【インタビュー】ぱてぃ∞とおやま、パワフルなドラムプレイと「EVERY .LIVE」と劇的ライバー半生

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カラフルなヴィジュアルとパワフルなドラムプレイ、そしてなぜか様々な事件が巻き起こるライブ配信で人気を集めているドラムライバー・ぱてぃ∞とおやま。今回、ライブ配信アプリ「EVERY .LIVE」内のイベント<MUSIC ROOKIES Vol.1>で準優勝した彼女に、リモートインタビューを実施。“サンターテイメント型パーティーバンド”というコンセプトを掲げたサンタ×マフィアでも活動している彼女に、ライバー活動の魅力や音楽遍歴はもちろんのこと、設定上では“年齢2歳”のぱてぃの濃すぎる半生と、壮大な目標について聞いた。

◆ぱてぃ∞とおやま 写真

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──ぱてぃさんがライバーの活動を始めたのはいつ頃ですか?

ぱてぃ∞とおやま:2017年の12月に、自分がメインやっていたバンドも、サポートしていたバンドもすべて活動休止してしまったんですよ。それまでは結構忙しかったんですけど、2018年に入ってからは結構時間ができて。そのときからですね。

──なぜやってみようと思ったんです?

ぱてぃ∞とおやま:私は小さい頃から継続して毎日何かを続けることができなかったんです。あとは社会性もない人間で。不登校だったり、ずっと引きこもりだったり、人間との関わりがあまりうまくできなかったし、一般的なこと……たとえば、朝起きて学校とか会社に行くとか、夜勤が終わってご飯食べて寝るとか、そういうこともできなかったんです。だから、毎日続けられるものがあったらいいなと思ったことと、人とコミュニケーションも取りたいなと思ったので、配信をやってみようかなって。人とお話しすること自体は好きなんですけど、本当に語彙力がないし、マナーはあるけど一般的な知識もあまりなかったので、いろんな人とお話しすることで、自分の成長に繋がるといいなと思って、配信を始めました。

──活動を続けていく中で、コツみたいなものを掴めたりしました?

ぱてぃ∞とおやま:私はよくある配信事務所に所属したわけではなく、本当に手探りのところから始めて、来てくれた人に自分が興味のあることを聞くという感じだったんですけど、最初の頃に、ライブ配信のリスナー歴が長い方から「質が高い」とよく言っていただけたんです。

──最初からそう言われるのはすごいですね。

ぱてぃ∞とおやま:でも、何の質が高かったのかは、私もよくわからなくて(笑)。たぶん、家の中でずっと独り言を言っているから会話が尽きないとか、あとは事件が日々起きてるんですよ(苦笑)。そういうのを見に来てくださったりとか。あと、大体の人が言うのは「初めて出会う人種だ」と。パっと見は不思議ちゃんとか、そういう枠に入れられそうなんですけど、関わってみると、今まで出会ったことがないタイプって言われることが多くて。たぶん、実際に関わると精神を病まれてしまうと思うし(苦笑)、日常では出会わないし関わりたくもない人種なんだけど、画面越しの距離感がちょうどいいというか。虫かごに入った虫を観察しているような感じでおもしろかったのかもしれないです。

──虫かごの虫、もしくは動物園の動物みたいな。SNSにアップされているライブ配信中の映像を観たら、ぱてぃさんが河童の格好をされていたんですよね。

ぱてぃ∞とおやま:はい(笑)。

──河童の格好をして、ドラムを叩きながら、リスナーさんのコメントを読みながら、途中で華麗にドラムスティックも回すっていう。よくあれだけのことを同時にできるなぁと思って。

ぱてぃ∞とおやま:ドラムは昔からやっているので、そこはみなさんが自然と心臓を動かしているみたいな感じではあると思うんですけど……いつも何を意識しながらやっているんだろう。私、脳のしわが一本って言われているので、おそらくその範囲で処理できることなんだろうと思います。

──ドラムはいつ頃に始められたんですか?

ぱてぃ∞とおやま:私は今設定上2歳なので、2歳年齢でいうと、1歳ぐらいから始めました。

──人生の半分ぐらいはやっているってことですかね。

ぱてぃ∞とおやま:それぐらいですね(笑)。3年前までは自称50歳だったんですけど、ちょっと変わりました。

──設定ぐっちゃぐちゃじゃないですか(笑)。

ぱてぃ∞とおやま:これにはいろいろあるんですよ! Twitterで「ぱてぃは何歳がいいですか?」ってアンケートを取ったら、「年齢という概念などない」が1位だったので、1月6日のお誕生日を廃止したんです。その後、男装カフェに所属したんですけど、お誕生日を決められるんですよね。「誕生日いつにする?」って(笑)。それで9月9日が誕生日になって、廃止したのに決まってしまった……って。そのときはまだ9月9日は迎えていなかったので、0歳からスタートして、今年2歳になりました(笑)。

──なるほど(笑)。ドラムを始めたキッカケというと?

ぱてぃ∞とおやま:私、背が小さくて太っていたんですけど、ある日、姉に──私は4人きょうだいの2番目なんですけど──ドラムは全身運動だから痩せるらしいよって言われて。それまでまったく音楽に興味がなかったんですけど、その日から母上に「ドラムを習いたい」って1年間1日3回言い続けたんです。母上としては、どこで習えるのかわからないし、1年経っても私がめげないし、どうしたらいいんだろうっていうのが続いていたときに、チラシに地元の音楽教室の広告が入っていたのを母上が見つけて。私、電話が苦手なんですけど、自分で連絡して習い始めたのがきっかけでした。結果的にドラムでは痩せなかったですけど(笑)。

──それまで特に音楽には興味がなかったんですね。

ぱてぃ∞とおやま:なかったです。友達が最新の曲をどこで知って、なぜ歌えるのかとか、そういうこともわからなかったんですよ。なんていうか、幼稚園の年少の時ぐらいからずっと違和感があって。なぜ初対面の人とそんなに仲良くできるんだろうとか、なぜ習っていない文字を書けるんだろうとか。その辺は個性だったり、家でやっていたりしたんでしょうけど、当時はそれがわからなかったので、自分のスペックの低さに結構衝撃を受けて。それがずっと続いてます。

──ドラムをやり始めてから最初にのめり込んだ音楽って何でしたか?

ぱてぃ∞とおやま:最初は友達が好きなバンドでしたね。ポルノグラフィティとかRADWIMPSとか、レッスンで教えてもらった洋楽とか。あと、父と母がダンスをやっていたんですよ。社交ダンスを集団で踊るラウンドダンスとかスクエアダンスっていうものなんですけど。それもあって、音楽自体はずっと家で流れている環境ではあって。それに興味があったかと言われるとまったくなかったんですけど(笑)、音楽自体はずっと聴いてはいました。

──ぱてぃさんはどんな音楽が好きなんですか?

ぱてぃ∞とおやま:個人的に好きなのはフュージョン系ですね。手数が多くて、どうなってるんだろうっていうところが好きで。でも、基本的には何でも好きです。ロックもメタルも好きですし、聴くだけであればハードコアも。音楽って、その曲ができるまでにいろんなことがあるじゃないですか。そのグループごとにそれぞれの物語があると思うので、ああ、こういうドラムを入れるのは、きっとこういう思いがあったのかなって考えながら叩いたりしていて。なので、こういう音楽は好きじゃないんだよねっていうのは、人間と同じく、まったくないです。

──ドラムを習い始めて、私もバンドやりたいなっていう発想に自然となりました?

ぱてぃ∞とおやま:自己肯定感があまりにも低くて、私みたいな人間は人様の前で叩けるレベルではないってずっと思っていたんですよ。今思うと全然やっておけばよかったなと思うんですけど、ずっと基礎練とやりたい曲を叩いて、ドラム教室の発表会に出るぐらいでした。その後に弟がベースを始めたので、一緒にバンドをやることになって。

──最初のバンドは弟さんと。

ぱてぃ∞とおやま:弟と、地元の女の子との3ピースバンドでした。そこからサポートを頼まれるようになったり、バンドで賞をいただいたり、東京でやるようになったりしたんですけど……まあ、ぱてぃの人生がちょっと波瀾万丈すぎて(苦笑)。一回音楽をやめたことがあったんです。

──そうなんですか?

ぱてぃ∞とおやま:はい。お付き合いしているわけでもない人がモラハラDV男で、殴る蹴るが1ヶ月半ぐらい続いていて。

──えっ……?

ぱてぃ∞とおやま:警察に言えばよかったんですけど、周りを巻き込みたくなかったので、親とドラムの師匠に相談して、全部やめて引っ越して、何もせずにずっと家に引きこもっていたんです。3ヶ月ぐらい目を開けて閉じるだけの生活をしていたんですけど、本当に久し振りにスマホを開いたら、地元の友達のカラフルな女の子から「やっほー! バンドやんない?」ってDMが入っていて。やっぱり私は音楽を続けるべきなのかなと思ったんですけど、今はこういう事情で、人と関わるのが怖くて、思うようにできないかもしれない、ちょっと前の自分とは別人かもしれないって。そしたら「いいよいいよ!」って受け止めてくれたんです。それでカラフルなバンドに入って、音楽活動がまたスタートしました。

──めちゃくちゃ大変でしたね……。

ぱてぃ∞とおやま:でも、今はもう笑い話ですから(笑)。顔の形とか結構変わっちゃうぐらいだったんですけど。

──全然笑えないんですけど(苦笑)。

ぱてぃ∞とおやま:はははははは(笑)。すごくいい人で、周りからの信頼度も高い人だったんですけど、やっぱり人には表と裏があるんだなっていうことを理解しました(笑)。

──なんでそんなポジティブでいられるんです?

ぱてぃ∞とおやま:なんか、死ななければ別にいいかなって(笑)。それに“人にしたことは良い事もよろしくない事も自分にかえってくる”と考えています。私、夢をすごく見るんですよ。そこで現実では学べないことを学んだりすることが小さい頃からあったので、たぶんちょっとしたことであまり動じないんだと思うんですけど。でも、脳のしわ一本のために、トラブルが3つ以上同時に起きるとパニックになっちゃって。ワーッ!ってなるんじゃなくて、無意味にあわあわしちゃうんですよ。そういう感じでなんかちょっと、情報量が多い妖怪です。

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