【インタビュー】THE FOREVER YOUNG、渾身の熱量で作り上げた4人の意思表示作『証』

ツイート

■この言葉1つで「それでよかったんだ」って思える気がして

──ナカオさんが特に聴いてほしい曲を挙げてもらえますか。

ナカオ:僕は速くて情熱的な曲が好きなので、やっぱり1曲目の「証」が好きです。(叫ぶようなコーラスは)歌っている歌詞を考えてくれるのはクニさんなんですけど、自分も感情移入して伝えようという気持ちで叫びました。綺麗に歌として歌うんじゃなくて、“自分の叫び”を叫ぶつもりで入れました。

──「証」は、いつもライブに来ているファンが聴いたら泣くんじゃないですか。

ナカオ:僕もそう思います。

クニタケ:最初は、僕が今言われたらめちゃくちゃ泣くやろうなとか、グッとくるやろうなっていう言葉を並べたんです。この1曲目で言っておきたいなと思ったのが、今まで歌っていた曲の中でも《君は独りじゃない》とか、《俺がそばにいてあげるよ》みたいなニュアンスってあったんですけど、そういうことじゃなくて、それは “俺と同じ気持ちのやつを独りにしないよ” っていうことだったんだなってわかったんですよ。なので、不特定多数の人じゃなくて、今この瞬間俺と同じ気持ちのやつは独りにしないっていう、それを証明したい、記したいと思って「証」という曲を書きました。自分と同じ気持ちのやつには絶対刺さるだろうなと思ってます。

──歌っているときはファンの人の顔も浮かんできましたか。

クニタケ:いや、もう8割ぐらい自分ですね(笑)。それぐらい自分に向けて歌ってます。でも、歌っている先に聴いて心打たれているやつは絶対いると思って歌っています。

──タカノさんが聴いてほしい曲を挙げてもらっていいですか?

タカノ:「ジェミニズ」です。この曲はだいたい僕がギターを考えたんですけど、サビの歌とコード感も気持ちよくなってるし、歌が全部いいなと思っています。

──クニタケさんはこういうロマンティックな曲を書きますよね。

クニタケ:こういう曲は好きですね。僕もロマンティックな曲をグッときたりする類の人なので、自分でも作ってしまうというか。最初この曲のプリプロをしてから家に帰ったときに、「こういうギターを付けたんですけど」みたいな感じで、ジュンスケが家で弾いたギターを送ってきたときに、ああいいなって思ったんです。そのときに僕は、「ジュンスケはめっちゃ良くなったな」って思いました。

タカノ:時間ができて、すごくギターを弾く時間が増えたんですよね。それと、いろんな音楽を聴くようになりました。自分でも手応えは大きいです。

──「本当の私になりたい」についてクニタケさんにお訊きします。この曲はあえて歌詞を載せていませんが、その意図や思いを聞かせてください。

クニタケ:他の曲は、歌のピッチを気にして録り直したりすることがあるんですけど、この曲は一発勝負でやりたいって言って、2日間で3回、全部泣きながら歌ったんですよ。1作目の『THE FOREVER YOUNG』の曲も、ブースのライトを消して泣きながら歌っていたんですけど、久しくそういうやり方をしていなかったので、久しぶりにやってみようかなと思って初日に泣きながら歌ったら声が裏返りすぎて、「ちょっとこれはやりすぎ」ってオガワに言われまして(笑)。結局1日休んでその次に日にまた泣きながら歌ったんですけど。この曲は、聴いてる人がそのときの心情で捉えてくれたらいいなと思っているんです。それが愛する女の子のことでもいいと思うし、家族のことでも友だちのことを思ってもいいし。歌詞にするとそこが決まっちゃう気がして、聴いている人がその都度捉えてくれたらいいなと思ってあえて歌詞を載せていないんです。THE FOREVER YOUNGとして作品を出すまでのこの2年間の中で、《本当の私になりたい》という言葉が僕の中でパワーワードになっていて、“本当の自分って何者なんだろう?”とか、その言葉に押しつぶされそうなときもあったんです。これからもそれがテーマだと思うんですけど、それを聴いてる人にもわかってもらいたいというか。「あなたはそういうあなたとして、誰かを愛していますか」ということを投げかけられるような曲になればいいなと思います。

──オガワさんは、「本当の私になりたい」を泣きながら歌っているクニタケさんを見てどう思いましたか。

オガワ:もう、ヤバいなと思いました。それと同時に、1stアルバムの頃の感じも出せたし、そこに2人のギターも相まって、より良いものができたなと思いました。

──最後はリード曲「人間合格」。《俺たち人間合格 俺たちどこへゆこうか》と歌われていますが、“俺たち”という言葉にはどんな思いを込めていますか。

クニタケ:今こういう時期でもあるし、この2年間作品を出していなくてライブも少なくなった中で、上手くいかなかったことの方が多かったと思いますし、ダメ出しのレッテルを貼られることもいっぱりあったと思うんですよ。それで、なんのために生きてるのかわからない、俺たちだったらなんのためにバンドをやっているかわからない状態で。形は違えど、聴いている人も俺らも共通していることはあると思うんです。そういう一緒の気持ちのやつらを肯定してあげたいんです。だから、“俺たち”という言葉を使って、俺たち4人も間違っていないし、聴いてくれているやつらも間違いじゃないぜ、ということをこの「人間合格」で証明したいなと思ったんです。それで、“俺たち”という言葉は強く入れたいなと思いました。


──最後に《証を見つける旅》という言葉が出てきて、また1曲目の「証」に戻るんですね。

クニタケ:はい、そうですね。

オガワ:この曲は「人間合格」というワードが最初にあって、そこから徐々に広がっていって、良いものができたなと思っています。できた音源を聴いていて思ったことがあるんですけど、自分はネット人間なのでよくTwitterを見るんです。そうすると、バズってるやつのリプライとかで言い争いしてたりして、ああいうのは本当にくだらないなと思っていて。そういう空気感になりつつある世の中に押しつぶされないように、「人間合格」の歌詞にある通り、俺たちは流されずに、“自分は自分であればいいんじゃないか”っていう気持ちで、この曲を捉えています。

クニタケ:そういうのもあるよね。

──クニタケさんは、「この曲の歌詞どう思う?」とか聞いたりするんですか?

クニタケ:僕は「どうやった?」って露骨に聞くんですけど、「いいっすね~」とか言われるんで、具体的に聞いたことは一度もないですね(笑)。

──ではタカノさんとナカオさんにも聞いてみましょう。タカノさん、「人間合格」についてどう思いますか?

タカノ:最高だと思ってます。

クニタケ:こういう感じなんですよ。

一同:(笑)。

──ナカオさんはいかがでしょうか。

ナカオ:僕も、この曲を聴いたときに《俺たち人間合格》という言葉が耳に残るんですけど、“人間合格”という言葉の意味って人それぞれ考えられると思うんです。僕は、今まで自分が生きてきた人生を全部受け入れてくれているというか、この言葉1つで「それでよかったんだ」って思える気がして。“人間合格”という言葉がパワーワードに感じました。

──『証』は、これまでのTHE FOREVER YOUNGのなかでどんな作品になりましたか。

クニタケ:冒頭で言ってもらったように、一番自信を持って作れたし、できあがって感動した作品になりました。たわいもないことなんですけど、この作品をレコーディングしていたときに、ずっとホテルとレコーディングスタジオを行き来していたんです。それで最終日に録り終わった後、エンジニアさんにもらったデータを帰りに車の中でみんなで聴いて、「やべえやべえ!」「これ、1回ホテルで飲むか!?」って、グルーヴが最高潮になったんです。それがみんなで作れた達成感というか、そんなことは今までなかったので、それだけでも僕は嬉しかったし、最高のものができた結果だと思ったんです。この4人になって新しいTHE FOREVER YOUNGを示せる最高の1枚になったんじゃないかなと思います。

──来月からはリリースツアー<証を見つける旅>がスタートします。それぞれ意気込みを聞かせてください。

タカノ:新しい曲をいっぱいやって、良いライブをいっぱいやって、最後までまわろうと思っています。

ナカオ:正式メンバーになって初めてのツアーなので、THE FOREVER YOUNGとして、しっかりツアーをまわって大爆発できたらいいなと思っています。

オガワ:こういう状況なので制限がある中でのツアーになると思うんですけど、良い作品ができたというのもあるし、久々に行く土地もたくさんあるので、音源を聴いてもらって良いと思ったらライブに来てくれたら嬉しいです。

クニタケ:今オガワが言ったように、制限がある中でのライブにはなるんですけど、マジで最高の作品ができたので、これを聴いて会いに来てくれたやつはそんな空間の中でも一緒に拳を上げて抱きしめられるようなライブ、ツアーにしたいと思っています。

取材・文◎岡本貴之



New Mini Album 『証』

2021年9月29日発売
VPCC-86381 1,980円(税込)

<収録曲>
1.証
2.FELLOWS
3.HEY YOU!
4.ジェミニズ
5.本当の私になりたい
6.人間合格



ライブスケジュール

リリースツアー<証を見つける旅>
2021年
10月9日(土)福島県 いわきclub SONIC iwaki
10月10日(日)栃木県 宇都宮HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2
10月12日(火)京都府 京都KYOTO MUSE
10月13日(水)兵庫県 神戸太陽と虎
10月14日(木)山口県 周南RISING HALL
10月21日(木)長崎県 長崎studioDo!
10月24日(日)北海道 札幌BESSIE HALL
10月30日(土)愛媛県 松山Double-u Studio
11月12日(金)東京都 渋谷WWW
11月14日(日)神奈川県 横浜F.A.D
11月15日(月)千葉県 千葉LOOK
11月16日(火)宮城県 仙台enn2nd
11月18日(木)愛知県 名古屋RADHALL
11月19日(金)大阪府 大阪ANIMA
11月26日(金)福岡県 久留米座
12月12日(日)青森県 八戸FOR ME[延期公演]

<盛岡CLUB CHANGE pre.「TOHOKU DOUBLE STACK TOUR 2021」>
2021年
12月8日(水)宮城県 石巻 BLUE RESISTANCE[延期公演]
12月9日(木)岩手県 大船渡 KESEN ROCK FREAKS[延期公演]
12月10日(金)岩手県 宮古 KLUB COUNTER ACTION[延期公演]

この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス