【鼎談】元ジュディマリ五十嵐公太 × ZIGZOのSakura × 元ジャンヌshuji、Pearlドラマーがイベント直前に語る「人間の違いが一番自由に出る」

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1990年代から現在に至るまで、第一線で新時代のロックビートを創造し続けてきた五十嵐公太 (ex.JUDY AND MARY)、Sakura (Rayflower, ZIGZO, gibkiy gibkiy gibkiy)、shuji (ex.Janne Da Arc)という3人のドラマーが一堂に会するドラムイベント<EXCITE Drum!!>が、12月11日および12日に開催される。

◆五十嵐公太 × Sakura × shuji 画像

広島Live space Reedで開催されるこのイベントは、ドラムに魅せられドラムに人生を捧げドラムでキャリアを築いてきた3人を中心に、計6名のドラマーが同時に演奏を繰り広げるという圧巻のパフォーマンスライブが楽しめるライブイベントだ。

BARKSでは五十嵐公太 × Sakura × shujiのトークバトルを実施、Pearl Drumsが創立75周年を迎えた記念すべきこの年に三人三様の個性とドラムの魅力を浮き彫りにすべく、某日Sakuraのプライベートスタジオに集結した。

   ◆   ◆   ◆

■ヴィジュアル系とジャパメタとの
■橋渡し世代じゃん、ふたりは

──五十嵐公太、Sakura、shujiという3人が揃うのは…

公太&shuji:初めてですね。

公太:こういう形でshujiくんとじっくりしゃべるの、初めてじゃないですか?

shuji:そうですね。楽屋でご挨拶させてもらったくらいの感じだったんで、ある意味緊張しております。

公太:この男(Sakura)とはもう長くなるねえ。

Sakura:長いですね。湊(雅史)さんがDEAD ENDに在籍していた時代に僕はスタッフをやってて、初めて公太さんとお会いしたのはT.V.を演られてた頃で、俺が19歳の時。


▲五十嵐公太

──バンド全盛の1980年~1990年代はデビュー自体大変なことでしたし、周りのバンド全員が敵だと思って切磋琢磨するような時代でしたよね? 当時はどう意識していましたか?

Sakura:僕の世代は公太さんに憧れている世代で、shujiくんはまだアマチュアで、僕はちょうどデビューした頃だから、年代や時代によって見え方が違うんじゃないかな。

shuji:同い年のドラマーには“こいつらには負けるか”くらいの気持ちはありましたけど、僕が高校生の時、お二方はすでに活躍されてたんで、単純に憧れ目線でしかないですよね。“俺もいつかはあのステージに”って感じで見てました(笑)。

公太:Sakuraは湊のアシスタントだったから後輩だったけど、その後ババーっと人気が出て、ライブも観に行ってたし“なんか格好いいな”って思っていました。後輩だろうが先輩だろうが“こいつには負けるもんかい”っていうのはあるよね。

Sakura:もともとザ・ポリスのスチュワート・コープランドを見てドラムを始めたいと思ったんだけど、昔はドラマーって体育会系でさ、当時のヘヴィメタル/ハードロックシーンを見ると、肉感的な諸先輩方も多くて、アスリート/マッチョという先入観もあるなかで、公太さんはすごくスマートでスタイリッシュに見えたんですよ。初めて会ったとき“え、こんな人もおるんだ”って。

公太:褒めたって何も出ないよ。

Sakura:「このバンド知ってる? T.V.ってバンド」「この人がドラムの人」「え? 全然見えない」って。ほっそりしてスマートで。俺みたいなペーペーに対しても気さくにいろいろ接してくれて、こういうスマートなドラマーになりたいって思ったよ。

公太:体育会系は体育会系だったけど、俺はPearlドラムのカタログに並んでいた人をカッコいいって思ったなあ。

Sakura:ドラマーの見え方が今とは違かったんですよね。僕は、ドラムは力で叩くもんじゃないと思っていたから、スタイリッシュに楽して叩こうぜって、ずっと思っていた。

──力じゃないんですか?

Sakura:力じゃないですよ。


▲Sakura

公太:力じゃないですねえ。そこは結構長年悩んできたポイントだった。ちょうどT.V.を演ってた頃までは力でやってて、ステージでヘッドが凹んだりするくらいがむしゃらにやってたなあ。それが違うとも思わなかったし、その力が追いつかなくなってきて“これはヤバい”って空手に通ったりもしたけど、それでも27歳の時に身体を壊して動かなくなった。それでひろ(つのだ☆ひろ)さんのところに駆け込み寺のように行ったんだよね。

Sakura:そういう事情だったんですね。

公太:そう。ちょうどその時にディープ・パープルのイアン・ペイスのクリニックがあって、本人に訊いたもん「そんだけ叩いて身体は大丈夫なんですか?」って。「なんともない」って言われて「あ、やっぱ俺、違うんだな」って。

Sakura:筋力じゃないですよね。もちろんパッションにはパワーは使うんだけども、アスリート的な筋力や身体能力という力は極力使いたくないなって思っていた。派手じゃなくてもスマートに叩ける人たちは、クレバーに見えたしクールに見えた。その中でL'Arc-en-Cielでデビューした当時って、派手な衣裳や化粧をしたバンドが増えて、ドラマーもスタイリッシュになっていったよね。

shuji:わかる。

Sakura:いろんな先輩ドラマーを見ながら、体力や身体能力も駆使して派手に叩く演出っていうのはひとつの美学として否定はできないし、そうするうちに激しくアプローチする人たちもすごく魅力に思えるようになった。ドラマーはスタイリッシュであるべきだと思ったんだけど、なんか物足りないなあって思ったときに、Janne Da Arcのshujiくん見て“あ、これか”って思ったよ。

shuji:どっちかって言ったら、もともと僕も身体的にごっついほうなんで。

Sakura:トラディショナルだよね。

公太:ふたりはさ、ヴィジュアル系とその前のジャパメタとの橋渡し世代じゃん?

Sakura:そうかもしんない。

公太:どちらかと言うとジャパメタはハードにゴツくグォーって感じで、それがルックスも叩き方も繊細でスタイリッシュになっていってヴィジュアル系に変わっていったよね。

Sakura:LUNA SEAの真矢くんとかSIAM SHADEの淳士だって、派手に叩いているけどスタイリッシュだね。

公太:真矢も淳士も、ちゃんと奏法がしっかりしてるじゃん。

Sakura:そんな中で、ジャパメタのいいところを受け継いでいたのがshujiくんだよね。

shuji:僕の世代だとジャパメタを聴いてる人っていなかったんですよ。どっちかっていうとBOØWYとかユニコーンが流行ってた時代だったんで。僕の場合、兄貴がジャパメタを聴いていた影響があるのかな。


▲shuji

──時代とともにトレンドもあるとは思いますが、どんなドラマーになりたいと思っていましたか?

Sakura:やっぱ、歌ってるドラムかなあ。グルーヴがどうのとか抽象的なことじゃなくて、パッと聴いて“歌える” “しゃべってる”っていう。今年春に亡くなられたポンタ(村上“ポンタ”秀一)さんみたいな、ああいう人たち。“この人がいなくなったら、あの歌が聴こえなくなっちゃうんだ”っていう存在…やっぱ音楽家なんですかね。

公太:俺は8ビートが好きなんです。8ビートって譜面で書いちゃうと全部一緒でね、ハイハットは8分でチチチチ、2・4にスネア、バスドラがドンパンドドパンだったら誰が見ても同じ譜面になっちゃうんだけど、実はその2・4のタイミングが本当に自由で、キックの位置も自由で、どんなに崩しても8ビートって成立しちゃう。だからこそものすごく個性も出やすいし、お国柄も出るし、パッと聴いた時に“この人の8ビートだ” “この人の音だ” “カッコいいな”って思える。譜面通りのクオンタイズされたドラマーだったら結局みんな同じになっちゃう。そこが人間の違いが一番自由に出るところなんで、“ああこの人”っていう人間のカラーがしっかり出せるような8ビートドラマーが好きです。

shuji:僕も若い時から、どのドラムを叩いても“この人のドラムだよね”っていうのがわかるのを目指してました。今となっては、「どのドラムを叩いてもshujiの音してるね」って言われることもあるんですけど、まだ自分の中では納得いけてないところもあるので、そういう音を出せているドラマーはやっぱりカッコいいなって思いますね。

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