【インタビュー】JIRO、「GLAYは逃げない」

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■「みんなが好きな感じのGLAY」になったと思います

──収録曲の中には、非常に古い曲もあると聞いてます。90年代の、未発表曲と言いますか。

JIRO:古い曲は…「FRIED GREEN TOMATOES」とかは古いです。たぶん90年代の頃から、バンドでアレンジしたものはありました。「桜めぐり」も、かなり前からあったと思います。僕は(デモに)参加していないので、聴いたことのない曲でしたけど。

──「FRIED GREEN TOMATOES」の初期バージョンは、どんな感じだったのか、覚えていますか。

JIRO:これは、そんなに変わっていないです。イントロの感じとかも、あのまんまなんですよ。ベースのフレーズも青臭い感じがいいなと思って、あえて一緒にしてみました。

──なぜ、当時リリースされなかったんでしょうね。こんなにいい曲が。

JIRO:TAKUROが言ってたんですけど、これは冗談なのか何なのか、真相を確かめてはいないですけど、当時のレコード会社と事務所が「サビが弱い」と言ったという(笑)。でも、そうかもしれないですよね、90年代ということで言うと。あそこのサビだけ世の中にバン!と聴かせたいという意味で言うと、当時の90年代にしてみたら、弱かったのかもしれないですね。すごく穏やかな感じなので。


──そこはとても興味深いですね。時代の流れというか、好みの変化として。今聴くと、しっくりハマっていると思うんですけど。

JIRO:うん、そうですよね。この曲、僕が聴いてても落ち着きますもん。「ああ、これがGLAYだよな」という感じの曲。たぶん誰が聴いても、どの角度から見ても、GLAYでしかない。あと「Hypersonic」の原曲も、確か、90年代の後期にあった曲を解体したものだと思います。メロディは一緒なんですけど、若干アレンジが変わったかなという感じです。「Winter Moon Winter Stars」も、僕は聴いたことがなかったですけど、これもけっこう前の曲だと聞いてます。

──そのへんの事情は、TAKUROさんはみんなに説明しないんですか。

JIRO:全然ないです。だから僕も、どこかから漏れてきた話として知っているだけなので、もしかしたら間違っているかもしれない(笑)。

──「Hypersonic」は、すごく気になるんですけどね。何と言うか、変な歌詞ですよね(笑)。

JIRO:僕も仮歌詞だと思ってました(笑)。少し前に「SHINING MAN」という、ちょっとふざけた曲が出てますけど、多分あの流れだったんだと思います。やっぱりコロナの中で、日本全体がどよーんとしているところに、ロックンロールの馬鹿馬鹿しさみたいな、そういうものをぶち込みたかったんだと思いますね。

──歌詞のことは、TAKUROさんに聞いたりします?

JIRO:いや、僕は歌詞で音楽を聴かないタイプなので聞かないですし、特に深くは考えたことはないです。ライブの選曲をする時も、歌詞のことは一切考えないんです。BPMとか、この流れの中でこの曲が来たらいいなとか、ある意味DJ感覚で曲を決めちゃうんで。その曲の今まで見てきた観客のテンションとか、ライブのアンケートとか、そういったものの実績から曲順を作っていくので、歌詞の流れでセットリストは考えないです。そういったことが得意な人が、「ここは歌詞的にこうだから、順番を変えたい」と言ったら、「なるほど、じゃあ変えよう」ということになったりはしますけど。


──アルバムの中でJIROさんが積極的にコミットしたというか、お気に入り曲というのは、どれだったりします?

JIRO:個人的には、「Tiny Soldier」とか、好きですね。キックの四つ打ちのリズムしかないので、その中でどうベースをアプローチしようかな?と思うまでもなく、勝手にフレーズが出てきました。たぶん、この楽曲を好きだというあまり、気持ちが前のめりになったんだと思います(笑)。四つ打ちのキックと、ギターのアルペジオと、ボーカルのメロディの隙間を縫うような、うまいベースを弾けたなと思いますね。曲自体はおとなしくて、派手さはないと思うので、たぶん楽器のことをあまり知らない人は、ただの地味な曲と思うかもしれないですけど(笑)。ベース的には、かなりお気に入りです。

──「Tiny Soldier」は、音響的に、すごく気持ちいい曲です。

JIRO:「BAD APPLE」も、音響的に気持ちいいですね。あれは本当に、生ドラムからバンドサウンドを作っていったら絶対に生まれなかった曲だと思います。あと「BETTY BLUE」に関しては、これは一から亀田さんがアレンジで入ってくれたので、今までのGLAYのリズムに対してのアプローチとちょっと違う曲になっていますね。ちょっと前のライブから披露しているんですけど、演奏していてめちゃくちゃ楽しい曲です。

──ちょっとファンキーというか、ハネる感じのリズムですよね。

JIRO:そう。僕はやっぱりエイトビートで構築していく人間なので自分の中にハネたニュアンスというものがないんです。だから、そういったリズム的なアプローチを提案してくれるのは本当にありがたいですね。

──「祝祭」にもハネたようなリズムのニュアンスがあるんじゃないですか。

JIRO:「祝祭」に関しては、僕が一から作っていったフレーズなので、自分の中では全然ベクトルが違うんですけどね。

──「祝祭」、本当にいい曲です。アルバムタイトルの『FREEDOM ONLY』という歌詞もここから取られているし、アルバムのタイトル曲らしい。流れで言うと、そこで一回アルバムが終わって、「桜めぐり」がアンコールのような、そんな感じがします。「桜めぐり」は最初から、アコースティックギターとTERUさんの歌だけという、こんなにシンプルな形だったんですか。

JIRO:これはたぶん、そのままじゃないですか。確か、そのはずです。



──ああ、そうか。なるほど。すごく余韻のある、いいエンディングになっていると思います。結果的に『FREEDOM ONLY』は、TAKUROさんが最初にとにかく「いい曲」を集めたアルバムを出したいと言った、そんな作品になったとJIROさんも思いますか。

JIRO:そう思います。本当に『BELOVED』のアルバムに近いなという感じで、全体的にミディアム系が多いんですけど、たまに派手な曲もあったりして、「FRIED GREEN TOMATOES」とかは、90年代のGLAYっぽい感じの匂いがしますし、本当に「みんなが好きな感じのGLAY」になったと思います。

──そして、次のツアーも近づいてきました。セットリストは、アルバム中心で行きますか。

JIRO:そうですね。

──ライブで特に楽しみな曲は?

JIRO:楽しみというか、「永遠を名乗る一秒」は、フレットレスっぽい感じで弾いたので、僕の今までのベーススタイルとはちょっと違うアプローチの仕方なので、かなりナーバスになりそうな1曲ではあります(笑)。でも曲調が、冬っぽくてひんやりしている曲なので、そのぐらいのテンションでいいのかなと思いますけど。


──ライブで聴きたい曲ばかりです。最後に、ファンに向けて、ツアーへのお誘いの言葉をもらえますか。

JIRO:まあ、とにかく無事に開催されてくれることを願うまでなんですけど、仮に何かが起きても、それが自分たちの運命だと思って受け入れたいと思います。みんなもストレスをためずに、今の状況を冷静に判断して、また普段通りに騒げる日が来るのを願ってアルバムを聴いて待ちましょう、という感じですね。GLAYは逃げないので。

──いい言葉ですね。GLAYは逃げない。

JIRO:今はコロナによって、レコーディング、プロモーション、ライブという三つの軸だけだった活動が、そうではないところにも可能性を見つけ出せてきているので。それは僕らだけではなく、いろんなエンターテイメントの世界がそうなってきていると思うので、それは本当に明るいニュースだと思うんですよ。それらをうまいことミックスしながら、これからの時代にちゃんと寄り添って、なおかつファンの人たちが喜んでくれるものを自分たちなりに探していく、いいきっかけにはなったんじゃないかな。これはある意味、チャンスな部分もあると思っています。

取材・文◎宮本英夫
写真◎田中和子

16th Album『FREEDOM ONLY』

2021年10月6日(水)発売
■CD+DVD/PCCN-00047/5,500円(税込)
■CD Only/PCCN-00048/3,300円(税込)
■G-DIRECT限定盤/LSGC-0008/23,100円(税込)
[CD収録曲 ※以下全形態共通]
1. BETTY BLUE
2. Hypersonic
3. Winter Moon Winter Stars
4. FRIED GREEN TOMATOES
5. 永遠を名乗る一秒
6. 漂えど沈まず
7. BAD APPLE
8. Tiny Soldier
9. Holy Knight
10. 青春は残酷だ
11. 祝祭
12. 桜めぐり

[DVD収録内容]
・GLAY野外無観客ライブ Vol.2
・GLAY「FREEDOM TALK」後編
・祝祭 Music Video
・Making of 祝祭
・BAD APPLE Album ver. Music Video
・Making of BAD APPLE

[G-DIRECT限定盤(2CD+2Blu-ray+グッズ)]
初回限定生産豪華BOX仕様
価格:23,100円(税込) / 品番:LSGC-0008
封入アイテム:
・ブックレット(全66ページ:230mm×230mm)
・オリジナルコンパクトミラー
・アクリルスタンド

[CD DISC 2]収録内容
・GLAY REMIX DJ Mass MAD Izm* WORKS

1.夏音 Skate Sonic EXP* Remix
2.Little Lovebirds [TERU:VIVID] Re-Work
3.カナリヤ HKDT Laidback Remix
4.疾走れ!ミライ HW Laidback Remix
5.流星のHowl Piano Beat Remix
6.Surf Rider Non-Fiction HSMS Remix
7.彼女はゾンビ HSMS 80/90 Remix
8.Synchronicity Cyberpunked Remix
9.ALL STANDARD IS YOU DJ Mass MAD Izm* Remix
10.シキナ ViViD Neon* Remix
BONUS TRACK
GLAY-Remixes "Phase ONE" DJ Mix by DJ Mass MAD Izm*

[Blu-ray DISC 1]収録内容
・「THE ENTERTAINMENT STRIKES BACK 魁☆照男達」
・「THE ENTERTAINMENT STRIKES BACK RESONANCE vol.3」
・「THE ENTERTAINMENT STRIKES BACK LIFETIME MUSIC」※アンコールも収録

[Blu-ray DISC 2] 収録内容
・「THE ENTERTAINMENT STRIKES BACK LIVE at HOME Vol.6」※アンコールも収録
・GLAY野外無観客ライブ Vol.2
・GLAY「FREEDOM TALK」完全版
・祝祭 Music Video
・祝祭 Album ver. Music Video
・Making of 祝祭
・BAD APPLE Album ver. Music Video
・Making of BAD APPLE

[初回生産限定封入特典]
≪BAD APPLE×FREEDOM ONLYキャンペーン≫応募券B

【ショップ別先着予約購入特典】
・G-DIRECT:『FREEDOM ONLY』リーフレット
・Loppi・HMV:リボンバンド(4種のうちランダムで1種)
 ※全国のローソン・ミニストップLoppi端末、HMV(HMV&BOOKS online含む、一部店舗除く)
・タワーレコード:ジャケット缶バッチ
・TSUTAYA RECORDS:オリジナルフラットポーチ
・Amazon.co.jp:メガジャケ(24cm×24cm)
・楽天ブックス:ミニジャケット付レコード型コースター
 楽天ブックスファミリーマート受け取り限定特典:アクリルコースター
・セブンネットショッピング:モバイルスタンドキーホルダー
・上記以外の全国CDショップ:FREEDOMノート

※各ショップとも先着予約購入特典は数に限りがございます。
また店舗により特典の対応がない場合がございますので、ご確認の上での予約購入をお勧めいたします。

<GLAY ARENA TOUR 2021 “FREEDOM ONLY” 前夜祭 〜BAD APPLES(ふぞろいの林檎たち)〜>

2021年
10月25日(月)東京・Zepp DiverCity(TOKYO)
10月26日(火)東京・Zepp DiverCity(TOKYO)

開場 / 開演:18:00 / 19:00 ※21:00終演予定

チケット代金:1F&2F指定席 8,800円(消費税込)
※未就学児入場不可
※当日入場時ドリンク代別途(600円)必要

申込制限&枚数制限:
8月18日(水)リリース「BAD APPLE」シングルCDに封入される、案内チラシ記載のシリアル番号をご用意の上、専用お申し込みサイトにてお申込み下さい。1シリアル番号につき、どちらか1公演のみ2枚まで、第2希望までエントリー可能です。詳細は、案内チラシをご確認ください。

本公演は、政府や各自治体の要請に基づき、新型コロナウイルスの感染防止対策を徹底しガイドラインに沿って実施いたします。
※収容定員数は、イベントの開催制限等の見解に基き、会場と協議した上で、収容率の50%以内(座席は市松模様状の座席配置、動員数530名)にて販売させていただきます。今後、感染状況に改善が見られ、追加販売が可能になった場合は、別途、ローソンチケットにて先行予約販売を実施する可能性があります。
※今後方針に変更が生じ、イベント収容人数制限要請が収容人数の50%よりさらに縮小される場合には、興行・運営上の観点から再検討を行ない、本公演を中止とさせていただき、チケット代金は払い戻しさせていただく場合もございます。
※開場・開演時間が、急遽変更となる場合がございます。
※いずれの場合も、変更が生じる場合は、オフィシャルサイト等で告知いたします。何卒ご理解賜りますようお願いいたします。

<GLAY ARENA TOUR 2021 “FREEDOM ONLY”>

2021年
11月5日(金)大阪城ホール
11月6日(土)大阪城ホール
11月20日(土)北海道立総合体育センター 北海きたえーる
11月21日(日)北海道立総合体育センター 北海きたえーる
11月27日(土)マリンメッセ福岡A館
11月28日(日)マリンメッセ福岡A館
12月4日(土)神奈川・横浜アリーナ
12月5日(日)神奈川・横浜アリーナ
12月25日(土)愛知・日本ガイシホール
12月26日(日)愛知・日本ガイシホール

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