【ライブレポート】YURAサマ、バースデー公演で宣言「明るい未来をみんなで作っていく」

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YURAサマが自身42回目の誕生日となる9月12日(日)、東京・赤羽ReNY alphaにて<YURAサマ バースデーライブ2021「I need」>を開催した。最新シングル「I need」をタイトルに掲げた同公演は有観客および配信で実施され、サポートメンバーに加藤透(G)、進藤渉(B)、村田一弘(Dr)、高橋のりひこ&森野憲一(ダンサー)を迎えた華々しいもの。当日のレポートをお届けしたい。

◆YURAサマ (Psycho le Cému) 画像

舞台上のケーキに灯るロウソクの火を吹き消すところからライブがスタート。しかし、葬祭用の消えにくいロウソクであることに気づいたYURAサマが、必死の形相で息を吹きかけて消すというオープニングからして、この笑顔溢れる夜を象徴するような演出だ。そして1曲目は「My Destiny」。2人のダンサーを従えたYURAサマが会場に幸せの風を運ぶ。フロアは早くも総立ち状態で、YURAサマのダンスに合わせ、心と振りを合わせるなど一気に多幸感が広がった。



続く「皐月の雨」では回らないコブシを唸らせながら哀愁たっぷりに歌唱。「TAKESHI」の掛け声に合わせてステージ背後のスクリーンに “TAKESHロゴI”がギラギラと輝く電飾は、まるでパチンコ店の看板のようにきらびやか。しかも衣装が、どこかムード歌謡シンガーのようにも見えて、完璧なコーディネイトだ。心染みる哀愁歌と傘を持った2人のダンサーによるパフォーマンスも、とてもよく似合うワンシーンとなった。また、回文を歌詞の軸に据えた「まさか逆さま」では、歌詞やイラストをスクリーンに映して、巧みな回文(逆さ言葉)を視覚的にも表現。歌詞に込めた意図が改めて明かされるようで、場内からクスッと笑いが漏れる。こうして1曲ごとに表現方法や表情を塗りかえながら、ライブが進んでいった。

「初恋のヒト」は、自身の淡い記憶を振り返るような初恋の想い出を歌にしたもの。別れを経て、再会した2人は両思いになり、東京で一緒に暮らす…という少しセンチメンタルな世界に陶酔しながら歌うYURAサマ。また、「男女が喧嘩をしたら、すぐに謝りましょう。そのときは手をついて頭を下げて」と語られたのが「Tsutae Ai-Ai」。YURAサマやダンサーの動きに合わせ、楽しく弾けながら会場全体が「I'm Sorry」と謝る姿は壮観だ。こんな謝罪ならば、思わず笑顔で許してしまうはず。ラストは全員がモンキーダンスに興じるなど、ポップでダンサブルな景色が広がった。激しく疾走する「CODE010-004」が、その勢いに拍車をかけた。Daccoで見せるダンスも鮮やかだが、独特の真似しやすい振り付けは、それに負けないインパクトを持つ。燃焼効果の高い踊りの数々も、YURAサマのライブを楽しむうえで欠かせないポイントだ。


次のブロックでは、ハートフルな歌を立て続けに披露。Daccoでも歌ってい歌われる「ヒヨドリ」のYURAサマソロバージョンでは、今にも壊れそうな切ない声がノスタルジーを感じさせ、光射すような温かい声が未来を開け放つようでもある。前述の「初恋のヒト」と対を成す物語に胸が締め付けられた。そんな淡く切ない想い出も、春風に吹かれて「春の歌」へ。スクリーンに映し出された春の花の数々が、センチメンタルな心象風景を描き、ロマンチストなYURAサマを浮かび上げる。その温かい歌声は優しく咲く春の花のようだった。

演奏陣が楽器を置いた中盤は「サマ体操」。主役のYURAサマは舞台上に不在ながら、メンバーも観客たちも一緒になってダンスに参加。軽めのエクササイズと思いきや、曲が進むにつれて踊りが難しくなっていく構成も彼らしい展開だ。そして、YURAサマの「キンコンカンコーン」という歌から「Opening bell」へ。途中、歌詞を忘れ、ハミングからの替え歌で誤魔化したYURAサマに客席も笑顔だ。






続く「セ/カイ」は最新シングル「I need」収録曲。千葉繁のナレーションを合図に、組曲のような展開を描きながら突き進んでゆく。行進するように力強く足踏みし、ときに哀愁に浸るなど、物語の主人公に成りきりながら、短い舞台劇を演じるようなYURAサマの表現力が楽曲の持つ世界観をブーストさせた。さらに、「Let’s Go!」ではダンサーと一緒にその場を駆け抜け、MCでこう語った。

「明るい未来をみんなで作っていく。それをあえて言葉にして伝えていくのが大事。世の中、上手いかないことが多いのは誰もが知ってるし、経験してきた。でも、誰にも同じように未来がやってくる。ただし、明るい未来は、ただ待っていても来ることはない。自分で作るからこそ明るい未来はやってくる。明るい未来を想像するのが苦手な人は、僕に触れてください」──YURAサマ


みんなで明るい未来を作りたいという願い。その明るい未来計画を実行するように届けられたのが、雄大なサウンドが秀逸な「Life is beautiful」だ。自身の人生観を真っ直ぐに投影した同楽曲は、自分の心へ語りかけるように歌われた。「みんなで未来を作るんですよ」という言葉が、聴く者の心に輝きと潤いを与えるようだった。

クライマックスは、ダンサーたちと力強く飛び跳ねながら力いっぱい歌った「I need」。フロアが高く手を掲げ、その場で大きく膝を屈伸するなど、制限こそありながらも精一杯はしゃぐ姿が印象的だ。ラストナンバーは「あおぞらのわ」。会場も配信画面を観ている人たちも、全員が心の手を繋ぐような光景が広がるようなエンディングとなった。全15曲の<YURAサマバースデーライブ2021「I need」>は、徹頭徹尾ポジティヴな空気を運んで、明るい未来を染め上げてくれた。


■<YURAサマ バースデーライブ2021「I need」>9月12日(日)@東京・赤羽ReNY alphaセットリスト

01. My Destiny
02. 皐月の雨
03. まさか逆さま
04. 初恋のヒト
05. Tsutae Ai-Ai
06. CODE010-004
07. ヒヨドリ
08. 春の歌
09. サマ体操
10. Opening bell
11. セ/カイ
12. Let’s Go!
13. Life is beautiful
14. I need
15. あおぞらのわ」

出演:YURAサマ
▼サポートアーティスト
G:加藤透
B:進藤渉
Dr:村田一弘
ダンサー:高橋のりひこ&森野憲一

▼ツイキャス配信チケット「I need」音源データ付き
※音源データは高音質wav版3曲+ジャケットデータが付属
※アーカイブでライブが視聴可能
¥4,200
https://twitcasting.tv/yurasamatakeshi/shopcart/91556
(問)アットワークスプロジェクト at.info@at-works-project.com


■マキシシングル「I need」

2021年8月21日(土) デジタルリリース
https://linkco.re/z3UV3FhR
販売方法:各ストリーミングサービス/LIVE配信チケット付Ver./受注生産ディスク版(※販売終了)
▼収録曲
1. I need
 G, programming, arrange:MASATO (UCHUSENTAI:NOIZ)
2. セ/カイ
 G:情次2号 (ハイダンシークドロシー)
 B:ジン (ハイダンシークドロシー)
 NA:千葉繁
3. 春の歌
 G:加藤透
 B:進藤渉
All song, words, Drums:YURAサマ




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