【ライブレポート】the pullover、カルチャーが融合する短編映画上映会&3rd ZINE全曲再現ライブ

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the pulloverが11月25日(木)、東京・下北沢251にて<ある結末について>を開催した。

◆ライブ画像(15枚)

このライブは9月にリリースされた3rd ZINE「君なんていらないわたしになった」のリリースと、3rd ZINEに収録の楽曲「結末」のYouTube短編映画の公開記念を兼ねたもの。3rd ZINE 収録楽曲の全曲ライブ披露と、短編映画上映、監督やキャストを交えたトークショーなど、通常のライブとは異なるユニークなイベントとなった。


会場内の壁面にはドライフラワーが吊るされ、佐々木(G)により撮影された写真が飾られていた。ステージに目を向けると、スクリーンが下されており、フロアには席が用意され、ライブハウスとは思えないまるで映画館のような光景が広がる。


時間になると会場アナウンスが流れ、いよいよ始まるという高揚感に包まれる中、プロジェクターには今回の「結末」の短編映画が上映された。ライブハウスで映画を観るという機会はもちろん初めてだったが、サウンドの迫力も合わさって世界観に没頭できる素敵な演出に心惹き付けられる。


短編映画は“誘拐”をテーマに物語が繰り広げられ、誘拐された女性が口にしたある言葉により意外な展開を迎えていく主人公の生活を描いたもの。楽曲を元に作られた短編映画というだけあり、「結末」の歌詞にも登場する「ハッピーでもバッドでもない」結末が切り出されていた。



短編映画の終盤、遠くからなる車の長いクラクションの音が途切れると、画面には「結末」の文字が浮かび映画は終了する。間髪なくスクリーンの裏側からギターのハウリングの音が聴こえてくる。そしてスクリーンが上げられると、the pulloversにより「結末」の演奏が始まった。映画のエンドロールが生演奏されるという、贅沢な体験だ。


演奏が終わりMCでCettia(Vo,B)が開口一番に発したのは「言葉が出ません」の一言。音源のリリースをZINEという形態にこだわるほど小説が好きな彼女には、エンドロールを生演奏できる今日の体験がそれほど特別なものだったのだろう。

しばらくしていつものthe pulloversらしくゆるりとした雰囲気のMCが始まる。まずはイベント開催のお礼を伝えると、「全部観たかったなあ」と、準備があったため短編映画を最後まで観れなかった悔しさを口にする。続けて「いつもプルオーバーズってライブをしているけど物語の一部になった感覚」と告げる。「ここからはthe pulloversに戻ります」と気持ちを入れ替えると、3rd ZINEの1曲目に収録された「fallen baby」がスタートする。


ファズの効いたオルタナティブで音圧のある佐々木のギターサウンドにCettiaの透き通る声の歌が乗り、実にthe pulloversらしい楽曲だと改めて感じさせる。「fallen baby」がアウトロに差し掛かると、突然「meteorologist」のイントロが鳴り始める。シームレスに両曲が繋げられたグルーブ感満載の展開だ。

「meteorologist」が終了すると暗転、「今日はトークショーもあるじゃん」など簡単なMCを挟むと、音源よりも少々速めのライブ感のあるBPMで「戯言」を披露。「ぜんぶ終わってしまえばいいのにな」など心の奥の本心が並べられたこの曲は、感情を爆発させたかのように歌い上げられ観客を圧倒していく。


ギターの余韻を残したままチューニングを終えると、「だめおんなぶるーす」のイントロ、ギターのアルペジオが鳴り始める。人気の高いこの曲が歌われるのを待ち望んでいたファンも多いだろう。柔らかくピンクにも近い照明の中「ちゅーもしないしぎゅーもしないよ」の歌い方に胸を締め付けられる。he pulloversは人のダメな部分を歌詞に載せ、心の深いところにその歌声を響かせるのが本当に上手い。

ずっとこの音に揺られていたいと思いながらも演奏が終わり暗転、本日3回目のMCに入ると、「映画にしていただいてありがたい。曲の持つ力のようなものを映画にしていただいた」と改めて感謝を伝えつつ、「プルオーバーズにしてはストレートな歌が多い」と先日発売となった3rd ZINEについてを語ると、「最後の曲。自分史上1番明るく恥ずかしい歌詞を書いてしまったなという曲を」という言葉と共に「雪解けのうた」を披露。3rd ZINE収録楽曲6曲の演奏が全て終わりライブパートは終演、トークパートへ。


ステージ上に椅子が並べられ、この日トークパートに登壇したのは、短編映画の監督・小嶋貴之、短編映画内でキャストを務める卯ノ原圭吾、芽衣子、そしてthe pullovers(サポートDr含む)の計6名。

先ほど披露された3rd ZINEの楽曲がBGMで流れる中、Cettiaの口から「結末」という曲について「とことんリアルを突き詰めてやるぞという気持ちで書いた」と語られたり、小嶋監督より「PVを作ろうといって打ち合わせをしたら、短編映画を作りましょうという話になった」「今回の物語以外に前に付き合ってた人が死んでしまったという別パターンの案もあった」という短編映画についての制作秘話が次々に語られていく。約30分間トークが繰り広げられると、最後は盛大な拍手とともにステージを降りる。

ライブハウスで映画とライブを観れるという素敵な体験をくれたthe pulloversに感謝すると共に、カルチャーを巻き込み自己表現を行う彼らの今後に期待を感じた夜だった。

取材・文◎代田恒輝
撮影◎エドソウタ




セットリスト

01.結末
02.fallen baby
03.meteorologist
04.戯言
05.だめおんなぶるーす
06.雪解けのうた

3rd ZINE「君なんていらないわたしになった」

2021年9月4日(水)発売
配信リンク:https://thepullovers.lnk.to/3rdZINE

▼収録楽曲(全6曲)※ZINEのみ全7曲
fallen baby
meteorologist
結末
戯言
だめおんなぶるーす
雪解けのうた
isle/島(※ZINE限定収録デモ)

◆the pullovers オフィシャルサイト
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