【ライブレポート】<DIAMOND FES>、高橋ジョージ、中西圭三、光永亮太がヒット曲連発「音楽だけは凄いなと思いました」

ツイート

J-POPからROCK、K-POP、アニソン、HIP HOPまでヴァリエーションに富んだラインナップで精力的にイベントを展開している<DIAMOND FES>が11月23日(火・祝)、<DIAMOND FES 2021 EXTRA EDITION>と銘打って横浜ベイホールでライブを開催した。

◆<DIAMOND FES> 画像

当日は高橋ジョージ、中西圭三、光永亮太とキャリアを重ねた大人なアーティストが出演。心を解放し、豊かにしてくれるステージは、港の見える横浜というエキゾティックなシチュエーションもあいまって“EXTRA EDITION”というにふさわしいスペシャルなもの。配信でも届けられたこの日の模様をお伝えする。



▲KIGO (オープニングアクト)

ライブ当日にユニット名が正式決定したというKIGOがオープニングアクト。帆保健太郎(G, Vo)と瑞季あおい(Pf, Vo)による男女2人組によるサウンドは打ち込みをバックに、旋律の爽快感も吹き荒れる轟音もたっぷり。わずか3曲ながらバラエティに富んだ楽曲群が高いポテンシャルを示すステージとなった。



▲光永亮太

そしてトップバッターは、白が基調の衣装にアコースティックギターを持って登場した光永亮太。オープニングナンバーはデビューシングルであり、松たか子と坂口憲二主演の月9ドラマ『いつもふたりで』(2003年)の主題歌に起用されて大ヒットを記録した「Always」だ。清涼感のある歌声が会場に響き渡る。続く「Change the World」はアーシーなサウンド。ハスキーで深みのあるヴォーカルで聴かせ、声の表情をガラリと変えた。

「みなさん、こんばんは。光永亮太です。急遽決まったイベントにお越しくださってありがとうございます。中西圭三さんとはデビュー当時から何度も何度もご一緒させていただいているんですが、高橋ジョージさんとは初共演で“ちょっと怖いかな”って心配してたんですけど、ご挨拶させていただいたらすごく優しい方で非常に安心しました」──光永亮太

といったMCで会場を和ませた。また、中西圭三が真っ黒な衣装を着てくることを予想して、「あえて白で統一した」ことを明かすなど、トークでもイベントの一体感を作り上げていく。ちなみに、同イベントは出演全アーティストが鍵盤奏者との2人編成だったのだが、キーボードとの息の合ったグルーヴも聴きどころのひとつとなっていた。

光永亮太名義として今年7月、10年ぶりに配信リリースされた新曲「風の街」も披露。今から7年前に故郷のことを思って書き、ライブで歌い続けてきた曲について、「緊急事態宣言でなかなか帰省できなかったりした中、みなさんが生まれ育った故郷とか大好きな街を思い浮かべてほしい」と言葉を添えたこの曲は、ピアノで始まるハートウォーミングなバラード。温かい人柄が伝わってくるステージ運びが印象的だ。

また、このコロナ禍、自分が歌手になりたいと思うキッカケになったという祖母が亡くなり、「子供の頃にいつも歌ってくれたばあちゃんの、温かくて心地良い歌を超えたいと願いながら歌っている」と、自身のルーツについて語りハンドマイクで歌った「赤とんぼ」も染み渡るような味わいだった。郷愁のある歌で場内を包み込み、ラストはハンドクラップで盛り上がったミドルチューン「HOME」。風が吹き抜けるようなステージを届けた。



▲中西圭三

光永の予想通り、黒で統一されたシックな衣装で登場したのは中西圭三だ。グルーヴィでセクシーな「BABY」で幕を開け、CMソングに起用されて大ヒットした「Woman」(1992年)をフェイク混じりに歌うと大きな拍手が響き渡った。

「こんばんは、中西圭三です。よろしくお願いします。ようやくライブができるようになってきたなということで。コロナ禍で2年ぐらい全くコンサートができない状況が続いておりました。今年は僕にとってデビュー30周年という記念の年です。あっという間に30年の月日が流れてしまいました。さっき歌わせていただいた「WOMAN」は世の中の方々に声や顔を知ってもらうキッカケをいただいた曲です。こうやって少しでも歌に寄り添えるように、少しずつ曲を届けられたらいいなと気持ちを新たにしているところです」──中西圭三

そう挨拶し、最新配信シングル「BABY」が光永亮太も参加している『Legatoプロジェクト』(J-POPを彩った名シンガーが今しか歌えない新曲をリリースするプロジェクト)で制作された曲で、若いアーティストとコラボレートした楽曲になったことに触れた。

そしてステージ後半はソングライターとしても数々のヒット曲を生み出してきた中西圭三のエンターティナーとしての本領発揮だ。ブラックビスケッツに楽曲提供してミリオンセラーを記録した「Timing」披露。続く「Ticket To Paradise」では、その後半で瑛人の「香水」の“ドルチェ&ガッバーナ”というフレーズをアドリブ的に挟んで歌って沸かせ、開放感たっぷりのステージを繰り広げた。色とりどりの照明を実際よりもゴージャスに感じさせ、ホールで歌っているかのような錯覚を起こさせるのも中西圭三マジック。ZOOに楽曲提供(1991年)した後、EXILEに引き継がれ、ダブルミリオンのヒットとなった「Choo Choo TRAIN」ではイントロでお馴染みの振り付けをユーモアたっぷりにやってみせたり、伸びやかでソウルフルなヴォーカルで楽しませた。



▲高橋ジョージ

そして、この日のトリを飾ったのは高橋ジョージ。黒いライダースに身を包み、ハンドクラップの中でアコギを弾きながら届けたのは熱いメッセージがダイレクトに伝わってくるTHE 虎舞竜の「Get Your Life」。

「今日は一人一人の顔がよく見えます。感謝してます。ありがとうございます。横浜は本当に思い出が多い土地です。1982年に初めてデビューを飾ったのがシェルガーデン(現在のMEGAドン・キホーテ港山下総本店付近にあった)というライブハウスで、来年ちょうどデビュー40周年になります。こうして港が見える風景の中、もう一回ステージに立たせてもらって本当に感謝してます。再々デビューぐらいの感覚でやりますので、楽しんで帰ってください」──高橋ジョージ

「今も作った当時と同じ想いで歌っている」との曲紹介を挟んで披露された「少年の頃見ていた空が…」は、大人になるほどに刺さってくるメッセージが秀逸だ。ライブ当日は「朝からずっと緊張していた」というMCの後に歌われた「When I Look Back」はこの日にピッタリのメロウなミドルチューン。横浜を舞台にしたデビュー当時のナンバーが、生で聴けたのは貴重としか言いようがない。全6曲ながら高橋ジョージのヒストリーが垣間見えるセットリストだったのも、アコギとキーボードの2人編成だったのもスペシャル感があった。

「初めて曲を書いたのが13歳」と切り出し、両親が離婚し、母親と会えなくなった頃に書いた曲だと情感たっぷりに「Good Bye マリア」を届け、THE 虎舞竜を一躍有名にしたダブルミリオン「ロード」へ。イントロのハープが哀愁たっぷりな名曲だ。「この1年、新たな意味を発して歌っている」と言っていたが、“何でもないような事が幸せだったと思う”という有名なフレーズがコロナ禍の中、リアルな実感を持って響いてきた。

ラストナンバーは27歳の時に作ったという「アンチェインド・ドリーマー」だった。「歌っていると自分が鼓舞される曲です。いろいろなものを手に入れたり、手放したりしてきましたけど、音楽だけは凄いなと思いました。バンドが解散してからもずっと歌い続けた曲です」と語られたナンバーは、ロックンロールスターを夢見た自身の原点を歌ったもの。そのどこまでも真っ直ぐな8ビートが会場を包み込んで大団円を迎えた。

高橋ジョージ、中西圭三、光永亮太のステージを目の当たりにして感じたことは、キャリアや成功に甘んじることなく、音楽に真摯に向かい合い、初めて触れる人たちの琴線にも触れる歌を届けるアティチュードだった。ルーツを置き去りにすることなく年を重ねていったアーティストの素晴らしさとライブならではの本質を堪能した夜だった。

取材・文◎山本弘子
撮影◎青木早霞

■<DIAMOND FES 2021 EXTRA EDITION>11月23日(火・祝)@横浜ベイホール SETLIST

【KIGO】
01. Say Something
02. ビニールハウスの花
03. 取捨
【光永亮太】
01. Always
02. Change the World
03. 風の街
04. 赤とんぼ
05. Home
【中西圭三】
01. BABY
02. Woman
03. Timing
04. Ticket To Paradise
05. Choo Choo TRAIN
【高橋ジョージ】
01. Get Your Life
02. 少年の頃見ていた空が…
03. When I Look Back
04. Good Bye マリア
05. ロード
06. アンチェインド・ドリーマー




■<DIAMOND FES OSAKA Xmas Live organized by皇治>

12月04日(土) Zepp Namba
open16:00 / start17:00
出演:皇治(MC)、ET-KING、Xmas Eileen、DOZAN11、ROYALcomfort、強
▼チケット
前売り:前方指定席¥8,800(税込)、一般指定席¥5,500(税込)
※当日券¥1,000UP
発売:11月15日(月)10:00〜
※配信チケット¥4,000(税込)
https://diamondfes.com/2021kouzi/
(問)イベント事務局 event@diamondblog.jp






■<DIAMOND FES TOKYO Xmas Live>

2021年12月11日(土) ZEPP DiverCity Tokyo
open16:30 / start17:30
出演:サスケ、中西保志、藤田恵美
オープニングアクト:アマアシ、KIGO
▼チケット
前売り¥5,000(税込) 当日¥1,000 UP
※配信チケット¥4,000(税込)
主催:ダイヤモンドブログ 企画:ダイヤモンドミュージック
(問)イベント事務局 event@diamondblog.jp




■<DIAMOND FES 2022 HAPPY NEW YEAR HIPHOP ARTIST>

2022年1月25日(火) Zepp HANEDA
open18:15 / start18:45
出演:サイプレス上野とロベルト吉野、般若、NORIKIYO、ラッパ我リヤ、呂布カルマ 他
▼チケット
前売り¥5,000(税込)、当日¥6,000(税込)
配信チケット¥4,000(税込)
発売日:11月27日(土)10:00〜
主催:ダイヤモンドブログ 企画:ダイヤモンドミュージック
(問)イベント事務局 event@diamondblog.jp






この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス