【ライブレポート】怒髪天、清春と1年越しのツーマンライブ

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怒髪天が8月23日(月)に、<怒髪天 presents 中京イズバーニング 2020 “ヤン衆&ドラゴン”>愛知・名古屋DIAMOND HALL公演を開催した。

◆ライブ写真

同公演は2020年から延期されていたもので、対バン相手には清春が登場した。当日の模様のレポートをお届けする。

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当たり前が当たり前ではなくなり、ライブをすることすら阻まれるようになったコロナ禍以降の音楽シーン。それは怒髪天も例外ではなく、毎年彼らが中京地区の猛者共と文字通り燃え滾る対バンを繰り広げる<中京イズバーニング 2020 “ヤン衆&ドラゴン”>が昨年の延期を経てようやく、本当にようやく開催された。


今回の対バン相手はなんと清春。言うまでもなく、中京地区を代表するロックアーティストである。怒髪天とは初対面だという清春がライブでどのような化学反応を起こすのか。開演前からダイアモンドホールは熱気で覆われていた。

トップバッターは清春。ライブは独自の世界観を放出しまくる妖艶なナンバー「下劣」でスタート。いきなりの清春らしさ全開な展開にホストである怒髪天のファンも引き込まれるよう。「錯覚リフレイン」「凌辱」といった対バン相手の怒髪天に全く忖度のない曲を立て続けに披露しながらライブ自体も良い意味で緩い雰囲気で進んでいく。



「20年前くらいのイメージから離れなくて、ちゃんとしたロックバンドの方達と中々一緒にやることもなかったんですけど、出来たらフラットに観て頂けたら」。と控えめに話しつつ、遠慮ゼロのセットリストで攻める清春。後半にはサッズ時代の名曲「Masquerade」そして予定になかったという「忘却の空」ラストは黒夢時代の「少年」と清春からファンと怒髪天にサプライズプレゼントでライブは終了。人間味に溢れたライブに怒髪天が何故彼にオファーしたのかがよく分かるライブだった。



「よくきた!」増子兄ぃのお馴染みの掛け声がダイアモンドホールに響き渡ると会場に集まったオーディエンスの手が一世に挙がる。怒髪天の登場だ。どれだけこの瞬間を待ちわびていただろう。“荒れ狂った時代の海に大漁の旗を掲げろ”そうやって僕らをアジテーションする怒髪天の名曲「GREAT NUMBER」からライブはスタート。声は出せない。だけど熱き心が、燃える想いが固まりとなってライブハウスにまん延する。これだ、これが怒髪天のライブだ。序盤から「天誅コア」「セイノワ」と今この時代に歌うべくして生まれたナンバーが続く。“君のために死ねるとか誰も喜びはしない”本当にそうだ。愛のために生きる。そんな真っ直ぐなメッセージが増子兄ぃから発せられると涙を流すオーディエンスも。


「清春さんみたいにヒット曲がないから、ここからはしょっぱい曲を歌います」と自虐ネタを含みつつも、大人になることって意外と悪くないんじゃないか、いやむしろ最高なんじゃないか、そう思わせてくれる怒髪天のアンセム「オトナノススメ」、初期の名曲「時代遅れTARO」や怒髪天がずっと大事に歌い続けてきた“愛”をテーマにした「愛の出番だ!」と清春のファンにもしっかりと怒髪天というバンドの在り方、やり方が刺さっているのが分かる。


鬼気迫る「クソったれのテーマ」、“がんばれ!それは自分に向けてだけ”と己と向き合うことを歌い上げる「孤独のエール」、何が正解か分からないなかで自分の決めた道を突き進むことを宣言する「ド真ん中節」と清春のファンにも怒髪天の、増子兄ぃの言葉ひとつひとつがしっかりと届く。清春と怒髪天。打ち出し方は表現方法は全然違うかもしれない。共通点なんて何もないかもしれない。だけど嘘のない音楽は真っ直ぐ突き刺さるのだ。



昭和の夏ソング「夏のお嬢さん」カヴァーでフロアが常夏になると、じゃあやっぱりビールでしょということでもはや怒髪天のアイデンティティともいえる「酒燃料爆進曲」でグッといっちゃって、ラストはこの日配信リリースされたばかりの新曲「ジャカジャーン!ブンブン!ドンドコ!イェー!」を叩きつける。もうこのタイトルが全て。こんなにド直球なタイトルはないでしょう。どうしようもないとき、今でしょってタイミングでいつも、怒髪天は雑音も、雑念も全部、ジャカジャーン!ブンブン!ドンドコ!イェー!ってなぎ倒してくれる。


ライブが終わり「生きてまた会おう!」とステージから投げかけた増子兄ぃ。こうやってライブからライブの間の生きて会う約束をこれからもずっと怒髪天としていきたい。リベンジとなった中京イズバーニングをやりきった怒髪天と清春。ライブを観ながらずっと共通点を探していたけどひとつはっきりと見つけたことがある。増子兄ぃも清春も話が長いのだ(笑)。話し過ぎてどっちも曲を削るなんて、それだけで最高のツーマンだったなと思う。


Text by 柴山順次(2YOU MAGAZINE)
Photo by タカギユウスケ

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