【ライブレポ+コメント】LUNA SEA、結成30周年ツアー継続への覚悟と真意「1本1本があまりにも感慨深く尊い」

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結成30周年を記念したツアー<LUNA SEA 30th Anniversary Tour -CROSS THE UNIVERSE->を開催中のLUNA SEAが、仙台サンプラザホール2daysの初日10月2日(土)のステージ上で、グランドファイナルとしてさいたまスーパーアリーナ2daysを2022年1月8日(土)および9日(日)に行うと発表した。

◆LUNA SEA 画像

このツアーは2020年2月に開幕し、本来ならば同年5月に東京ガーデンシアターにてファイナルを迎えているはずだった。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響でツアーは中断。順延を繰り返し、チケットを手にしていたファンにとっては先行きの見通せない不安な状況が続いていた。加えて、2020年12月、年末恒例のさいたまスーパーアリーナ公演では、真矢の新型コロナウイルス感染が当日に判明し、2daysが延期に。真矢の復活後、2021年3月に同会場で振替公演を行い、5月には丸1年の延期を経て東京ガーデンシアター3daysを開催。ファイナルだったはずの公演をプロローグとして、翌6月の福岡公演を皮切りにツアーを再開させている。


7月31日(土)および8月1日(日)の福島・南相馬公演に続き、本ツアーでLUNA SEAが東北を訪れるのは2度目で、仙台でのライヴは3年7ヵ月ぶり。

「この前、南相馬にも行きました。たくさんの痛みを、今も完全には払拭できていないこの場所で……それでも強く生きている皆から、今日は本当に強いパワーをもらっています。どうもありがとう。俺たち5人から、仙台の仲間たちへ、愛を込めて」──RYUICHI

との曲紹介に続き届けたのは、「I for You」。ラブソングとして生まれた美しい代表曲は、10年前の震災で深く傷付いたこの地に捧げる鎮魂歌として会場に響き渡り、心を震えさせた。それは、エンターテインメントやライヴが不要不急とされ、悪者であるかのように扱われてきたコロナ禍の時代に、音楽の持つ大きな力を再認識させ、 “人の心に寄り添う”という重要な役割をまざまざと感じる瞬間だった。


今回のツアーにおいて、ロックショウの在り方における画期的な発明だと思うのは、約20分間の休憩を挟んだ二部構成での魅せ方。2021年3月のさいたまスーパーアリーナ公演から取り入れている形式なのだが、誰かから命じられて応じる対策ではなく、率先して設けているこの換気タイムの存在が、ライヴに更なるメリハリと奥行きを生んでいる。最新アルバム『CROSS』の楽曲群を中心とした第一部と、1990年代から親しまれてきた代表曲がひしめく第二部。セットリストの流れが分断され勢いを削ぐリスクもあったはずなのに、その20分間をLUNA SEAはプラスに転換している。『CROSS』収録の「PHILIA」や「静寂」のパフォーマンスは顕著だが、サイケデリックなプログレッシヴバンドのごとき凄みを感じさせる最新の姿と、「ROSIER」や「TRUE BLUE」といった、抒情的な歌メロと骨太なロックサウンドを高次で融合させた代表曲群で追体験するバンドの長い歴史。30周年のツアーとしていずれも欠かせない二つの柱をしっかりと組み込んだ構成で魅了しつつ、来場者の不安を少しでも低減するようなホスピタリティーも示しているのだ。

検温、消毒、常時マスク着用といった基本的な感染防止対策は当然のように徹底。声援を送ることはもちろん自粛を求め、地域や会場のガイドラインによっては座ったままでの観覧となる公演もあったが、観客はルールを遵守し、実にマナー良く観覧している。ライヴ活動を長期にわたり見合わせているアーティストもいる一方で、LUNA SEAはツアーを実施するという選択をした。その決断が無謀な蛮勇ではないこと、彼らを応援するファンも同じ志を共有し非常に協力的であることは、一度ライヴに足を運べば瞬時に理解できるはずである。メンバーは仙台に限らず今回のツアーのMCで、このような状況下で足を運んでくれた観客に感謝を述べるだけでなく、泣く泣く参加を見合わせたファンにも必ず言及し、“来ない”という決断と勇気をも同時に拍手を送り、讃えている。


アンコールで披露した「Make a vow」は、2020年4月に一度目の緊急事態宣言が発令された直後、ファンへ向けていち早く配信で届けたエールのようなナンバー。同年5月にLUNA SEAが主宰したオンラインチャリティーフェス<MUSIC AID FEST.>のテーマソング的位置付けの曲であり、医療従事者やフロントラインワーカーへの感謝を内包する曲でもある。RYUICHIもギターを奏でるのだが、最後に4人が真矢のほうを向いて呼吸を合わせ音を奏でる場面では、メンバー全員がまるで初々しいバンドキッズのように見えてくる。この場面に象徴されるように、5人が一丸となって楽しみながら、1公演ずつ大切に味わっている姿が印象的なツアーとなっている。

この日は、去る9月29日に51歳となったINORANの誕生祝いが、メンバー紹介に組み込む形のサプライズで行われた。RYUICHIから紹介を受けたトップバッターの真矢は、「この状況下、本当にみんな、来てくれてどうもありがとう。この状況に勝ってきたよね? ちょっと兆しが見えてきた」と語り、マスクを取れるようになった暁の話を先のブロックでしていたRYUICHIの言葉を受け、「RYUちゃんは“全員にキスしてあげるよ”って言うのかなって(笑)」と真矢。「そのぐらいの想いがあるよね(笑)」と応じたRYUICHIと笑い合い、「俺たちLUNA SEAはみんなのことを愛してます!」と熱い想いを述べた。


Jは「俺たちバンド人生にとっても……こういう状況でツアーをやって、始まってもう2年だよ? 延期になり延期になり、俺たちもイライラしたし。だけど、もっともっと不安だったのはみんなだと思うんだよね。そういった中で、俺たちの本当に好きなもの、“音楽”というものを改めて考え直したと思う」とコメント。「このツアーが最後まで行ったら、俺たちとんでもないものを掴みそうな気がするんだけど、どう思う?」と問い掛けると、大きな拍手でオーディエンスは同意を伝えた。

INORANの順番が来ると、RYUICHIが「ハッピーバースデー」を艶やかな声で歌い出し、ケーキが運び込まれてセレモニーがスタート。INORANは「LUNA SEAで、そして仙台でこうしてお祝いしてもらえるのはこの上なくうれしゅうございます」と語り、「みんなが戦いながら、失ったもの、失くしちゃったものがありながら、頑張ってさ。音楽のために、生きる希望のために」と感慨深そうで、「失ったものじゃなくて、まだ残ってるもの」に気付いたと語る。「例えば、“マスクをしてる” “声が出せない”。違うんですね、みんなの眼力が強くなってるんです! そしてマスクの下の口も見えるようになっちゃったんです、僕は」と熱弁を振るい、“進化”を感じていると語った。「LUNA SEAもこれからも進化していくと思うし、これからもよろしくお願いします。こんな環境で誕生日を祝ってもらうこと、とても尊い時間で、俺は世界の中で一番幸せ者かもしれない」とベソをかく素振りで茶目っ気を見せた後、全員でケーキを囲んでファンを背に写真撮影。

「この後に紹介してもらってもやりづらいねぇ」と苦笑したSUGIZOは、「もう30回以上誕生日を迎え合って……32年目かな? この中にだって、一緒に30年近く年取った人いるよね? このままこのLUNA SEAという旅、ツアーを一緒に続けていこうね」とファンに語り掛けた。10代の少年時代から共に歩んできた5人の絆と、ファンとの絆を感じる眩いサプライズコーナーだった。

誕生サプライズに続いて、RYUICHIは「今日は実は、みんながうれしいお知らせをもうひとつ、しようと思っているんですが」と切り出し、「この結成30周年記念ツアー、ファイナル公演が……なかなか来ないじゃないですか(笑)? いよいよファイナル公演として、決定しました。来年、2022年の1月8日、9日とさいたまスーパーアリーナ2DAYS開催」と発表すると、大きな拍手が鳴り響いた。「歩みを止めずに、僕らが信じること、そして覚悟を持ってしっかり感染対策も今夜のように施して、共に新しい歴史を、そしてツアーを続けていきましょう」と決意表明。「WISH」でライヴを再開し、会場を多幸感で包んだ。


なお、現地仙台でメンバーに独占コメント取材を行うことができたので、以下紹介する。短いながらも、グランドファイナルに向けた意気込みと、2年にわたる波乱含みのツアーへの想いが滲む言葉を聞くことができたので、是非受け取っていただきたい。

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「この30周年のツアーは、特別なツアーだったと思うんですよ。コロナ下でのツアー開催にある意味、僕らは“踏み切った”んですね。その代わり感染対策をしっかりして、会場でクラスターが起きないのは当たり前だし、ちゃんとメニューも前半後半に分けて空気の入れ替えをして。皆さんが会場に来て、『LUNA SEAのライヴは安心だから』と思ってもらえる体制をつくってきました。メンバー5人一致で『やろう!』と開催を推し進める覚悟で走っているからには、そういうことってすごく大事だなと思いますし、音楽の力にはやはり、それ以上のものがあるから。僕らのホームのような会場であるさいたまスーパーアリーナでは、皆と共にツアーの有終の美を飾れたらいいな、と思っています」──RYUICHI

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「紆余曲折があり過ぎて、今回のツアーには思い入れが強過ぎて……ボブ・ディランの『ネヴァー・エンディング・ツアー』のように、『CROSS』ツアーもずーっと続いてる感じがしますから(笑)。パンデミックという世界的な事件に巻き込まれ、それはもちろん初めての体験ですし、思うようにいかない歯痒さはありました。今となっては、1日1日が、ライヴ1本1本があまりにも感慨深く尊いので、『グランドファイナルのさいたまスーパーアリーナだけが特別だ』という感じは、今はまだしないですね。もちろん、近付いたらどう思うか分からないですけれども。こんな今だからこそ、希望を見失いそうなファンの方々とより繋がるべきだと僕は思いますし、表に立つ者の責任として、今だからこそ、むしろ皆と勇気をシェアするべきだというのが、ツアーが延期になったその瞬間から抱いていた気持ちでした。そういう意味で言うと、僕自身とても成長できたこの2年間でしたね」──SUGIZO

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「日常もライヴも、(パンデミック以前の)僕らはすごく恵まれた中で過ごして来たんだなと思うし、削られて、削られて……軸となるものを更に強く感じられるようになったと感じますね。軸っていうのは、僕らが皆を想うこと、皆が僕らを想ってくれること。ライヴで(観客が)声を出せないことだとか、ファンの皆はフラストレーションがあるかもしれないけど、僕自身はいい意味で、それを感じなくはなったかな。LUNA SEAだけじゃなくて、こういうパンデミックの世の中において皆いろいろ考えたと思いますし、僕らは音楽をやっているバンドとして、ファイナルでは何か一つの、更なる光を見せられればいいなと思います」──INORAN

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「さいたまスーパーアリーナ2daysは、いろんなハプニングが起きたこのツアーの最後のステージということで、今までやってきたどのツアーとも違った感触で、忘れることが絶対できなくなる、そんな最終公演になるんじゃないかな?と思います。ライヴというものが普通にできなくなっていったパンデミックの、誰も経験したことがないこの状況で、いろんなものと戦って、その時のベストを尽くそうと進んできたツアーであったし。チケットを握り締めてくれていた皆も、そこに辿り着くまでにいろんな想いをして来た2年間になるわけですよね? 最後の瞬間を皆と共に、胸に刻みたいと思ってます!」──J

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「世の中がこういう状況になって、ライヴの形式も変わりながら、全国ツアーがここまで進んで来られたというのはすごくありがたくて、そしてうれしいことで。いろいろな経験をして、『ライヴをするのは当たり前のことではないんだな』って。1本1本の重み、ありがたみをひしひしと感じている今日この頃です。ライヴの形式は変わっても、皆の想いは変わらないんだなと思ったし、変わった分むしろ想いが強くなってるんじゃないかな?とも感じましたね。ファイナルは一瞬一瞬を唯一無二の時間にできるように、心の底から、死ぬ気で楽しみたいと思います」──真矢

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前例のない状況下で続行中のこのツアーは、来る10月23日(土)および24日(日)の広島・上野学園ホール、12月4日(土)および5日(日)の石川・本多の森ホール、12月20日(月)および21日(火)の兵庫・神戸国際会館こくさいホールと残すところわずかとなっている。2021年1月8日(土)および9日(土)のさいたまスーパーアリーナ2daysを終えた後、政府運営のワクチン接種会場使用が延長となった影響で再々延期となっていた大阪国際会議場メインホール公演が1月31日(月)および2月1日(火)に控える、という最後まで異例づくしの中、ツアーは締め括られる見通しだ。混乱するこの世界と向き合い、丁寧に策を講じながら、ツアー開催を諦めず独自の方法で道を切り拓いてきたLUNA SEA。これからどのような軌跡を描いていくのか? 最後まで見届けてほしい。

取材・文◎大前多恵
撮影◎田辺佳子

■<LUNA SEA 30th Anniversary Tour -CROSS THE UNIVERSE- GRAND FINAL SAITAMA SUPER ARENA>

2022年1月8日(土) さいたまスーパーアリーナ
open15:30 / start17:00
2022年1月9日(日) さいたまスーパーアリーナ
open13:30 / start15:00
▼チケット
指定席 ¥11,000(税込)
※全席種 全席指定・未就学児童入場不可
一般発売:11/27(土)AM10:00~

■<LUNA SEA 30th Anniversary Tour 20202021 -CROSS THE UNIVERSE-> ※振替公演

▼上野学園ホール(広島県立文化芸術ホール) ※再延期
2020年3月28日(土)→再延期・振替日程:2021年10月23日(土) 開場17:00/開演18:00
2020年3月29日(日)→再延期・振替日程:2021年10月24日(日) 開場15:00/開演16:00
▼本多の森ホール(旧石川厚生年金会館) ※再延期
2020年3月07日(土)→再延期・振替日程:2021年12月04日(土) 開場17:00/開演18:00
2020年3月08日(日)→再延期・振替日程:2021年12月05日(日) 開場15:00/開演16:00
▼神戸国際会館こくさいホール ※再延期
2020年5月02日(土)→再延期・振替日程:2021年12月20日(月) 開場17:00/開演18:00
2020年5月03日(日)→再延期・振替日程:2021年12月21日(火) 開場17:00/開演18:00
▼大阪国際会議場メインホール ※再々延期
2020年4月04日(土)→再々延期・振替日程:2022年1月31日(月) 開場17:00/開演18:00
2020年4月05日(日)→再々延期・振替日程:2022年2月01日(火) 開場17:00/開演18:00
ツアー詳細: https://www.lunasea.jp/news/LUN_news_crosstour2021

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