ACIDMAN、アニバーサリーイヤーの開幕を告げる<This is ACIDMAN>開催

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撮影◎AZUSA TAKADA

ACIDMANが10月29日、東京・Zepp Tokyoでワンマンライブ<This is ACIDMAN>を開催した。同公演のオフィシャルレポートをお届けする。

◆ACIDMAN画像

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※本ライブレポートには、セットリスト・演出に関する記載がございます。11月13日から実施されるライブ映像配信を視聴予定で、事前に内容を知りたくない方はご注意ください。

ACIDMANの結成25年/デビュー20年のアニバーサリーイヤー開幕を告げるライブ<This is ACIDMAN>が、10月29日に開催された。2時間を超えるフルサイズの有観客ワンマンライブは実に久しぶり、そして会場のZepp Tokyoは今年いっぱいで閉館が決まっていることもあり、ステージ、客席共に様々なエモーションとテンションが渦巻く中、バンド創世記の代表曲「to live」からライブはスタート。雄大な自然の風景や星空など、楽曲とシンクロさせた美しいスクリーン映像でオーディエンスの目と耳を刺激しながら、「造花が笑う」「FREE STAR」と、アップテンポの楽曲を畳みかけて一気に波に乗る。

「出てきた瞬間に泣きそうになった」と、いつになく昂ぶりを隠せない大木伸夫(Vo,G)を中心に、浦山一悟(Dr)、佐藤雅俊(B)のスリーピースが奏でる音は、まぎれもなく25年の年輪を刻みこんだ、激しくも豊かなロックサウンドだ。2000年代初頭の「リピート」「赤橙」など、メロディアスな楽曲はシンプルでみずみずしいままに、2010年代の「アルケミスト」「ALMA」など宇宙的なイメージの広がる楽曲は、よりドラマチックなうねりを持って。さらに、「彩-SAI-(前編)」「Λ-CDM」と、歌ものに劣らずACIDMANがずっと大事にしてきたインストゥルメンタル曲を披露し、音だけで様々な感情や情景を鮮やかに描写してみせる。スクリーンに飛び交う有機的な点描のような映像は、宇宙に存在する素粒子やダークマターを可視化したものだと、演奏後に大木が解説してくれる。ACIDMANのライブで目に見えるもの、耳に聴こえるものはすべて意味があり、一つの壮大なイメージを指し示している。

ライブ中盤のMCで、一悟が「今日は神セトリです」と胸を張り、佐藤が「俺もさすがに今日はウルウルしている」と本音を漏らす。「メッセージは一緒だけど、いろんな曲を作ってきました」と大木が語るように、セットリストは25年間を自由に行き来しながら、バンドの変化と普遍とを対比して見せるもの。デビュー直後の「波、白く」のあとに最新アルバム『INNOCENCE』からの「夜のために」を置くなど、流れも絶妙だ。そして、《真っ白に生まれ変わるまで》と歌う最新曲「innocence」の背後では、虹色の灯りと壮麗な星空に彩られたCG映像が、圧倒的な質感をもって迫り来る。宇宙の広がりの中の、一瞬の命の尊さ。エモーション溢れる名作ロックバラード「世界が終わる夜」をはじめ、ACIDMANがずっと歌い続けてきたテーマは、コロナ禍を経た今だからこそ、肌に沁み込むように自然に届いてくる。

撮影◎Victor Nomoto - Metacraft

撮影◎AZUSA TAKADA

撮影◎AZUSA TAKADA

撮影◎AZUSA TAKADA

撮影◎AZUSA TAKADA

ライブ後半の盛り上がりは、圧巻としか言いようがない。「ある証明」「飛光」「world symphony」と、ノンストップで連なるラウド&ファストチューン3連発の、音楽による幸福な原子核融合反応を目の前で見るような、すさまじい爆発力。そして、バンドの重要な節目に必ず登場する畢生の大曲「廻る、巡る、その核へ」の、10分間を超えるずっしりと重い言葉と音のメッセージ。音にシンクロするアニメーション映像が描き出す、世界樹を中心に生命の死と再生を描く悠久のドラマは、もう何度も見ているはずなのに必ず新たな感動を呼び起こす。「楽しいだけじゃない。みんなの心にタネをまきたい」と、「廻る、巡る、その核へ」を歌う前に大木は言った。これは一体何だ?という、気づきと衝動から新しい時代の生き方や音楽が生まれる。ACIDMANの25年は、まさにタネをまき続けた25年だった。

アンコールは、未来への希望を高らかに歌い上げる「OVER」と、これまでバンドを支えてきたすべてのファンに捧げる「Your Song」の2曲。「廻る、巡る、その核へ」で感極まりすぎた大木が、「さっき楽屋で号泣しました」と照れくさそうに言う。それはきっとステージ上と客席の区別なく、心の琴線を激しく震わす全21曲、およそ2時間半の素晴らしい音楽の旅。近年のACIDMANのライブは、ミドル/スローテンポの楽曲中心にじっくり聴かせるイメージがあったが、今日のライブは別物だ。それは20年前に初めて観たライブを思い起こさせる、「いま伝えたいことがあるんだ」という衝動と確信に満ちた、ACIDMAN再発見とも言うべきフレッシュな体験だった。

撮影◎Victor Nomoto - Metacraft

大木の好きな宇宙にたとえると、ACIDMANは25年を経ても衰えぬ、内なるエナジーを燃やしながら煌々と輝き、オーディエンスという多くの天体を惹きつけてやまない恒星だ。ここから始まるアニバーサリーイヤーで、その星がどんな軌跡を描いて、どこに到着するのか。興奮と期待に満ちた1年間が、いよいよ始まる。

取材・文◎宮本英夫

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■<This is ACIDMAN>2021年10月29日(金)@東京・Zepp Tokyo セットリスト
1. to live
2. 造花が笑う
3. FREE STAR
4. リピート
5. 赤橙
6. Rebirth
7. アルケミスト
8. ALMA
9. 彩 -SAI- (前編)
10. Λ-CDM
11. 式日
12. 波、白く
13. 夜のために
14. innocence
15. 世界が終わる夜
16. ある証明
17. 飛光
18. world symphony
19. 廻る、巡る、その核へ
En1. OVER
En2. Your Song

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■『This is ACIDMAN』

配信日時:2021年11月13日(土) OPEN 18:30 / START 19:00
アーカイブ期間:初回配信後〜2021年11月19日(金)23:59
配信プラットフォーム:
Streaming+
PIA LIVE STREAM
Faniconライブ配信

チケット料金:
【ライブ入場券】3,500円
【ファンクラブ割引】基本料金から−500円
対象:「ACIDMAN MOBILE」「ある証明」

入場券に500円、1,000円、2,000円をプラスしたサポートチケットも販売。
詳細は特設サイトでご確認ください。

■12th Album『INNOCENCE』

2021年10月27日(水)発売
■初回限定盤(CD+DVD):TYCT-69211 ¥6.600(税込)/¥6,000(税抜)
※紙ジャケ仕様
CD (全11曲):
1. introduction
2. Visitor
3. 歪んだ光
4. Rebirth
5. 灰色の街
6. Link(instrumental)
7. ALE
8. 素晴らしき世界
9. 夜のために
10. innocence
11. ファンファーレ

DVD:
『scene of INNOCENCE』
・2021.5.21「ACIDMAN ニューアルバム配信ライブ」
・MUSIC VIDEO
灰色の街
Rebirth
夜のために
innocence
・Documentary2019-2021

■通常盤(CDのみ): TYCT-60181 ¥3,080(税込)/¥2,800(税抜)
※CD収録曲は初回限定盤、通常盤共通 
※紙ジャケ仕様

▼一般店特典
特典ステッカー
※一部特典の取扱いのない店舗・インターネット販売サイトもございます。詳しくは購入ご希望の店舗へお問い合わせください。
※購入特典は先着のプレゼントです。なくなり次第終了となります。

購入・配信リンク:https://acidman.lnk.to/innocencePR

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