【インタビュー】倉木麻衣、“無条件の愛”がテーマの2年2ヵ月ぶりアルバム完成「1曲1曲ポジティヴに、より直球で」

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倉木麻衣が10月27日(水)、アルバム『unconditional L♡VE』をリリースする。“無条件の愛”をテーマに制作された今作は、世界を一変させたコロナ禍の日々のなかでネガティヴな気持ちが生まれても、音楽の力で少しでも軽くしてもらいたい、という癒しや温かさや愛が詰め込まれたものだ。TVアニメ『名探偵コナン』オープニングテーマの「ZEROからハジメテ」のようにポジティヴなアッパーチューンから、ドラマ『ラブコメの掟~こじらせ女子と年下男子~』主題歌の「Can you feel my heart」のようなミディアムテンポのR&Bナンバーまで多様な全12曲が収録される。

◆倉木麻衣 画像 / 動画

人に会えない、外に出られない、未来が見えない。コロナ禍の中で、不安な日々を過ごしてきた人が今、心から求めているもの。それはきっと、無条件の愛。倉木麻衣、2年2ヵ月ぶりのオリジナルアルバムのタイトルは『unconditional L♡VE』だ。かつてないほど、躍動的なアップチューンとポジティヴなメッセージが満載の、疲れた心に効く特効薬。あなたが今聴きたい歌は、この中にきっとある。

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■より伝わるのかなという想いと
■自分自身も頑張ろうと思える言葉

──お久しぶりです。お元気ですか?

倉木: 元気でやっています。今、みなさんがコロナの中で一歩ずつ進んでいっている中で、『unconditional L♡VE』というアルバムが出来上がって、無事にリリースさせていただけることが本当に良かったなと思います。

──素敵なアルバムですね。躍動感があって、前向きで。

倉木:ありがとうございます。『unconditional L♡VE』=“無条件の愛”というアルバムを作ろうと思った経緯というのは、2年前にデビュー20周年のアニバーサリーイヤーを終えてすぐ、このようなコロナ禍になってしまって、大変な状況の中でどうやって前に進んで行くか、改めて考えた期間でもありました。大変な中にいるとどうしても、イライラしたり、ストレスがたまったり、自分を見失うこともあると思うんですが、そんな時にメッセージとして、音楽によって気持ちを軽くしてポジティヴな気持ちになるようなアルバムになったらいいなと思って作ったのが、今回のアルバムになります。


▲『unconditional L♡VE』初回限定盤A


▲『unconditional L♡VE』初回限定盤B

──まさにそういうアルバムだと思います。アップテンポの、ビートの強い曲が多いですし、言葉のメッセージがポジティヴで、元気になれるアルバムだと思います。

倉木:歌詞も、自分自身に対しても元気になれるような言葉で、1曲1曲ストレートに、より直球で書かせていただきました。楽曲自体は、聴いていて気持ちが高まって楽しくなっていただけるような楽曲だったり、今は気軽に出かけたり旅行なども行けなくなってしまっていますけど、そんな時に南の島に行ったような、ヒーリングミュージックのような感じで作った曲もありますし。ほかにもいろいろこだわって作っているんですけど、聴いていただいた方の印象で、その人自身が感じるものを楽しんで聴いていただけたらと思います。

──リリースの順番で言うと、今年3月にシングルでリリースされた「ZEROからハジメテ」が最初ですね。これは、おなじみTVアニメ『名探偵コナン』のオープニングテーマになりました。

倉木:「ZEROからハジメテ」は、いろんなものを失ってしまったとき、希望をつないでいけるような力強い1曲を、と思って作った曲です。すべてなくなったとしても、そこで絶対にストップはできないですし、前に進んでいかなければいけない。そう思う中で、ゼロになったからこそ無限の可能性が見えることがあると思うんですね。自分の心ひとつで状況は変えられる、そういった想いを込めて作った1曲です。楽曲自体は疾走感のあるサウンドで力強く、『名探偵コナン』1000回を記念した曲でもあるんですけど、みなさんと一緒にライブで披露しても元気になれるような曲に仕上げました。コナンくんがスケートボードに乗っていろんな困難をすり抜けていく、そういった部分をミュージックビデオにも取り入れています。スケボーは、転んでも立ち上がって前に進んで行くスポーツなので、それは人の人生に通じるなと思いますし、前向きに頑張っていく気持ちが伝わるのかなと思って、歌詞もストレートに、直球な感じになっていますね。


──直球ですね。

倉木:今回のアルバムは全曲、本当にストレートに、簡単でポジティヴな言葉で作詞をしています。そのほうが聴いていただくみなさんに、より伝わるのかなという想いと、自分自身も“頑張ろう”と思える言葉を書いていったので、ストレートな曲が多くなりましたね。

──そのあと、4月に出たシングルが「Can you feel my heart」です。こちらはドラマ『ラブコメの掟~こじらせ女子と年下男子~』主題歌でした。これは、ドラマの内容に沿って書いたんですか?

倉木:そうです。誰しもが持つ葛藤する気持ちだとか、そういったものも入れながら、ドラマの主人公が持つ気持ちを書かせていただきました。ドラマの中に瑠璃さんという主人公がいるんですけど、彼女が自分の殻を破って本当の姿を見せていく様を、音楽で、メロディに合わせてどう表現しよう?といろいろ考えて。楽曲自体も、最初は引いているんだけどサビに向けてどんどん気持ちが前に押し出されていくような曲なので、その感じで作っていきました。

──「ひとりじゃない」はどうですか? 8月に出たシングルで、倉木さんと2021年に10周年を迎えたウィッシュミーメルのコラボレーション企画となる“Wish me mell × 倉木麻衣 10th Anniversary Song”でした。

倉木:ウィッシュミーメルはサンリオのキャラクターで、いろんな人たちにハッピーと元気を届けているんですけど、やっぱり疲れちゃったり、孤独に感じてしまったり、大変な時もあるかもしれない。けれど、その中でみんなそれぞれ頑張ってるんだよ、決して一人じゃないんだよという優しさと思いやり、エールを込めて作った1曲です。この曲を作った時に、私自身もファンのみなさんからすごくたくさんの愛をいただいて、それを共有していきたいなと思って。そういう中で作ったのが、「ひとりじゃない」ですね。


──こうして並べてみると、それぞれの作品のテーマと、今、倉木さんが歌いたいテーマとが、うまく重なっていると思います。

倉木:そうですね。『unconditional L♡VE』というテーマを決めて、それに沿うような楽曲たちをたくさん選曲して、作っていっています。制作チームもその想いを共有して、みんなで一緒の想いで作っていったので、すべてリンクするようになっていると思います。前向きな思いを感じていただけるようなサウンド作りにこだわったり、歌詞のベースも、メロディ自体から出てくるような言葉というか、メロディが連れてきてくれるような言葉を散りばめたりしながら、こだわって作りました。

──そして最近、また大きなタイアップが決まりました。「TOMORROW」が『劇場版オトッペ パパ・ドント・クライ』のエンディングテーマになり、「ONE LOVE」がドラマ『ムショぼけ』主題歌としてオンエア中です。

倉木:「TOMORROW」は、みんなで手をつないで、この広い世界でみんなで明日への希望をつないで生きていこうよ、という歌なんですけど、その想いを何回もループすることによって、“明日、明日、希望、希望”ということを感じてもらえるような楽曲になっています。デモの時点ではここまでスペイシーな感じではなかったんですけど、広い世界から地球を眺めているような感じで作っていけたらと思って、制作チームと一緒にイメージする音作りをさせていただいて出来上がった1曲です。そして、最後にどうしてもみんなで歌いたいということになって…。

──そうなんですよね。ラストのゴスペルっぽいクワイヤが、とても素敵です。

倉木:ゴスペルのような合唱を入れて、みんなでつながっている感を出したかったので、最後はそういう形になりました。これは劇場で流れる歌なので、音作りも幅広く、サラウンドで聴こえるような、いろんなところからいろんなサウンドを楽しんでいただけるような、そんな作り方をしていて、すごくあったかい曲が出来上がったなと思います。

◆インタビュー【2】へ
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