【ライブレポート】AFRO PARKER、<1st Tour“Wonder Hour”>完遂。2年を乗り越えて「悪いことばかりじゃない」

ツイート

10月24日に渋谷WWWXで生音HIP HOPバンド、AFRO PARKERの約2年ぶりの有観客ライブが開催された。

◆ライブ写真

本公演は今年の4月にリリースされた最新アルバム『Wonder Hour』を携えて行う予定だった1st Tour“Wonder Hour”の延期公演。

開演前には新型コロナウイルスに伴うライブ中の注意点がメンバーからアナウンスされ、期待が高まる中、ミラーボールの光に照らされたオープニングは1stアルバム『Lift Off』に収録されているディスコチューン「Cosmic Dance」。弥之助とwakathugのラップのかけあい、生音ならではのグルーヴがフロアーを高揚させ、お酒の名前がたくさん登場する「Do I Love You?」へと。2MCのリリック、スリリングに時に溶け合うように情景を描き出す楽器陣は加地三十等兵 (Gt.)、Boy Genius (Key)、KNOB (Ba)、TK-808 (Dr)、BUBUZELA (Sax)の精鋭たちだ。

7人の実態は“日常を飛び出したサラリーマンの裏の顔”。「お酒を飲んで全てを忘れて、それでも今日は日曜日。私たちは明日、働かなければいけないのか」と弥之助が言えば、半泣きでwakathugが「ホンマ?」と返し、彼らのテーマソングとも言える二足のわらじを履いた哀愁のサラリーマンライフをコミカルなリリックで昇華させる「After Five Rapper」に突入した。

MCではAFRO PARKERのライブならでは、弥之助に電話がかかってくる演出でフロアーを楽しませる。電話の相手は上司で「今から来られないか」と言われ、「(ライブの)曲間なんです」と断るものの、部署の違う後輩の面倒を見るように頼まれ、一方的に切られて最新アルバム『Wonder Hour』に収録されているサラリーマン中堅編?「After Five Rapper II」へと。中堅と忠犬ハチ公をかけているリリックも楽しく、みんな身体を揺らせてAFRO PARKERの言葉と音を全身に浴びている。見た目もラップスタイルも異なるが息はピッタリの弥之助とwakathug、TK-808とKNOBのタイミングが絶妙なリズムセクション、ソウル、ファンク、ジャズ、R&Bなど守備範囲が広いバンドのメンバーが奏でるサウンドの豊かさにいつの間にか心地よくなってしまうのもAFRO PARKERの魅力のひとつかもしれない。


最新アルバムからファンクなエッセンスが詰まったパーティチューン「Wheels Up」、Boy Geniusのエレピで始まる「H.E.R.O.」。フロアーから手が挙がり「声出さなくても目で伝わってきます。ホントにありがとう!」と弥之助。中盤のミドルチューンも生音HIP HOPスタイルならではだった。イントロのリヴァーブがかかった加地のギターが印象的な「Plastic Summer」では音の波間を漂うような心地いいサウンドが鳴らされ、「Flowing Stories」は夜更けの都市が浮かび上がるようなソウルテイストのナンバー。思わせぶりな男女の物語を弥之助とwakathugが紡いでいき、BUBUZELAのサックスは彩るネオンの味わいで、最新作からの2曲で熱くなった場内はクールダウン。

再び弥之助に電話がかかってくるMCタイムのお相手はどうやら怪しい詐欺商法。「曲間なんです」と断るものの「最近、お疲れじゃないですか? 起きても肩が重いなぁとか」と聞かれると即座に「それはあります」と答え、フロアーを笑顔にさせる。

ライブ後半も新しいアルバムからのナンバーが次々に披露された。KNOBのベースとラップの絡みがクールなデジタル色の強い「Klein Bottle」。自分なんか曲げたっていいから折れないでくれというメッセージがコロナ禍の中、刺さってくる「In Tears」。集まったファンにAFRO PARKER流のエールを送り、通常ならコール&レスポンスで盛り上がる「Life Is Good」では「LifeがGoodだと思う人、拍手してください」と呼びかけ、「Still Movin' On」へと。チルなムードと熱さのバランスもAFRO PARKERの気持ち良さだ。


ステージもフロアーもハッピーなバイブレーションに包まれる中、弥之助が久々の有観客ライブに「ビビるぐらい今、楽しいです」と興奮を伝え、定期的にYouTubeで配信中の「ロパ飲み」の話題に発展。
「ロパ飲みで知りましたっていうお声をいただいて、そういう出会いがあったのは良かったなと思いますね」(弥之助)
「そうだね。今、ここに来てくれている人もいると思うし、それはめちゃくちゃ嬉しいことだしね」(wakathug)

コロナ禍で新たなコミュニケーションが生まれたことに感謝。そして電話タイムでは弥之助が2年前の自分に電話してみようと提案。今度は過去の自分が「今、曲間なんです」と答え、「俺も俺も」と言うと、「まだそんなことやってるんですか?」とツッコミを入れられるものの、ウイルスで世界が大変なことになると伝え、「でも、悪いことばかりじゃない」と付け加えた。

「今、2年前を乗り越えて、ここに今、我々がいてみんながいてくれているってこと。今から未来に向けて出発していこう!」wakathugが宣言し、ミラーボールの光が廻る中、希望に溢れた「Departing!」を披露。なにげない日常の幸せを浮き彫りにする「H.A.N.D」で本編は終了した。


アンコールではサプライズが待っていた。「新曲を作りました」と呼び込まれたのは真っ白な服と笑顔でAFRO PARKERの男だらけのステージをキラキラさせた竹内アンナ。「真っ白な妖精が降臨したみたい」と形容されて届けられたのは11月10日にリリースされるデジタルシングル「Now For Ever」(with AFRO PARKER)。ライブ初披露のコラボにフロアーはますます盛り上がり、ラストは友人に向けたセレブレートソング「Buddy」。「AFRO PARKERこれからもいろんなことやっていくから」という言葉と未来への希望を残し、スペシャルなライブは幕を閉じた。

取材・文◎山本弘子
photographer:KOHAY MATSU
Stylist:JUN ISHIKAWA

セットリスト<AFRO PARKER 1st Tour “Wonder Hour” 延期公演>

2021年10月24日(日)渋谷 WWWX
M1Cosmic Dance
M2Do I Love You?
M3After Five Rapper
M4After Five Rapper II
M5Wheels Up
M6H.E.R.O
M7Plastic Summer
M8Flowing Stories
M9Klein Bottle
M10In Tears
M11Life is Good
M12Still Movin' on
M13Departhing!
M14H.A.N.D

EN01 Now For Ever feat.竹内アンナ
EN02 Buddy

4thアルバム『Wonder Hour』

2021年4月7日発売

収録曲:
1.After Five Rapper II ~SHACHIKU CAPRICCIO~
2.In Tears
3.10:18pm
4.Wheels Up
5.Flowing Stories
6.1:57am
7.Plastic Summer feat. lulu
8.Lucid Dream feat. 諭吉佳作/men
9.2:06am
10.Klein Bottle
11.Night Heron feat. 磯野くん (YONA YONA WEEKENDERS)
12.5:24am
13.H.A.N.D
14.Wonder Hour

◆AFRO PARKER オフィシャルサイト
この記事をツイート

この記事の関連情報