【インタビュー】OHTORA、EP『Monopolize』に溢れる多面性「音楽が代弁してくれているのかもしれない」

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台湾や香港、タイなど、アジア圏を中心にリスナーを増やし続けているOHTORA。今年は春に初のアルバム「EMPTIE LAND」をリリースし、夏以降は新たなフェーズの幕開けを告げる配信シングルを3ヶ月連続で発表。10月にはそれら先行シングルの楽曲を含むEP『Monopolize』をリリースするなど、進化し続ける才能と感性を、精力的でありながらも軽やかに発信している。また最近では武藤彩未や超特急のボーカル・松尾太陽のソロ作への楽曲提供、三菱鉛筆“JETSTREAM「#伝えたい思いがあるキャンペーン」”のスペシャルムービーに曲を書き下ろすなどアウトプットの振り幅も着々と拡大。アーティスト/クリエイターとして、ますます目が離せない存在になってきていることは間違い無いだろう。今回のインタビューでは、そんなOHTORAと幾つもの楽曲を制作してきたレーベルメイトでもあるmaeshima soshiとの興味深いエピソードや、最新EP『Monopolize』の制作過程で感じてきた音楽への思いや心境の変化などについて語ってくれた。

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■多面性のある"なんでも出来ちゃう人"として
■色々やってみる時期


──今回のEPに先駆け3ヶ月連続で配信された楽曲(「STARGAZER」「NITICA」「SEASIDE MAGIC」)は、かなり思い切った変化を提示されていたので正直驚きました。

OHTORA:そうですね。最初に発表した「STARGAZER」を出す前の「ツレナイズム」、あれとは全く真逆の方向性になったので、驚いたというか「あぁ、こういう曲やるんだ」っていうのはきっと思われただろうなと思います。ジャンルが全く違いますからね。

──そこまでの違いを見せることで、新たなスタートじゃないけど、気持ちの切り替えみたいなことを伝えたかったのでしょうか。

OHTORA:前回のインタビューでもお話ししたんですが、すごくこう、今「やってやるぞ感」みたいなものがあって。

──小さい頃から有名になりたいという漠然とした夢があって、例えばサザンオールスターズみたいな場所を目指すためには、自分が好きだと思うものを突き詰めて一部の音楽ファンに深く刺さるようなものをやっておくことも必須だとおっしゃっていましたね。

OHTORA:はい。あの「STARGAZER」を出した後もそうだし、今もそういう気持ちは日に日に増しています。

──実際、「STARGAZER」を聴いたリスナーの方からの感想などで印象に残ったものはありました?

OHTORA:すごくかっこいいっていう意見は多かったですけど、「エモい曲、やらないんだ」みたいなコメントを見た時は、あぁ、やっぱりそういう感じで思われるんだなあっていうのはありました。確かにちょっとシフトチェンジというか、自分の中で音楽のジャンルをチェンジしたので、そこで「ツレナイズム」のファンがついてきてくれるかなという不安がなかったわけではないんですが、でもこういう曲をやってみて、僕の中ではすごくしっくり来たんですよね。以前からお話ししてますけど、やっぱりひとつのジャンルに括られたくないなっていうのがもともとあるし、ここ最近は特に、マルチプレイヤーじゃないけど、多面性のある"なんでも出来ちゃう人"として色々やってみる時期なんじゃないかなって思ったりもしているので。

▲EP『Monopolize』

──その気持ちを反映したのが3ヶ月連続で発表された楽曲の振り幅であり、それらを含む5曲が収録された今回のEP『Monopolize』ということですね。この『Monopolize』は「独占する」という意味ですが、このタイトルはどんな風に決めたんですか?

OHTORA:タイトルにしたいなという言葉の候補は以前からいくつかすでに考えていて、これもその中の一つでした。最終的に僕はみんなの、つまり聴いてくれる人たち一人一人にとっての一番好きなアーティストになりたいという気持ちが強くあるんです。それを叶えるためにはまだ結構な時間がいるけど(笑)、それでも、というかそのためにも、僕はあなたの世界の中の音楽を独占したいんだっていう気持ちを込めたんです。なんだかすごく欲張りな感じのタイトルになっちゃいましたけど(笑)。

──(笑)。今回はOHTORAさんと同じレーベルに所属するmaeshima soshiさんの完全プロデュースで制作をされていますが、maeshimaさんとはアルバム「EMPTIE LAND」に収録されている「BYAKUYA」からだそうですね。

OHTORA:はい。事務所の人からの勧めもあったし、個人的にもmaeshimaくんとはきっと合うだろうなっていう感じはなんとなくあったんですが、実際一緒にやってみたらバッチリで。僕の中ではすごいフィット感があったんですよね。

スタッフ:これはちょっとした裏話なんですけど、「BYAKUYA」のトラックは結構前に出来上がっていたものなんです。OHTORAが乗るまえに何組か他のアーティストの手にも渡ってチャレンジしてくれたんですが、結局あのトラックに誰も乗りこなせなかったんですよ。そんな時にOHTORAと出会って、スタッフ間で「これ、OHTORAだったら乗るんじゃないか」となり渡してみたら、とんでもない歌詞とメロを乗せて戻してきたんですよね。やっぱりOHTORAは凄いなと改めて思った…っていう裏話です(笑)。

OHTORA:ありがたいです。

スタッフ:そこからもう、OHTORAとmaeshima soshiは相性が良さそうだなっていうのがチームとしてもあったんですよね。

──そういう経緯があったんですね。貴重な裏話、ありがとうございます。今作を作るにあたっては、お二人の間で何か事前のテーマみたいなものはあったんですか?

OHTORA:最初の「STARGAZER」から順番に作りながら出していくという流れだったんですが、ある程度の統一性はあったほうがいいだろうということで、南国をテーマに、ちょっとエスニックなビートの音を全曲で取り入れたりしています。少しずつ、要素としてですけど。以前もお話ししたんですが、僕はチャイルディッシュ・ガンビーノが好きで。彼の音楽は結構エスニックなものも多いんですが、その要素を入れたトロピカル・ポップ…とまでは行かないかもしれないけど、トロピカルな要素を入れたら面白いんじゃないかと思ったんですね。あとはエスニックな、民族楽器みたいな音を取り入れたJ-POPは少ないから、ちょっとそこにもアプローチしてみたかったっていうのもあったりします。


──今作は配信第三弾としても発表されていた「SEASIDE MAGIC」で幕を開けますが、すごく幸せなムードが漂っていますよね。

OHTORA:そうですね。この曲はめちゃめちゃハッピーモードで書きました(笑)。作り上げた時は、自分でもいい曲ができたなっていう実感がありましたね。他の曲はほぼmaeshimaくんのトラック先行だったんですが、この曲はちょっとだけ僕がコード弾きとかをして、こういう感じのコードでってやんわりとニュアンスを伝えて作っていただきました。


──2曲目の「ANT MILL」と3曲目の「SENTIMENTAL BOY」はここで初出しですね。

OHTORA:はい。「ANT MILL」は「SEASIDE MAGIC」を書き上げてから作りました。こういう感じの曲がいいというのが明確にあったので、それをmaeshimaくんに伝えて作り上げてもらったんですが、もう「これだな」って感じのものが上がってきました。「ANT MILL」って、アリがフェロモンを追いながら円状になって大群でぐるぐる回っている状態のことを言うんですが、なんかもやもやする感じとか、頭の中がずっとぐるぐるしてる感じがこういう歌詞になっていきました。自分の中では、雰囲気としては近いんだけど「NITICA」とはまた違う意味の生々しさがある曲になっていると思います。「SENTIMENTAL BOY」は、これまでのチルポップに一番近い曲かもしれないですね。か弱い男の子をイメージして書いたんですが、歌詞の意味というよりも、リフレインするサビの感じがめちゃくちゃ気に入っています。

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