【プロミュージシャンのスペシャル楽器が見たい】NEMOPHILA SAKI、ガッツのある音と桜のインレイで“Killerなのにかわいい”7弦のシグネチャーモデル

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ガールズメタルバンドNEMOPHILAで、葉月とともに轟音ギターを響かせているのが“ちゃっきー”ことSAKI。NEMOPHILA以外にも、9月29日に発売したばかりの6thアルバム『Mary's Blood』Mary's Bloodで活動し、その他にも多くのバンドやプロジェクトに参加。テクニカルなギターでメタルファンを魅了しているSAKIは、“女子っぽさ”を取り入れたというKiller Guitars製のシグネチャーモデルをメインで使用中だ。このギターのこと、そしてド派手なルックスのマーシャルアンプやエフェクターについて、SAKIに話を訊いた。


――SAKIさんのメインギターは、KG-Fascinator Seven the Empress。

SAKI:Killer Guitarで私のシグネチャーモデルとして作ってもらったギターで、2~3年前からこれをメインで使っています。以前使っていたのが、同じKiller GuitarsのFascist Viceという、聖飢魔IIのルーク篁さんのモデルをベースにしたシグネチャーモデルだったんですが、これはその7弦バージョンですね。

――このモデルを作ったきっかけは?

SAKI:5年くらい前に、7弦ギターを使った曲をやりたいなと思ったことがあって、そのときにKillerの7弦モデルのプロトタイプをお借りして使ったんです。でもそれは別のモデルがベースになっていて、ストラトっぽいタイプではなかったので、自分が気に入っていたFascist Viceを基にした7弦モデルを作ってもらったんです。


――7弦ギターを使いたくなったのはどうしてですか?

SAKI:音域を広げたかったんです。普通の6弦より低い音も出したかった。そもそもはMary's Bloodをやっていたときの話なんですが、BABYMETALなどに楽曲提供されている、ゆよゆっぺさんという方の曲をやることになって、それが7弦ギターを使う曲だったんです。普通の6弦ギターでダウンチューニングでやってもいいよ、ということだったんですが、そのときにKillerからお借りして7弦を使ってみて、それをきっかけに7弦ギターを導入してみようかなと思うようになって、7弦の曲も作るようになりました。



――このモデルを作るにあたってこだわったところは?

SAKI:ボディの材質や全体的な使い勝手ですね。ボディは音が好きなアルダーにして、全体のサイズや基本的なスペックは以前使っていた6弦のモデルとあまり変わらないようにしようと。あとはネック。私は手が小さいので、握りやすいように少し細めのネックにしてもらっています。6弦ギターに比べればそれなりに太さはあるんですが、普通の7弦ギターよりは細くなっています。それとピックアップも。

――どんなピックアップにしたんですか?

SAKI:以前のモデルはアクティブのEMGだったんですが、これはパッシブにしました。セイモアダンカンのインベーダーという、普通にダンカンらしいピックアップです。歪みも均等な感じで、標準的で使いやすい音ですね。最初は別のピックアップだったんですけど、EMGのほうのギターもまだ使っているので、それと音量差が出ないようにパワーのあるインベーダーがいいんじゃないか、とKillerの方からお話があったので載せ替えました。でも気が変わってアクティブに戻したくなるかもしれないので、すぐ載せ替えられるように、ボディはザグってありますし、裏側にもアクティブにしたときに使うバッテリーのスペースが作ってあります。Killerの方が最初からそうしておいてくれたんです。私は気分ですぐ色々言うから(笑)。



――パッシブのほうが音が好きなんですか?

SAKI:とくにそういうわけではなくて、メタルとかハードロックをやるにはEMGのアクティブの音も大好きです。でもパッシブとはニュアンスがちょっと違いますよね。最近色々な方とセッションすることがあるんですが、ギタリストの是方博邦さんとのセッションのときに、アクティブだと是方さんのギターとはキャラクターがあまりにも違いすぎるなと感じたんです。パッシブなら、ブルースっぽい音作りをするような現場でもなじみが良くて使いやすいだろうと思いました。それと、NEMOPHILAでは葉月ちゃんもパッシブのギターを使っているので、私もこのバンドではパッシブを使うことにしています。

――ピックアップのセレクトはどのように?

SAKI:セレクターは3ポジションですが、どれも使いますね。丸い音が良ければフロントにするし、ジャキジャキさせたければセンター。とくにこの曲はこれ、と決めているわけではなくて、気分で変えたりもしますし、ライブハウスとか場所によって鳴り方が違うので、そのときの鳴りが一番良くなるように選んでいます。甘い感じの音になるフロントでのリードトーンも好きだし、すごく締まった低音が良く出るので、ザクザクした感じのリアのリフもいい音だと思っています。


――ボリュームのつまみの下のスイッチは?

SAKI:これはダイレクトスイッチです。オンにするとボリューム回路をバイパスしてダイレクトで出力するので、フルテンで出力できるんです。ボリュームのほうを0にしておけば、ダイレクトスイッチをオフにするだけで、フルテンから急に音を切れる。だからライブのときに、キルスイッチみたいな感じで使っています。

――ブラックにラメの入ったボディカラーも特徴的ですね。

SAKI:ギャラクシーブラックという色で、ゴールドのラメが入ったキラキラした黒です。イメージとしては“錦”ですね。そこに桜のインレイを入れてもらいました。このインレイ、市販モデルはもっと白くて桜が目立つ感じになっていますが、これはそれよりもう少し落ち着いた色の桜です。その色の違い以外は市販モデルと同じです。


――そのほかに特徴的なところは?

SAKI:これはKiller Guitarsの特徴なんですが、ネックのジョイントがセミ・ディープインサートといって、ネックとボディの接続面積が広くなっていて、4本のネジでがっちり留まっているので、音の伸びが良いんです。ジョイント部分はヒールカットもされているので、ハイポジションも弾きやすいです。それと、これもKillerの特徴だと思いますが、ケーブルを挿すジャックが上向きについています。ケーブルが上に向いて出るので、ストラップピンのところにかけやすくなっています。ピンも少し上のほうについていてちょっと変わった感じですけど、もうこれに慣れちゃったので、普通のギターだと“どこに挿すんだっけ?”みたいになっちゃいます(笑)。



――アームはフロイドローズ。

SAKI:ずっとフロイドローズを使っています。Killerのギターはアームアップができないようになっているんですが、アップはあまり使わないので困ったことはないです。そのかわりに弦が切れてもチューニングが狂わないのが良いところですね。だからライブのときには安心感があります。弦のことで言うと、私は弦の交換が苦手なので、回すだけで弦をロックできるペグにしてもらいました。こう、引っ張りながら弦を張ったりとか、もうホントにそういうのが苦手なので、可能な限り弦は交換したくないんです(笑)。私は10代のころからKiller Guitarsを使わせていただいていて、弦くらいのことでも困ったらすぐ持って行って色々お願いしてきたので、そんなことも苦手なままでここまで来ちゃいました(笑)。



――ギターの重さはどうですか?

SAKI:そんなに重くないんです。前に使っていた6弦のギターはオールメイプルで、重くてホントにつらかったんです。でもこれにしてからは、重さが気になることはなくなりました。

――他のギターとはどう使い分けていますか?

SAKI:使う音域によっては、別のギターを使うこともあります。でもNEMOPHILAは基本的に7弦のリフがメインになっているので、もうほとんどこのギターだけですね。これの前にもう1本作ってもらった同じギターもあるんですが、音のキャラクターがかなり違うんです。こっちはギュッと締まった感じの音がするんですけど、もう1本はコードの広がり感のある音なので、日によってこの2本を使い分けることはありますね。


――このギターにしてから、音作りなどで変わったことは?

SAKI:音の作り方は変わりました。アンプはいつもマーシャルのJVMを使っているんですけど、ノイズがけっこう出るんです。ピックアップがアクティブだったときはあまり気にならなかったんですが、パッシブにしてからノイズが目立つようになってしまったので、歪みの量を細かく調整するようになりました。あと、演奏のニュアンスもちょっと変わったと思います。ネックが6弦より少し太くなるので、6弦みたいに親指を前に出して握りこんだりできないんです。だから、7弦を使わない場合でもコードの押さえ方がクラシックフォームに近い形になります。6弦だと握りこんでつい手クセで弾いたりすることもあったんですが、7弦だとそれができない。だからソロのフレージングやリフが少し変わったところもあったと思います。


――6弦ギターから持ち替えて、すぐに7弦に対応できましたか?

SAKI:そんなに違和感なく対応できました。あまり苦労しなかったと思います。先輩のギタリストで8弦とか9弦のギターを持っている方がいて、それを持たせてもらったことがあるんですが、そのときは“これは違うな”と思いました。ネックもかなり太くなるし、弾き方も変わってしまうのでまるで別物だと思いました。でも、7弦だとそんなに違いは感じなかったですね。


――このギターのとくに気に入っているところは?

SAKI:Killerなのにかわいいところ(笑)。Killerのギターって、ガッツのある音がする。そういうところがすごく好きなんです。でも私のギターとしてはそれだけではなく、“女子っぽさ”も絶対に必要だと思っているんです。だから花柄を入れてもらったんですけど、それがすごくかわいいし、握りやすさとかサイズとか、自分のわがままを全部取り入れてもらいました。だからとても気に入っています。音については、どのレンジもきれいに出てくれて使いやすいです。是方さんとセッションして色々なジャンルの曲をやったときも、歪みを弱めにしてブルースっぽい枯れた感じも出せましたし、これ1本で色々できる。そういうところも満足しています。


――アンプはマーシャルですが、派手なルックスでカッコいいですね。

SAKI:マーシャルのJVM410です。もうずっとJVMを使っています。もともとチャンネルが4つあるJVMが欲しいと思っていたんですけど、楽器フェアでこの派手なのを見かけたので、すぐに手に入れました。派手なペイントが特徴のTattooというシリーズなんですが、代理店さんも派手すぎてだれも買わないだろうと思ったらしく、そのときは日本には1台しかなかったそうです(笑)。


――4つのチャンネルの使い分けは?

SAKI:私は色々なプロジェクトで様々なライブに行くので、音色を4つ作っておけるのがとても便利です。4つのチャンネルそれぞれで、グリーン、オレンジ、レッドとゲインの違うモードが3つ使えるので、ホントに色々な組み合わせができるんです。たとえば、バッキングならOD2チャンネルのオレンジかレッド、ソロならOD1のオレンジでエフェクターで歪みを足す、みたいに使っています。実は、高崎晃さんがそういうチャンネルの使い方をされていたので、参考にさせていただいているんです。Killer Guitarsといえば高崎さんですから、高崎さんのやり方が合うのかなと思って(笑)。でも、同じような音を出そうというつもりではなくて、自分の好きな音を好きに作っています。

――エフェクターはFractalのAXE FX3。アンプも入っているモデルですね。SAKI:モデリングアンプとエフェクターが入っていますが、ライブのときはJVMのセンド/リターンを使ってここに送って、エフェクターだけを使っています。JVMを持ち込めない場所に行く場合は、このモデリングアンプを使うこともあります。



――どんなエフェクターをよく使いますか?

SAKI:場所や演奏する曲によって色々ですが、ライブのときはここでオーバードライブを使って歪ませることが多いです。フランジャーとかコーラスといった空間系もときどき使います。すべて5150とかJVMといった感じでバンクに設定してあって、曲によってフットスイッチで切り替えて使っています。スイッチボードのほうにはペダルもありますが、これはほとんどワウペダルとして使っています。ボリュームにはギターのダイレクトスイッチを使いますから。

――このエフェクターの気に入っているところは?

SAKI:これだけを持っていけば、どこでも同じ音で演奏できることですね。レコーディングでもライブでも同じエフェクトを使えるし、どこでもまったく同じセッティングで同じように演奏できます。もともとはAXE FX2を使っていたんですが、それはトラブルに強そうだと思ったので導入したんです。コンパクトエフェクターをたくさん並べていると、トラブルがあったときに、どのエフェクターのトラブルなのか、パッチケーブルのトラブルなのか、原因がよくわからなくて困ることもあると思うんです。それがすごくストレスになると思ったので、ライブで導入することにしたんです。それ以来、コンパクトエフェクターはほとんど使っていないですね。


――ギターが2本あってボーカルの声質もユニーク、そんなNEMOPHILAでの音作りで意識していることは?

SAKI:よく考えるのは、もう一人のギターの葉月ちゃんと音がうまく馴染むかどうかですね。mayuちゃんのボーカルも、シャウトしたりクリーンな声だったり色々変化するので、それにもぶつからないようにしつつ、ガッツのある音にしようと考えています。以前、周波数帯を計測する機械を試させてもらったことがあるんです。葉月ちゃんと二人でアンプを持ち込んでギターの音の周波数を計測して、ベースはこの辺の帯域だからギターはもう少し下げられるとか、もうちょっと上げようとか。そういうことも考えながら音作りしていますね。葉月ちゃんとの関係でいうと、葉月ちゃんのほうが若干ハイが出る音作りになっているので、私はちょっとそれより下を出すようなイメージですね。ただ、今は葉月ちゃんのギターと馴染むような音を作っていますが、もっと明確にキャラクターの違う音にしよう、ということになるかもしれません。そうなったら、ピックアップをアクティブに戻す可能性もありますね。すぐに戻せるようになっていますから(笑)。

――次にギターを入手するとしたら、どんなギターが欲しいですか?

SAKI:普通のシングルコイルのピックアップで、トーンがついているギターかな。今使っているKillerのギターはトーンがないんです。だから、そういうのが1本あれば、色々と幅を広げられるんじゃないかな、と思います。

――では最後に、SAKIさんがギターを選ぶときに重視していることは?

SAKI:弾きやすさは重要ですね。とくにネックを握りこんで弾きやすいこと。私は指は長いほうですが手の平は小さいので、握りこんでコードを押さえるのは6弦でも少し難しいことがあるんです。だから、握りやすさは気にしていますね。音については、幅広い音色が出せること。レコーディングでは色々な音を出すために、アクティブのシングルコイルのギターを使ったり、ランダムスターをお借りして使ったりと、曲によって使い分けているんです。だからもし1本選ぶなら、それだけで幅広い音色が出せることは重要だと思います。


▲NEMOPHILA(写真左より:葉月(Gt.)、むらたたむ(Dr.)、ハラグチサン(Ba.)、mayu (Vo)、SAKI(Gt.))

取材・文●田澤仁

ライブ・イベント情報

NEMOPHILA有観客ワンマンライブ開催決定
『REVIVE ~It’s sooooo nice to fnally meet you!!!!!~』
【開催日時】2022年1月9日(日) 17:00開場 / 18:00開演
【会場】LINE CUBE SHIBUYA (渋谷公会堂)
【チケット】 指定席5,000円(税込)
<公演概要>
※未就学児童入場不可
※お一人様4枚まで
★オフィシャル先行(ローソン先着受け)★
<受付期間> 2021年10月17日(日)19:30~10月31日(日)23:59
<販売URL> https://l-tike.com/nemophila/
※予定枚数に達し次第、販売を終了致します
※先行販売で完売した場合、一般発売はございません
※生配信も実施を予定していますが詳細は後日発表
企画/制作:MASTERWORKS/inLYNK/DISK GARAGE
公演に関するお問合せ:DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12:00~15:00)

リリース情報

NEMOPHILA 1st Album『REVIVE』
発売日:2021年12月15日(水)
「初回限定盤」 CD+DVD
価格:5,500円(税込)
品番:DDCZ-9073
「通常盤」 CD
価格:3,300円(税込)
品番:DDCZ-2285
■初回限定盤
1.REVIVE
2.DISSENSION
3.鬼灯
4.HYPNOSIS
5.GAME OVER
6.Life REVIVE Ver.
7.SORAI
8.Rollin'Rollin'
9.Change the world
10.雷霆 -RAITEI-
11.OIRAN REVIVE Ver.
[DVD全5曲LIVE映像収録予定]
1.OIRAN
2.雷霆 -RAITEI-
3.SORAI
4.Life
5.DISSENSION
■通常盤
1.REVIVE
2.DISSENSION
3.鬼灯
4.HYPNOSIS
5.GAME OVER
6.Life REVIVE Ver.
7.SORAI
8.Rollin'Rollin'
9.Change the world
10.雷霆 -RAITEI-
11.OIRAN REVIVE Ver.
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