【コラム】GARNiDELiA 、“Duality=二元性”が具現化されたニューアルバム『Duality Code』

ツイート

GARNiDELiAのポニーキャニオン移籍第1弾アルバム『Duality Code』が11月17日にリリースされた。

◆全曲ダイジェスト映像 ほか

MARiA(Vo)とtoku(Compose,Key)からなる男女2人組ユニットのGARNiDELiAは、2020年9月に結成10周年を迎えたばかり。デビュー以来数々のアニメタイアップ曲のヒットにより、国内のみならず海外でも注目を集め、2016年には「極楽浄土」のミュージックビデオが中国圏を中心に人気を拡大することに。海外公演も頻繁に行なってきたが、2020年は先行きの読めない状況下において海外での活動を断念。国内においても有観客公演も思うように行えない状況が長く続いた。

そんな中、2021年に入るとMARiA、tokuはそれぞれソロ活動を行うことを発表。5月26日にリリースされたMARiAのソロアルバム『うたものがたり』では本間昭光のサウンドプロデュースのもと、TAKUYA(JUDY AND MARY)や山下穂尊(ex.いきものがかり)、橋口洋平(wacci)、草野華余子、じんといった錚々たる作家からの楽曲提供を受け、MARiA自身は歌い手に専念。GARNiDELiAでのサウンドアプローチとは異なる世界観に身を置くことで、シンガーとしての表現力を高めることとなった。



また、一方のtokuは6月16日発売のソロアルバム『bouquet』を、神田沙也加や一青窈、鈴木このみ、三森すずこ、石原夏織、竹達彩奈など10人のゲストボーカリストとともに制作。そのアルバムタイトルどおり、色とりどりの花を束ねたような内容で、コンポーザー/プロデューサーとしての実力を遺憾なく発揮している。また、両者ともアルバム発売後にはソロライブも実現。多彩なゲストを迎え、それぞれのアルバムでの音世界が見事に再現され好評を博した。



これらのソロ活動を経て届けられたGARNiDELiAとしてのアルバム『Duality Code』は、タイトルにある“Duality=二元性”の言葉どおり2人のソロワークでの経験や才能がダイレクトに反映された、非常に聴き応えのある内容に仕上がった。

アルバムはGARNiDELiAらしい、デジタル色を強めたロックナンバー「Live On!」からスタートする。“キミの生きる理由になれるなら/どうしようもない世界も生き抜くよ”というフレーズからも、混迷を極める2021年をサバイブしようとする彼らの強い意志が伝わり、アルバムの幕開けにふさわしい1曲といえる。続く「my code」も「Live On!」からの流れを汲む、エッジの効いたロックチューン。多くのリスナーがイメージする“GARNiDELiA像”をこの冒頭2曲で見事に表現し、なおかつ楽曲のクオリティを向上させ続けている事実に、多くのファンは「待ってました!」と喜びを隠せないのではないだろうか。

アルバムは3曲目「Uncertainty」以降、さまざまな“色”を見せていく。同曲ではtokuによる浮遊感の強いサウンド/アレンジと、それに合わせて抑揚を抑え気味に歌うMARiAの歌声が絶妙なバランスで融合し、独特の世界観を作り上げる。続く「Seeker」では音数を抑えたアンサンブルと憂いに満ちた歌声が、歌詞が持つ切なさをより強調する結果に。さらに、エレクトロ色の強いダンストラック「aquarium」や「ピエロ」など、MARiAは曲ごとに声の表情や歌に込める感情の強弱を変幻自在に変化させる。このあたりからは、先のソロアルバムでの経験がしっかりと反映されているように映り、『うたものがたり』なくしては本作にはたどり着けなかったのではないかと実感させられる。



もちろん、本作ではtokuのソングライティング力の高さも聴きどころのひとつ。ソロアルバム『bouquet』を経たことで、より多彩さが増していることに気づかされることだろう。アルバム前半は来るライブを意識したエレクトロ色を強めた、攻めの姿勢を感じさせる作風だが、ワルツのリズムを採用した「ミルクキャラメル」以降の後半で繰り広げられる世界観は1曲ごとに異なる魅力を放ち、攻めの前半があるからこそメリハリが強く響く。

テレビアニメ『大正オトメ御伽話』のオープニングテーマとして書き下ろされた「オトメの心得」はゴージャスなビッグバンドサウンドとGARNiDELiAらしいデジタル感が融合した、ポップで親しみやすいキラーチューン。「はじめてのクリスマス」はリスナーの心を優しく包み込むバラードナンバーで、テレビドラマ『どうせもう逃げられない』のオープニング主題歌として物語を彩った「春がきたよ」は切なさと愛おしさが同居したミディアムチューンだ。異なるタッチの楽曲を連ねるtokuのソングラインティング力にも驚かされるが、何よりそれらを個性豊かに歌うMARiAの表現力の向上にも舌を巻くばかり。



そして、GARNiDELiAがこれまでライブタイトルに用いてきたキーワードをそのままタイトルにした「stellacage」では、初めてtokuがボーカルを担当。自身のソロアルバムではほかの女性シンガーにすべてのボーカルを委ねたtokuだが、ユニットにとって重要な意味を持つ「stellacage」というタイトルの楽曲だからこそ、彼がボーカルを担当したというのも頷けるものがある。そういった1曲を経てアルバムのラストを飾るのは、再びGARNiDELiAらしいデジタルテイストのロックチューン「Reason」。ここで歌われる歌詞もオープニング曲「Live On!」同様、リスナーに向けたMARiAからの所信表明と言えるものだ。力強いメッセージとサウンドとともに、こうして“12年目のGARNiDELiA”に相応しいアルバムは幕を閉じる。

リスナーの想像以上に“Duality”が具現化されたGARNiDELiAのニューアルバム『Duality Code』は、間違いなく彼らの現時点での最高傑作であり、ここから先の活動におけるひとつの基準となるアルバムだ。困難と混迷の時代に産み落とされたからこその力強さと、前へ進もうとする意思がストレートに表現された本作は彼らにとってだけではなく、これを受け取るリスナーにとっても新たな希望と強い生命力を与えてくれるものになっている。そういった意味でも本作は、従来のファンはもちろんのこと、『大正オトメ御伽話』『どうせもう逃げられない』といったアニメやドラマを通じてGARNiDELiAに初めて触れたリスナー、そしてこのテキストを読んで彼らに少しでも興味を持った人、すべての音楽ファンに触れていただきたい、2021年にこそ聴くべき重要なアルバムだ。

文◎西廣智一

『Duality Code』

発売日:2021年11月17日(水)
音楽配信総合URL:https://lnk.to/GARNiDELiA_streaming

【初回限定盤】CD+Blu-ray
PCCA-06087/4,950円(税込)
特典Blu-ray:「my code」Music Video/「オトメの心得」Music Video/Making of 「my code」MV/Making of 「オトメの心得」MV/Interview with GARNiDELiA

【通常盤】CD ONLY
PCCA-06088/3,300円(税込)
封入特典:トレーディングカード(ランダム封入/全5種)

【きゃにめ限定盤】CD+LIVE Blu-ray
SCCA-00125/9,900円(税込)
特典Blu-ray:GARNiDELiA stellacage tour 2021→2022 “Duality Code”最終公演
購入特典:GARNiDELiA stellacage tour 2021→2022 “Duality Code”最終公演リハーサル観覧応募用シリアルナンバー
きゃにめ購入サイト:https://canime.jp/product/SCCA000000125/
※本商品に限り一般店舗での取り扱いはありません。
※Blu-rayディスクは後日発送いたします。
※本商品の応募、配送料など詳細につきましては、販売ページより必ずご確認をお願いいたします。

収録曲
1. Live On!
2. my code
3. Uncertainty
4. Seeker
5. aquarium
6. ピエロ
7. ミルクキャラメル
8. オトメの心得
9. はじめてのクリスマス
10. 春がきたよ
11. stellacage
12. Reason
(全12曲)

<GARNiDELiA stellacage tour 2021→2022 “Duality Code”>

2021年12月5日(日) CLUB CITTA‘(神奈川)
開場:16:30/開演17:00 チケット代:¥6,800(税込・ドリンク代別)
(INFO)ディスクガレージ 050-5533-0888

2021年12月24日(金) Rensa(仙台)
開場:17:30/開演18:00 チケット代:¥6,800(税込・ドリンク代別)
(INFO)キョードー東北 022-217-7788

2022年1月10日(月・祝) DRUM LOGOS(福岡)
開場:16:30/開演:17:00 チケット代:¥6,800(税込・ドリンク代別)
(NFO)キョードー西日本 0570-09-2424

2022年1月15日(土) NAGOYA ReNY limited(名古屋)
開場:17:30/開演:18:00 チケット代:¥6,800(税込・ドリンク代別)
(INFO)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100

2022年1月16日(日) umeda TRAD(大阪)
開場:17:30/開演:18:00 チケット代:¥6,800(税込・ドリンク代別)
(INFO)YUMEBANCHI(大阪)06-6341-3525

2022年1月23日 中野サンプラザ(東京)
会場:16:30/開演:17:00チケット代:¥7,800(税込)
(INFO)ディスクガレージ 050-5533-0888

◆GARNiDELiA オフィシャルサイト
この記事をツイート

この記事の関連情報