ティアーズ・フォー・フィアーズのR・オーザバル、妻の病、死を乗り越えるため音楽を制作

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Photo by Frank Ockenfels

ティアーズ・フォー・フィアーズは先週、2022年2月に17年ぶりとなるスタジオ・アルバム『The Tipping Point』をリリースすると発表したが、これは、妻の介護と死を経験したローランド・オーザバルが、その苦しみから逃れるために、音楽を制作し始めたのがきっかけで誕生したのだという。

オーザバルは、10代の頃から一緒だったという妻キャロラインさんを2017年夏に喪った。彼女は更年期を迎え精神状態が不安定となり、飲酒を避けねばならない薬を服用していたにもかかわらず、飲酒を続け、身体を壊した上、認知症を発症したという。オーザバルは英国の新聞『The Guardian』のインタビューで、「(彼女が飲酒を止めなかったのは)僕にも責任がある。僕も飲むからね。知らなかったんだ。アルコールは男性より女性のほうがはるかに危険を伴うってことを。キャロラインは、僕と同じくらい飲んでた。アルコールは置いておくべきではなかった。僕の無知と愚かさのせいだ」

オーザバルは彼女が亡くなる前の5年間、介護をしていたという。この時期から、「ひっきりなしの病気、機能不全の状態からつかの間でも離れたかった」と、新しい曲を作り始めた。

そして、オーザバルは、長年の最愛のパートナーを喪い「地獄を体験した」と言い、そこから立ち直るきっかけを与えてくれたのが、バンド・メイトのカート・スミスの存在だったという。「もう終わりだって思った。キャロラインが逝ってしまい、(ティアーズ・フォー・フィアーズのコラボレーターだった)Alan Griffithsも亡くなった。それで、カートの存在に思い当たった。そのとき、“彼は大切だ”って思った。当たり前のことなんだけどね。でも突然、“ああそうだ、このパートナーシップは正しい。僕らは素晴らしいことをやってきたじゃないか”って考えたんだ。このストーリーはまだ終わっていない、神様、ありがとう!」



『The Tipping Point』は2月25日リリース。先週、タイトル・ソングのミュージック・ビデオが公開された。

Ako Suzuki
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