【インタビュー】友希、「No more」にこめた変化への決意「私が一番好きだと思う自分であることは間違いないです」

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シンガーソングライター友希は、声優アイドルユニットi☆Risとしても活躍する若井友希のソロ名義である。自ら曲を書き歌うシンガーソングライター“友希”としての活動を本格的にスタートしたのが、今年10月30日に行われたワンマンライブ<友希 Birthday Live 2021 #YOLO>だった。そのライブの1曲目に歌った「No more」が配信リリースされた。
インタビューでは、どんな思いでバースデーライブのステージに立っていたのか、そして「No more」に込めた思いを聞いた。

   ◆   ◆   ◆

■1曲目は“I wanna change”の曲にしたいと思い、それを「No more」の歌詞に入れました

──<友希 Birthday Live 2021 #YOLO>は本当に素晴らしいライブでした。

友希:シンガーソングライター・友希としての活動は、私を知らない層の人、アニメを普段見ない人にも気づいてほしいという思いから、i☆Risの“若井友希”とは違う方向性でライブを作っていたので、賛否両論は覚悟していたんです。ただ、そこでどう思われてもいいから、私はこれでやっていくんだ!という決意はしていたので、不安はありつつ受け取ってくれたら嬉しいなと思っていました。


──基本的には、i☆Risや声優の若井友希を知っている人が来るわけですからね。

友希:たぶんペンライトもi☆Risでのメンバーカラーである赤だろうし、i☆Risの私のTシャツを着ている人もいるだろうなと思ったんですけど、その中で、ソロはこういう方向でやっていきたいというのを示していくつもりでした。でもファンの方は柔軟で、すぐにシンガーソングライターのライブの楽しみ方をしてくれたんですよね。昼の部でそれを読み取ったのか、夜の部ではペンライトも少なくなっていたんです。クラップをしたり、曲に合った楽しみ方をしてくださっていて流石だな!と思いました。もちろんペンライトで楽しんでいただく形も有難いですが、こういうスタイルも受け入れてくれて、本当に良いファンの方に恵まれているんだなと思いました。



──見ていても、受け入れられている感じはしました。

友希:思っていた以上に受け入れてくれていたし、このライブで見せたものが、私が一番好きだと思う自分であることは間違いないんです。だから自分自身でハートが動いたし、楽しむってこういうことなんだなと心から思いました。
 
──ソロライブはこれまでも何度かしていましたが、特に今回、そこまでの決意ができたのはなぜですか?

友希:コロナ禍で自分の時間が増えたことで、私だけではなく自分に向き合う時間が増えた人は多かったと思うんです。そこで私は、何もしないのは嫌だから曲をたくさん作ろうと思ったんです。ただ私も年齢を重ねてきて、本当に私が表現したい音楽は、こういう感じではないんだよなと思うようになったんです。
 ○じゃなくて△の曲を作りたいんだけど、それをするためにはどうしたらいいんだろうと思い、自分なりに挑戦はしてみたもののダメで……。ただ、自分のやりたい音楽を追求していく時間は私にはないなという焦りもあったんです。私より若い人が、自分よりいい音楽を作っているのを見て、置いてけぼりにされているなぁっていう感覚もあって、ここで自分を確立しないとやばいなと。


──自分が作りたい曲を作るためにどうしたのですか?

友希:最近だと、作家さんが海外の作家さんとコライト(※共同作曲)したりするのが流行っていることは知っていて、私自身が生み出す曲に、もっと良いスパイスを加えてくれる方がいたら、自分のやりたい音楽ができるのではないかと思い始めたんです。

──そこで、宮田'レフティ'リョウさんの名前が挙がったのですね。

友希:20年3月のライブ(<友希 1st Live -Hello! My Dream->)直前に「アカリ」をレフティさんと共作をして、この曲を面白くしたいと編曲をお願いしたら、全然違う曲にしてくださったんですね。そこでコライトの面白さを知ってしまい、自分一人のときよりも良い曲を作れるのならば一緒に作りたいと思って「一緒にやりませんか?」とお願いしたところ、快く引き受けてくださいました。

──そのときに、こういう音楽をやりたい!という説明をしたのですか?

友希:しました。レフティさんももともと洋楽を聴いていますし、私が表現したいものもJ-POPではなく、どちらかというと洋楽寄りだったんです。それも00年代のシンガーソングライターが好きで、テイラー・スウィフトやアヴリル・ラヴィーン、シンディー・ローパーなどで、その時代のキャッチー感に、今どきのサウンドを織り交ぜたものをやりたいと相談しました。私だけだと洋楽っぽさをどうやって出せばいいのか、引き出しが少なかったんですけど、レフティさんと共作させていただいたことでそれが出せて良かったです。

──ライブで披露した曲は、洋楽テイストの音楽になっていましたよね。

友希:今の流行りに乗っかるだけでは面白くないので、そこには近づきつつ私を確立できる音楽にしたいなと思いながら作った曲たちでした。やっぱり00年代の音楽が大好きだし、ブラックミュージックも大好きだから、それを自分の音楽として表現していきたいと思ったので。

──ライブの洋楽カヴァーも絶妙な選曲でしたけど、あのあたりもルーツということですよね?

友希:そうですね。私の好きな曲3選という感じで、もちろん好きな曲はほかにもたくさんあるんですけど、洋楽を聴かない人でも知っている曲にすることは大事だよね、というところで選びました。ブルーノ・マーズさんを聴いて育ったし、00年代のマルーン5もめっちゃ好きだし、ヴァネッサ・カールトンさんも大好きで、「A Thousand Miles」のピアノのイントロはみなさんも耳馴染みがあるかなぁと思って選びました。

──ライブのMCでは、新曲を3ヶ月で8曲作ったとおっしゃっていました。

友希:私がこれまで作ってきた曲に、新曲が1~2曲加わっても、変わった感が出ないから、「私のやりたい音楽はこれだ!」と示すライブにしたいなら、ライブをフルでやれるくらい曲作りをしないといけないよという話になり、レフティさんにお願いしますと(笑)。


──すべて良い曲だったというのは断言できますが、その中で「No more」をまず配信リリースしようと思ったのはなぜですか?

友希:最初に作ったのがこの曲だったんです。私としては海外ドラマのOPテーマのようなイメージだったんですけど、そのときすでに「これがライブの1曲目じゃない?」と、みんなの意見が合ったんです。そこからライブのことも考えながら、ほかの曲を作っていったんですけど、ライブがこれからこうやって進んでいくぞ!という決意のライブだったので、1曲目は“I wanna change”の曲にしたいと思い、それを歌詞に入れました。

▲「No more」ジャケット

──だからこそ、まずはこの曲からリリースということになったのですね。先程話していただいた曲を作ることへの思いが、ストレートに歌詞になっていると思いました。

友希:これからの自分にムチを打とうと思っている曲なんですよ。今後もこの曲に助けてもらうために書いたというか。全然知らない世界に放り込まれるのって怖いじゃないですか。私もこれからブレそうになる瞬間があると思うんですけど、そのときにこの曲を見て、このときこうやって決意したでしょ!って自分に言い聞かせるために書いたとも言えます。

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