【インタビュー】竹内唯人、現在を刻み未来への可能性を切り開いたミニアルバム『XX』

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■「Roar」と「XX」は何も包み隠さず素直な気持ちを描いて
■かっこいい楽曲になったのでそれがうれしいです


――「Last Scene」もパーソナルな歌声が染みてくる曲です。

竹内:この曲は最初にいただいたトラックからイントロやサビの音色を変えてもらって、意見交換しながら作った曲です。「エンドロール」と同じ週に録ったんですが、この曲が一番すんなりレコーディングが進みました。

――それは意見交換して作ったことによって、楽曲のイメージがクリアになっていたからなんですか?

竹内:それはあると思います。歌いやすかったし楽しくレコーディングすることができました。かすかに漂うキラキラ感も含めて大好きな曲ですね。

――「Roar」は強い意志を感じさせる歌声と歌詞がガツンと強く入ってくる曲です。歌詞は唯人さんが書かれていますが、最初から書こうと決めていたんですか?

竹内:「Roar」と「XX」はどちらもGRPさんに作ってもらった曲なんですが、「Roar」のトラックがあがってきた時に、攻撃的なイメージ、自分の後ろにライオンが立っているみたいなイメージが湧いてきたので、「歌詞を書きます」と自分から言ったんです。ところがずっと書けずにいて、レコーディング当日、大阪のスタジオのブースで書きました。

――歌詞からは強い意志のようなものも伝わってきました。

竹内:自分がこれまで消化しきれていなかった気持ちが心の中に少しずつ溜まっていって、それを何かで発散できないかと思っていた時に、歌詞で発散するのがいいということにレコーディング1時間前に気づきました(笑)。

――気づくのが遅くないですか?(笑)

竹内:遅いですね(笑)。でも書きたいことが決まったら、一気に書き上げることができました。ライオンは百獣の王と言われているけれど、まわりの動物が近寄るのを怖がられている孤独な存在でもあると思ったんですよ。どこかでは自分とリンクするところもあると思い、ライオンが叫んでいるイメージで歌入れをしました。歌い方は自分のエゴが入っていますね。「これがいい」と自分でテイクを選んで、自分のイメージに沿ってエフェクトをかけてもらって作りました。

――怒りや悲しみもエネルギーにしていけるようなタフさのある歌声だなと感じました。

竹内:そういう感じです。


――「Roar」の次に「I Believe Myself (Prod. GeG)」が来て、最後に「XX」が来る流れもいいですよね。

竹内:「Roar」と「XX」を書けるようになったきっかけが「I Believe Myself (Prod. GeG)」なんですよ。この曲のリリックを書いてもらって、こんなにストレートに歌詞を書いてもいいんだな、自分の言いたいことを何かにたとえずに伝えてもいいんだなと気づいたことで、「Roar」と「XX」のリリックを書くことができました。この曲があったから、アルバムがあるという感じがします。自分にとって大切な楽曲になりました。

――おだやかな歌声の中にある芯の強さが良いですね。

竹内:レコーディングしている時、自分に対して言っているようだと感じながら歌っていました。自分で書いているような感覚になったんですよ。こういう書き方もありなんだなって気づけたことが大きいですね。

――<自分自身を信じられないなら 成功なんて遠いかもね>というフレーズなど、ガツンときました。

竹内:実際にそう思っていても、なかなか歌詞にできないじゃないですか。でもこうして歌詞にしてもらうと、まるで自分で書いたみたいだなと思いますね。

――実際に自分を信じていますか?

竹内:いつもそう思っているかといたら、そんなことはないんですよ。ただ、何かを制作する時には、自分を信じられなかったら、作ったものが良いとも悪いとも思えないじゃないですか。胸を張って「良い」と言えるためには自分を信じるというか、自分を持ちながら作ることが大切だと思っています。

――歌う際にこだわったことは?

竹内:ただただ気持ち良く、自然に歌っていました。この曲はメロディと韻の落とし方が気持ち良すぎたので、メロディが自然に入ってきて、同時に歌詞も覚えてしまっていました。


――最後の曲はアルバムタイトル曲でもある「XX」です。リアルな言葉が真っ直ぐ入ってきました。<おばあちゃんにCDを渡す約束を果たす時がくる 安心して>というところもいいですね。

竹内:今日、たまたまおばあちゃんから電話があったんですよ。「お米ある?」という内容の電話(笑)。「CDができあがったら、渡しに行くわ」と話したら、とても喜んでくれました。

――CDを渡す約束はいつ頃にしたのですか?

竹内:「デビューシングル『Only Me』を出すよ」って報告した時なので、多分、2019年の9月くらいだと思います。

――じゃあ2年越しの約束ですね。

竹内:はい。

――これまでリリースした楽曲について、おばあちゃんの感想は?

竹内:「ニビイロ」がすごく好きみたいですね。リリースした当時、ドラマの関係者用に作った盤をおばあちゃんにあげたんですが、ご飯を食べる時にいつも聴いてくれていて、それがかわいくて、うれしくて(笑)。それ以降は盤を作っていないので、渡してないです。おばあちゃんはスマホを使えないので、多分「ニビイロ」のままで止まっていると思います。

――「XX」という曲の歌詞には20歳の決意と21歳に向けての思いも詰まった曲だなと感じましたが、歌詞を書く時にどんなことを考えたのですか?

竹内:「Roar」のレコーディングの後にみんなで食事に行って、解散してホテルに戻って一人でトラックを聴いたら、急に歌詞を書きたくなったんですよ。1行目の<俺もそう 君もそう>が出てきて、そこから勝手に歌詞がワーッと出てきました。今自分が思っていることが自然に出てきたという感じでした。1、2時間くらいで歌詞が出てきて、その時点では今ある歌詞の2倍くらいの量があったので、削る時間のほうが長かったです(笑)。

――パーソナルな歌でありながら、同世代の人たちが自分たちの歌として受け取れる広さを持っているところもいいですよね。

竹内:<夢だけは 追いかけていいよ>というのは自分に言い聞かせている言葉でもあるんですが、聴いてくれる人が共感できるということも意識して書きました。

――20歳で作った作品、20歳で発表する作品なです。アルバムタイトルとこの曲名を「XX」にしたのは?

竹内:アルバムを作る時に、どういうロゴがいいのか、何文字がいいのかという話をしていて、『XX』にしたいと思った時とこの楽曲を書いている時が重なって、こうなりました。もともとアルバムを作るにあたって、こういう曲を作りたいと思っていたんですよ。

――こういう曲というと?

竹内:ストーリー性を持たせながら、過去と現在と未来をつなげる曲です。

――この曲もそうですが、アルバムトータルでも20歳の等身大の姿が刻まれた作品と言えそうですね。

竹内:特に「Roar」と「XX」は何も包み隠さず、素直な気持ちを描きながら、そのままかっこいい楽曲になったので、それがうれしいです。

――竹内唯人さんは1月9日が誕生日だから、ほぼこの2021年が20歳の年ということになりますが、20歳という年齢について感じることはありますか?

竹内:早かったです。20歳になってから、あっという間でした。

――密度の濃い活動をして、充実していたから早かったんですかね?

竹内:充実はしていましたね。ずっと音楽を作っていましたから。やっと作品として残るものが作ることができたし、自分のやりたい音楽を見つけることができました。これからやっと始まるなと感じています。

――同世代に向けて、音楽で発信するという意識はありますか?

竹内:自分が感じていることと同世代の人たちが感じていることって、きっとほとんど同じだと思うんですよ。たまたま自分が表に立つだけなんですが、共感してもらえたらうれしいですね。

――同世代ではありませんが、おばあちゃんも喜んで聴いてくれるのではないですか。

竹内:速い曲や激しい曲はちょっと難しいかもしれません。バラード曲は大好きなので、「Last Scene」や「エンドロール」は楽しんでもらえると思います。おばあちゃんに早くCDを渡したいです。そして目の前でビリビリって、CDのビニール包装を開封してほしいです(笑)。

――では最後に、これから先の目標を教えてください。

竹内:フルアルバムを出したいです。今回はミニアルバムなので、次は完全に新しい楽曲ばかりでフルアルバムを出すのが当面の目標です。そしてワンマンライブをやりたいと考えています。「Roar」をお客さんと一緒にやりたいですね。さすがにおばあちゃんにライブに来てもらうのは難しいので、配信も同時にやるのがいいのかなとか、いろいろと考えている最中です。

取材・文:長谷川 誠

Major 1st Mini Alubum『XX』

2021年12月1日(水)発売
CRCP-40632 / 定価¥2,000(税抜価格¥1,818)

<収録内容>
1.After the rain ※テレビ朝日系列23局放送「BREAK OUT」7月度オープニング・トラック
2.Land of Dreams ※Paraviオリジナル 恋愛リアリティードラマ「18禁の恋がしたい」主題歌
3.YOZORA (feat. VILLSHANA & $HOR1 WINBOY) ※日本テレビ系「バズリズム02」11月オープニングテーマ
4.エンドロール ※恋愛ゲームアプリ「イケメン王子 美女と野獣の最後の恋」第2章主題歌
5.Last Scene ※Paraviオリジナル恋愛リアリティードラマ「18禁の恋がしたい」挿入歌
6.Roar
7.I Believe Myself (Prod. GeG)
8.XX

■竹内唯人デビューミニアルバム「XX」発売記念イベント
日程:2021年12月11日(土)
時間:18:00スタート (集合:17:30)   
会場:HMV&BOOKS SHIBUYA 5Fイベントスペース
内容:サイン&2ショット撮影
▼詳細はこちら
https://www.crownrecord.co.jp/s/c01/artist/takeuchi-yuito/news?ima=3429&ct=jpop

ライブ・イベント情報

12/18(土) 「 MIYAZAKI 20 Fes 」 みやざき臨海公園・サンビーチ 一ツ橋 北ビーチ
12/25(土) 「MUSIC CIRCUS’21」 エディオンアリーナ大阪

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