【コラム】閉塞感が漂う2021年末にひとときの癒やし、miu「Party Night」

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今や日本だけでなく、海外からも注目されるシンガー・ソングライターのmiuが、新曲「Party Night」をリリースする。“calm voice”や“天使の声”と評されるヒーリング効果の高い歌声は、今回のポップながらも切ないクリスマス・ソングでも本領を発揮している。まだ閉塞感が漂う今年の年末に、癒やしのひとときを与えてくれる一曲といえるだろう。


北海道旭川出身のmiuは、2000年4月3日生まれの21歳。小学生から「あまり好きではなかった」というピアノのレッスンに通い始め、その延長線上でいつしか曲作りを行うようになった。中学生の時には、すでにツイキャスを使ってオリジナル曲を発表するようになったという。しかし、リアルで発表する場はほぼなかったため、ライヴ活動を行なうわけでもなく、黙々と曲作りを続けていった。初めての本格的なライヴは、高校2年生になってから。ネット上で発表し続けていた楽曲が評価され、東京のイベントに誘われたからだ。この初ライヴをきっかけに、さらに音楽にのめり込むこととなり、大学進学とともに上京。着々とシンガー・ソングライターとしての道を歩み始めるのである。

上京後に何度かライヴを行っていたとはいえ、彼女の強みはやはりSNS上でのグローバルな展開だ。コロナ禍に入ってすぐ、自身の20才の誕生日でもある2000年4月3日に、YouTubeチャンネルを開設。現時点で50数本の動画を公開しており、1年半ほどの間にチャンネル登録数が4万人を超えた。特にアクセスが多いのが、4月17日にアップしたオリジナル楽曲「smoke」と、5月22日にアップされた「dive」の2曲だ。それぞれアニメーションを使ったリリックビデオであるが、いずれも100万回を超える再生回数を記録している。しかも、コメント欄には日本語以上に英語やスペイン語による絶賛の声が非常に多く、海外での評価の高さが伝わってくる。日本語で歌っている楽曲なのに、ここまで世界に広がりを見せるのは、やはり彼女の声やメロディの魅力にほかならない。



YouTubeでの反応を受けて、今年に入ってからはついに各音楽配信サービスでの展開も始まっている。8月に配信がスタートした新曲「game」を皮切りに、9月に「dive」、10月に「smoke」と3ヶ月連続リリースを行った。韓国生まれ東京育ちのkim taehoonがトラックを手掛けたR&Bテイストが強めの「game」、ピアニストでもあるプロデューサーのHuge Mによるアンビエントな雰囲気の「dive」と「smoke」と、いずれも微妙にタイプは違うが、どれもキュートかつ透明感のあるmiuの歌声にぴったりと合っており、彼女が歌う世界観を見事に表現しているのだ。


miuの曲作りは特徴的である。というのも、彼女は一曲を生み出すために、綿密にひとつのストーリーを作るからだ、例えば「dive」は、大好きな人を思う気持ちを深い眠りに例え、相手の心の中に潜り込むような特別な感覚を描いたラブソングに仕上がってるし、「smoke」は、タバコを吸う人は深い溜め息を一緒に吐き出してしまうんじゃないかと思ったことから、新しい物語が生まれている。まるで一編の小説を書くように、もしくは一本の短編映画を撮るように、彼女は歌を紡いでいくのだ。だからこそ、多くのリスナーに共感を呼ぶのだろう。

この度、リリースされることになった配信第4弾の楽曲「Party Night」は、クリスマス・シーズンならではのホリデー・ソングだ。ベルの音色などを効果的に使い、これまでになかったリズミカルなサウンドを組み立てつつも、彼女の専売特許ともいえる切ないラブソングに仕上がっている。「人それぞれにいろんな幸せの形があると思うけれども、この日はみんな幸せであってほしいなっていう気持ちを込めて書いた曲ですね」とmiu自身が語っている通り、聴く人を多幸感に包み込むような力を持った一曲でもある。タイトル通りパーティーに流れていても違和感はないし、好きな人と一緒にいるときや、ひとりで好きな人を思いながら聴くのもいいだろう。いずれにせよ、聴いた後にはささやかな幸せを感じるはずだ。

さて、新曲「Party Night」とタイミングを同じくして、miuの活動が目立つようになってきた。まず、12月4日からの<YouTube Music Weekend vol.4>に出演する。これは合計68組のアーティストがラインナップされた大規模な映像フェスで、miuはバンド編成の演奏を聴かせてくれる予定だ。また、12月16日には、複数のアーティストが出演するライヴイベント<Trigger supported by REALIVE360>も決定した。まだベールに包まれている彼女の実力をリアルに知る絶好のチャンスといえるだろう。


新曲のリリース、オンラインやリアルのライヴと、miuは大きく動き始めている。この季節にぴったりのニュー・ソング「Party Night」を楽しみながら、彼女の今後に注目してもらいたい。

文◎栗本 斉 Kurimoto Hitoshi


miuニューシングル「Party Night」

2021年12月3日(金)配信
試聴・購入:https://virginmusic.lnk.to/PartyNight


<Trigger supported by REALIVE360>

2021年12月16日(木)
@shibuya duo music exchange
出演:miu、88flavors、ゆりめり 他
開場 18:30 開演 19:00
前売り3,000円(1ドリンク600円) 当日 3,500円(1ドリンク600円)
https://eplus.jp/sf/detail/3532620001-P0030001
配信チケット2,500円(Streaming+)
https://eplus.jp/sf/detail/3532630001-P0030001
info:https://trigger.pink/
RECORDS TEL 050-6868-2576(月~金 11:00~17:00)

<YouTube Music Weekend vol.4>

YouTubeが12月3日(金)~5日(日)に開催するアーティストのライブ映像を楽しめるプログラム。
miu Live(YouTube Music Weekend):12月4日(土)11:15から
https://youtu.be/oaBCU8hwQAs

◆miuオフィシャルサイト
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