【インタビュー連載 Vol.2】HYDE、「なにせ<黑ミサ>で<ハロウィン>ですからね」

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ソロ活動20周年のアニバーサリーツアーとして大団円を迎えた<20th Orchestra Tour HYDE ROENTGEN 2021>の余韻も醒めやらぬまま、L'Arc-en-Cielの30周年が本格始動。現在、ツアー<30th L'Anniversary TOUR>の真っただ中にいるHYDEだが、10月30日(土)および31日(日)には千葉・幕張メッセ国際展示場9~11ホールにて、<黑ミサ>の第一弾<20th Orchestra Concert HYDE 黑ミサ 2021 Halloween>も控えているなど、ソロにバンドにと、その多忙ぶりはますます極まるばかり。

◆HYDE 画像

オーケストラツアー<20th Orchestra Tour HYDE ROENTGEN 2021>、平安神宮での<20th Orchestra Concert 2021 HYDE HEIANJINGU>について語ってもらった3ヵ月連続インタビューの初回に続き、第二回目となる今月は、そうした多忙の合間を縫って制作されているソロアルバム『ROENTGEN 2 (仮)』や最新シングル「NOSTALGIC」にフォーカスしつつ、前回「これが最後のハロウィンになるかも」との問題発言も飛び出して話題となった<黑ミサ 2021 Halloween>の詳細についてお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■20年前の『ROENTGEN』を今の僕が聴いて
■ときめく状態に作るとしたら

──L'Arc-en-Cielのツアー<30th L'Anniversary TOUR>もスタートし、ソロにバンドにとますます活動の勢いが加速しているHYDEさんですが。

HYDE:いや、ホントに。ノせられてますね(笑)。

──ノせられてるのではなく、ノってるんです。たまに思い出しますもん、去年6月頃にライヴ映像作品『HYDE LIVE 2019 ANTI FINAL』のインタビューをさせていただいたときのHYDEさんときたら、モチベーションがだだ下がりで。「何もやる気がおきない」ぐらいのことをおっしゃってましたから。

HYDE:ははははは!

──それが今や、この多忙ぶり。ご自身は1年前を振り返ってどう思っていらっしゃるんでしょうか。

HYDE:あのときは、ここからもっとアメリカに攻め込んでいこうと思ってた勢いが、コロナ禍でパッとなくなっちゃったので。あと、世の中のムードにも嫌気が差していたんですよね。新型コロナウイルスっていう正体のよくわからないもののせいで、他人同士がそれぞれに思っていることをSNSとかで刺々しく言い合ってる感じが耐えられなかった。今はだいぶいい意味でみんなも慣れてきて、そういうトゲトゲしたものからの防御方法もわかってきた。そうすると、じゃあ、ここからどう生きていくかっていうことに気持ちが向かっていくじゃないですか。



──止まったままではいられないですよね。何ができるか、どうやったらやれるかを模索するし。

HYDE:そうなったときにやっと自分のスキルアップのためにこの時間を有意義に使おうって思えるようになってきて。『ROENTGEN 2 (仮)』を作り始めたことも今をより楽しく感じられるようになってきた要因かもしれないですね。メロディを作るっていうのは悪くないですよ、今の自分にとってはハードロックを作るより楽しいかもしれない。ただ、ラルクも同時進行しているので、時間とか物理的にはかなりヘヴィではありますけど。

──たしかに、ここまでソロとバンドが交互にぎっしりとは。

HYDE:ちょっとやり過ぎじゃないかなって、自分でも思いますよ(笑)。ライヴの本数自体がもっと多いときはざらにありましたけど、ラルクとソロの両方となると、また全然違いますから。

──ソロ活動20周年とバンド結成30周年が重なっているのが大きいですよね。

HYDE:そうなんですよ。ソロ始めるの、1年ずらせばよかったな(笑)。

──長い音楽人生、乗り切るコツとかありませんか。

HYDE:……なるようになる(笑)。

──達観するしかない、と(笑)。

HYDE:それしかないです。今は何をやるべきなのか、そのときそのときでスケジュールを見てチェックしながら、優先すべきものから手をつけてやっていくっていう。ツアーやコンサートの合間には楽曲制作も入ってくるから、もう恐ろしいですけど(笑)。


──ちなみに『ROENTGEN 2 (仮)』の進捗はいかがですか。

HYDE:<20th Orchestra Tour HYDE ROENTGEN 2021>で演奏してきた新曲から順番にレコーディングを始めたぐらいの段階ですね。

──<ROENTGENツアー>で披露された新曲は、その「FINAL PIECE」と「SMILING」「THE ABYSS」でしたよね。最新リリース曲「NOSTALGIC」(6月25日配信リリース/本日10月6日CDリリース)を加えると今のところ4曲聴かせていただいたことになりますが、かなり音楽性の幅が広い印象があります。

HYDE:まだ全然曲は揃っていないので、全体像がどうなっていくのかはこれからですけど、現状、僕が思っていたよりも壮大になってるなとは感じていますね。今回、シングルCDリリースする「NOSTALGIC」がいちばん壮大な曲になるかと思ってたら、結構、他の曲もそうなってきていて(笑)。ただ、コンサートではオーケストラアレンジにしていたけど、実際の音源はもう少し落ち着いた雰囲気になる可能性はありますね、今後のアレンジとして。“20年前の『ROENTGEN』を今の僕が聴いてときめく状態に作るとしたら”、というのが基本的な路線なので、もう少し大人っぽくなるんじゃないかなと思います。

──ものすごく楽しみです。<ROENTGENツアー>によって創作意欲が刺激されたりとか、そういうことはありましたか。

HYDE:いや、それはないですね(笑)。もう歌うだけで手一杯でした。

──では、今回のツアーで『ROENTGEN』というアルバムの楽曲を全曲、初めてライヴで演奏したことで、この作品に対する見方や印象が変わったり、新たな発見をしたりなどは?

HYDE:20年前に、しかもほぼほぼ自分ひとりで作ったにしてはよくできてるなと思いましたね。よくこんなことを考えられたなとか……当時も充分、大人でしたけど、それまではバンドのスペシャリストたちが周りにいたわけで。そういう人たちがいない状態で、よくぞこれだけの楽曲を作ったなって。しかも1年で。

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