器バンドでは和太鼓を1つずつ録ってもらって、音のバランスを調整してくれているのですごく助かっています。和太鼓って、和太鼓だけの演奏の時には近くでマイキングするよりも、遠くで拾って空間を大きく取るほうがいい音がする事が多いんです。ただそのまま和楽器バンドのサウンドに混ざるとすごく邪魔で、アタックも聞こえないしウォーンウォーンと低音が回ってしまうので、タイトに固く音質を整えてもらったりします。レコーディングではちょっとノイズも入れてもらったり、アタックを出してもらったり。そうすると和太鼓だけで聴くと必ずしもベストではなくなるんですが、楽曲としてはとてもいい混じり方になる。和太鼓が大好きな人からすると「これは和太鼓の音じゃない」とか「この和太鼓の音はダメだ」と言われてしまうかもしれませんが、それで8人で良い音が出来上がるならそれで良いと思ってます。うちはみんな「8人としての良い音」を追及できるメンバーなので。

ライブ写真◎上溝恭⾹

──サウンドというのは、楽器の特性に加えプレイヤーの個性によって完成するものですが、和太鼓も同様ですか?

黒流:和楽器のなかでも特に和太鼓は、楽器ありきな部分が大きいですね。僕らがよく言うのは、演奏終わったあとに「迫力ありましたね。大きな音でしたね」「箏の音色綺麗ですね、和太鼓の音が迫力あって身体に響きました」と言われたら負けなんです。

──?

黒流:それは楽器の音がデカいだけで、僕らの技術に関係ないもの。誰が打ったってデカいし、それは楽器の力がすごすぎて楽器に負けちゃってるということです。でもそれが当たり前なんです。それを壊すために僕ら頑張っていて「あの曲かっこよかったですね」って音楽的なところ、「あのフレーズよかったですね」「最後グッときました」っていうのが、僕らのはじめて奏者としての存在を認めてもらうことだから。

──なるほど。

黒流:楽器が強すぎて、僕らはずっとそれに負けるほうが多かった。それは感想としては嬉しいんですけれど、自戒を込めて「それじゃだめだ」と常に思っていました。特に和太鼓は神様扱い…神具として使うこともあるので、魂が込められてものすごく崇め奉ることも多いんですが、皆がそう言っているところで僕はわざと和太鼓を蹴っ飛ばして打ったり、和太鼓に乗ったりして演奏してきた。生放送でものすごい怒られたり、太鼓屋さんに呼び出され「やめてください」と言われたりしました。結局、今でも乗ってしまっていて、申し訳なく思っているんですけど、楽器がすごいことは重々承知した上で、奏者があってなんぼだという想いも僕は下の世代の為に言い続けていきたい。僕らがいなければ絶対に鳴らないんですから。楽器に負けているからこそ、言い続けたいんです。

──アスリートが記録を出したとき「いい靴ですね」って言われたくないですもんね。

黒流:そうです。「そのウエアがよかったかも知れないですね」と言われると「いやいや…」という話になる。でも、そのくらい和楽器って音色の持っているパワーとルックスがすごいんです。だからどうしてもそっちを褒められる。それももちろん嬉しいですけど、楽器が素晴らしいからこそ、奏者ももっと向上し、技術として作品として感動させるものをつくりたいですから。

──そこと戦っているわけだ。

黒流:和太鼓を演奏している姿を録ってもらったとき、下手すると手元のアップだけで終わっちゃうんです。そうすると「これ、誰でもいいんだな」という気がしてしまう。それも負けなんです。そうじゃなくて、誰が演奏してるこの楽器なのかだと思います。ギターは顔が映ると思うんです。それが和楽器の世界ではまだまだ少ない。楽器が珍しい、手元を録っちゃう…で終わってしまうのは、まだまだ先を見て頑張らないとと今でも思います。

──和太鼓は所作も大事ですよね。

黒流:そうですね。今は定位置で打ちますが、普段は動き回って打ったりもします。回ったり飛んだり移動したりして太鼓を打つっていうのは東京っぽいもので、そういうのが少ない別の地域では新鮮だと言ってもらったりもしますけど、そういうのを含めて「魅せる」要素はすごく大事で、ダンサーじゃないですけど、表現者/アクターでないといけない総合芸術だと思っています。レコーディングでも、どういう動きでどういうフレーズにすればただ打ってる人にならないか、人と同じにならないかを考えます。こういうフレーズにすればこういう動きができるなと、太鼓である意味がそこにあるようにしないといけないなと思っています。


──和太鼓は「叩く」のではなく「打つ」と言うんですか?

黒流:いえ、そんなことはないです。普通に叩くという人もいます。

──黒流さんは、必ず「打つ」と表現しますよね。

黒流:「叩く」は、当たったことも何でも「叩く」になるので。人を叩く…とかね。「打つ」は目標に対して技術を使って打ち込むことですから、僕は「打つ」という表現にしています。音を鳴らすことを前提に、色々考えたうえで打つ。僕のなかでは「当たる」と「叩く」は一緒に思えます。

──なるほど、楽器演奏の心得ですね。

黒流:大きな木材でボコーンと力で叩けば和太鼓の音が鳴るわけではなくて、僕はスナップをきかせてバチーンという打法をやっているので「叩く」より「打つ」という感覚なんです。技術で音を出しているので、筋骨隆々じゃなくても、女性でも大きな音が出るという打ち方をしているんです。僕個人の感覚ですけどね。

──そんな和太鼓ですが、未経験者が和太鼓を演りたいと思ったとき、どうやってスタートすればいいですか?

黒流:そうですね……全国の学校でも和太鼓のチームが多くなって、年々クオリティもあがっています。プロよりすごい演奏するチームもいっぱいあって、その中に天才がたくさん生まれているんですね。光る子もいるんですけど、結局卒業してしまうとほとんどの子達が辞めてしまう。音を出せる場所がないという現実と、楽器も高価で入手できず、流派があるので勝手にできないということもあるんです。場所によっては習ったことは他で一切やるなと言われたりとか、流派のルールで決まってしまうことあるんです。

──伝統を守るという意味ですか?

黒流:歌舞伎とか三味線とかは屋号や大きな流派がありますけど、太鼓ってあまりないんです。昔はあった大きな流派も、今では細分化してしまって明確な流派というのは無くなったりしてます。伝統と言うととてもカッコよく聞こえますが、所によっては伝統という言葉を借りて先人がやってきたことを模倣するだけなのも残念ながら正直ありました。劣化したものをやってるだけで「これが伝統です」と言えてしまうのは、和太鼓の楽器の力のおかげであって、はたしてそれは創作や技術などは関係ないのでは?と思ってしまうんです。ザ・ビートルズのコピーバンドが「私の曲です」「受け継いだから」ってザ・ビートルズと同じように活動したらファンは疑問に思いますよね。オリジナルメンバーがいないのにその曲をやって、ちょっと表現力の下がった状態で、それを伝統という言葉を使って成立させちゃう。一方、所属流派を辞めて自分で同じ様なチームを作り、許可もなしに自分の曲のように演って揉め事が起こり、その結果締め付けや破門だなんだとなってしまう。もちろんそれは一部だけの問題ですが、未来の奏者のことを考えるといろいろ考え直さないと。

──難しいですね。

黒流:結局、オリジナルは誰も超えられていない。だとしたら、僕らはオリジナルをつくっていきたい。誰かの真似をするんじゃなくて、自分で作らなきゃなんだなと。自分なりの和太鼓、今でいう和楽器バンドをつくりたいと思ったのもそういうところです。3歳の頃からやっている和太鼓であれば、和楽器バンドで世界を回っても勝てると信じてますから。

──安価で手を出しやすい和太鼓がもっと身近にあればいいのになとも思います。

黒流:そうですね。Rolandの電子和太鼓の普及活動もさせていただいているんですけれど、家で叩けたりセッションでも使えたり、色々揃えれば和太鼓よりも安く太鼓的な音が出ますから、そういうものもとっかかりのひとつになれたらと願ってます。買ったけどどう使えばいいかわからない人もたくさんいるようだったので、プロの僕たちが「こういうふうに使ったらこういう風に見えますよ」と、楽曲を使って提供することで見せるのも大事だと思っています。僕が使っている電子和太鼓TAIKO-1には、レコーディングのときに使った締太鼓の音を入れてるんですが、楽曲に合わせた音程の締め太鼓を沢山の中から選び、それを曲ごとに分けてインポートしています。パーカッションはチューニングをしているのに、和太鼓だけまったくしないでずっとやってきて、その違和感もおもしろかったですけれど、アルバムを1~2枚作った頃には限界がきて、和太鼓の音程も楽曲のキーに合わせるようにしました。

──レコーディングではどうしているんですか?

黒流:知り合いの太鼓チームに協力してもらって、30~40台の太鼓を用意しています。日によって音程が変わってしまうので、キーに合った音をひとつずつチョイスして楽曲用のセットを作るんです。それをライブで再現する場合は、TAIKO-1を使ったり影響ないところでは基本のセットを用いたり、音楽的に成立するような和太鼓の使い方を模索しています。

──和太鼓に挑戦したい人へ、アドバイスはありますか?

黒流:今は太鼓教室もありますし、調べると太鼓のチームもたくさんあるので、そこで触れることはできると思いますし、お祭りで触れることもできると思うんです。色々見た中で、そのチームに入るのもいいです。いきなり買って家で打つという楽器でもないので、身近なところでまず経験してもらって、自分がやりたいことと近いことをしているチームやサークルに移動するのもありです。太鼓といってもジャンルが色々あるので、まずは体験教室などで体験するのが簡単にスタートできるかな。もちろんそういうのも嫌だという人は、僕のようにアウトローな道から入っていってもいいと思いますし、パンクバンドに和太鼓が入ってもおもしろいと思いますし。


──黒流さんの機材のなかに、どデカい竹がありますがあれも“楽器”なんですか?

黒流:あれも楽器です。ハリウッドやDJで和太鼓を使って楽曲を作るとき、太鼓の「ドーン」という音よりもフチの「カッ」という音を多用することで和っぽくなることが多いんですね。それでフチの「カッ」という音のバリエーションを増やしたいということで、竹を置いてみました。和楽器バンドのなかでも、音色だけで和っぽさを追求するには「カッ」が大事なんです。ルックス的にもおしゃれですし。

──竹というのは、外は硬くて中は空洞という「叩いてくれ」といわんばかりの構造をしていますよね。

黒流:はい。実際あれは鳴りすぎてしまって、レコーディングで使ってほしくないという意見が多いんです(笑)。あれを使うとバーンと音が鳴りすぎて反響しまくってしまう。あれを小さくすると要は尺八になるんですけれど、尺八の大きいバージョンをぶっ叩く…野蛮ですね(笑)。


──8月からはツアー<8th Anniversary Japan Tour ∞ - Infinity ->が始まりますが、黒流さんの見所はどんなところになりそうですか?

黒流:こんな時だからこそ、生の音楽、身体に響く音楽、生の音を皆さんに体験してほしいです。僕らも過去、音楽にたくさん救われ今があるので、音楽の力を信じていろんな方の力に少しでもなればと思っています。和楽器バンドの和太鼓としては、お客さんの状況を見ながらあえて打たなかったりふざけたりエンタメに特化しつつも、本筋ではクオリティの高い音楽を目指してますので、生のライブを是非楽しんでほしいです。PAスピーカーから音は出ていますけど、大太鼓はリアルに身体で感じると思うので、音源では体感できない僕の打撃も是非。僕はライブが生きがいですから。

取材・文◎烏丸哲也(JMN統括編集長)
楽器撮影◎堀 清英



■<和楽器バンド 8th Anniversary Japan Tour ∞ - Infinity ->

2021年
8月27日(金)神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホール
17:45 / 18:30 [問]ディスクガレージ 050-5533-0888

8月28日(土)神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホール
16:15 / 17:00[問]ディスクガレージ 050-5533-0888

9月4日(土)石川・本多の森ホール
16:00 / 17:00[問]FOB金沢 076-232-2424

9月5日(日)長野・ホクト文化ホール 大ホール
16:00 / 17:00[問]FOB新潟 025-229-5000

9月10日(金)東京・中野サンプラザ
18:00 / 18:30[問]ディスクガレージ 050-5533-0888

9月12日(日)岐阜・長良川国際会議場 メインホール
16:30 / 17:00[問]ズームエンタープライズ 052-290-0909

9月19日(日)神奈川・グリーンホール相模大野
16:30 / 17:00[問]ディスクガレージ 050-5533-0888

9月20日(月・祝)千葉・松戸森のホール21 大ホール
16:30 / 17:00[問]ディスクガレージ 050-5533-0888

9月23日(木・祝)福島・いわき芸術文化交流館アリオス 大ホール
16:30 / 17:30 福島中央テレビ 024-924-1100

9月24日(金)宮城・仙台サンプラザホール
17:30 / 18:30[問]tbc東北放送 022-714-1022

9月26日(日)盛岡・盛岡市民文化ホール 大ホール
16:00 / 17:00[問]岩手めんこいテレビ 019-656-3300

9月30日(木)大阪・オリックス劇場
17:30 / 18:30[問]グリーンズコーポレーション 06-6882-1224

10月2日(土)愛知・名古屋国際会議場 センチュリーホール
16:15 / 17:00[問]ズームエンタープライズ 052-290-0909

10月3日(日)愛知・名古屋国際会議場 センチュリーホール
15:15 / 16:00[問]ズームエンタープライズ 052-290-0909

10月7日(木)広島・ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ
17:30 / 18:30[問]キャンディー・プロモーション 082-249-8334

10月8日(金)兵庫・神戸国際会館 こくさいホール
17:30 / 18:30グリーンズコーポレーション 06-6882-1224

10月11日(月)京都・ロームシアター京都 メインホール
17:30 / 18:30[問]グリーンズコーポレーション06-6882-1224

10月12日(火)香川・サンポートホール高松
17:30 / 18:30[問]デューク高松 087-822-2520

10月16日(土)静岡・静岡市民文化会館 大ホール
16:15 / 17:00[問]ズームエンタープライズ 052-290-0909

10月17日(日)岡山・倉敷市民会館
16:00 / 17:00[問]キャンディー・プロモーション 082-249-8334

10月23日(土)山梨・YCC県民文化ホール
16:30 / 17:00[問]ディスクガレージ 050-5533-0888

10月24日(日)東京・TACHIKAWA STAGE GARDEN
16:30 / 17:00[問]ディスクガレージ 050-5533-0888

10月28日(木)大阪・梅田芸術劇場メインホール
17:30 / 18:30[問]グリーンズコーポレーション06-6882-1224

11月5日(金)熊本・市民会館シアーズホーム夢ホール (熊本市民会館)
17:30 / 18:30[問]BASE CAMP092-406-7737

11月7日(日)福岡・福岡サンパレス
16:00 / 17:00[問]BASE CAMP092-406-7737

11月13日(土)広島文化学園HBGホール
16:00 / 17:00[問]キャンディー・プロモーション 082-249-8334

11月14日(日)島根・島根県民会館
16:00 / 17:00[問]キャンディー・プロモーション 082-249-8334

11月20日(土)北海道・カナモトホール (札幌市民ホール)
16:00 / 17:00[問]ウエス 011-614-9999

11月23日(火・祝)新潟・新潟テルサ
16:00 / 17:00[問]FOB新潟 025-229-5000

11月28日(日)茨城・ザ・ヒロサワ・シティ会館 大ホール
16:30 / 17:00 [問]ディスクガレージ 050-5533-0888

【一般指定席/着席指定席】
チケット料金:前売¥10,000(消費税込み)/当日¥11,000(消費税込み)
席種詳細:※着席指定席は、小さなお子様、ご年配のお客様、ファミリー、その他ライブを着席してご覧になりたいという皆様の為にご用意させていただく「着席観覧」用のお席です。※ライブ中は必ず着席して頂きます様お願い致します。※ステージからの近さを保証する座席ではございません。
※予定枚数に達し次第、終了となります。

ツアーに関する詳細は、和楽器バンド 公式サイト:https://wagakkiband.com/まで。
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