【インタビュー】acane、確立できた“真っ直ぐ歌を伝える”想い。仲間へ、結婚相手へ向けた4曲EP「君の歌」

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福岡出身のシンガーacane。友人とともに歌った「100万回の「I love you」」のカバーをはじめとする路上ライブの動画がSNSで大きな話題となり、現在は関連動画の再生回数が8600万回に近づくなど、その歌声の魅力を全国へと広めているアーティストだ。そんな彼女が、4曲入りのEP「君の歌」をリリース。自身の結婚を発表し、旦那さんに向けて書いたという楽曲も含むこの作品について、じっくりと話を聞いた。

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■歌だと、なぜか奥底の気持ちまで素直に言える

──9月にTOKYO MXでオンエアされた番組『Artist#18File』でも歌唱されましたが、4曲入りEP「君の歌」がリリースされましたね。

acane:はい。たくさんの方がリリースを喜んでくれて、めちゃくちゃ嬉しかったです。

──「君の歌」を書いたきっかけは、acaneさんの音楽仲間に向けた気持ちということでしたよね。

acane:そうなんです。いつも明るくて、みんなに対してニコニコしている元気な子なんですが、すごく気を使っているからか、ちょっと疲れているように見えた時があったんです。そんなに無理しなくてもいいのになっていう思いを伝えたかったけど、言葉で言うのは何だか薄いなと思い、曲を作ることにしたんです。

──歌で自分の思いを相手に伝えるって素敵です。

acane:私、思ったことをすぐポンポン言っちゃうんですが、奥底の、本当に思っていることって実はあまり言えなかったりするんです。嫌われたらどうしようとか、その人が嫌な気持ちになったらどうしようって思うと、そこまでは言わないでおこうっていう風になる。ま、チョイ傷つくくらいまでは言っちゃうんですけど(笑)。でも、結局それも気にしちゃうんですよ。帰ってから「やっぱり言い過ぎたかな」とか。だけどそれが歌だと、なぜか奥底の気持ちまで素直に言えるんです。

──きっかけは仲間への個人的な思いであっても、結果的に、いろんな人の背中を押してあげられるような曲になりましたね。

acane:そんな風に思ってもらえていたら嬉しいです。今はアンチとかもたくさんあって、SNSとかやっているとみんなもきっとそういうコメントが来たりすると思うんですが、そんな言葉に負けないで欲しいなって思うんですよね。誰よりも頑張っている君を笑う声なんて気にしないで。1人じゃないことを忘れないで。そういう思いを、歌詞に込めました。


──4曲目の「伝えたいこと」もacaneさん自身の作詞ですが、この曲を聴いていると、結婚っていいなあと思いました。

acane:あれ? 私、もうお伝えしていましたっけ? 実は結婚したんですよ。

──おめでとうございます!聞いてませんでしたけど(笑)。

acane:すごい、伝えたいことが伝わってた(笑)。今度、地元・福岡のワンマンで発表するんですよ(※9月末に終了)。結婚して、せっかくこういうタイミングだからってことで、旦那さんに向けた曲を作ることにしたんです。

──素敵なエピソードじゃないですか! 旦那さんの反応、どうでした?

acane:ドライブ中に聴かせたんですよ。旦那さんとは高校時代からなんですが、ちょっとお別れしていた時期があったり、遠距離になったりもしていたから、いろんなことを経て結婚できるってすごいなって思うんです。感謝だなって。私はそうやって思い出に耽ってちょっと泣きそうだったのに、旦那さんは何食わぬ顔で運転してた。おまけに、次に流れてきた「トリセツ」をめっちゃノリノリで歌い出して、もう、ぶっ叩こうかと思いました(笑)。

──照れ隠しに決まってるじゃないですか(笑)。

acane:(笑)。19歳の頃、初めて作詞した「いつかまた」という曲があって、それは彼とお別れした時に書いたんですね。ちなみにその時は泣いてました(笑)。

──歌詞を書くにあたっても、彼の存在は大きいんですね。

acane:そうかもしれない。そういえば「すきっちゃん」っていう博多弁の曲も、彼との遠距離の歌だし。コロナ禍になってすぐの頃に作ったんですが、遠距離してる人たちってみんな全然会えなくなってしまって、DMでもそういうメッセージがたくさん来ていたんですよ。でも、遠距離でも付き合えるのは幸せなことだよっていうことを伝えたくて作ったんです。その時も彼の影響がすごく大きかったので、確かに私の曲は彼の影響が大きいかもしれないですね。

──この「伝えたいこと」、ぜひ皆さんも好きな人に向けて歌ってみて欲しいですね。

acane:カラオケとかでめっちゃ歌って欲しいです! で、この曲を歌ったら付き合えることになった! みたいなことになってくれたらいいですよね(笑)。

──恋愛成就のご利益がある、みたいな(笑)。

acane:そうそう(笑)。あとカラオケだと、「君の歌」も歌ってみて欲しいです。サビの「悔しさで」の直前にめっちゃ息継ぎをして、勢いよくバン!と歌い出すのがミソ。そうするとすごくサビ感が出るんですけど、私もレコーディングの時は結構歌い直しました。そういえば「君の歌」は、サビだけでも8回くらいメロディーが変わったんですよ。一番キャッチーで、一番聴きやすい曲にしたかったから。

──acaneさんの曲って、気持ちを元気にしてくれるものが多いですよね。今回収録されている「FLY AWAY」や「RHYTHM」も、すごく前向き。

acane:今回の4曲は特にそうですね。さっきもちょっとお話ししましたが、せっかく結婚を発表するタイミングだから、旦那さんに向けた曲も含めて前向きな4曲にしようっていうところから始まったんですよ。「FLY AWAY」なんかはすごくライブ映えしそうな曲でもあるかなって思うから、みんなで手を振りながら歌うのが楽しみな1曲でもありますね。


──ちなみにacaneさん自身、カラオケは?

acane:カラオケはめっちゃ好きだから、高校の時は週4〜5くらいで行ってました。もう、そこに住んでるんじゃないかってくらい行ってた(笑)。ストレス発散にもなるし、何より歌うのが楽しいじゃないですか。カラオケではAIさん、西野カナさん、加藤ミリヤさんとか、いわゆる私の"世代"の方の歌をよく歌ってましたね。

──acaneさんの曲も、たくさんの方に歌って欲しいですね。

acane:なんか、いろんな人の十八番(オハコ)になってくれたらいいなと思います。私が加藤ミリヤさんの昔の曲を歌ったりするのと一緒で、何年経っても歌われるようになっていけばいいなと思っています。

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