【インタビュー】KEIKO、「良い音を届けたい、以上!」

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KEIKOがソロとして2枚目のアルバム『dew』を本日12月8日に発売、アルバム制作の裏側や楽曲に込めた想いを語ったインタビューが届いた。

◆試聴映像/MV

■水のように、さまざまなアプローチで届ける2ndアルバム

──前作『Lantana』から1年ぶりのリリースとなった2ndアルバム『dew』ですが、アルバムの制作はいつ頃スタートしたのですか?

KEIKO:アルバムの話をしたのは4月になるのかな? 3月に「桜をごらん」をリリースして、そこから2ndアルバムをどうしようかってプロデューサーの与田(春生)さんと話をした時に、「とりあえずどんなアルバムにしてみたいか、KEIKOの中でイメージするものとかキーワードを考えて打ち合わせしよう」っていうのがあって。それを色々考えていたのが4月の前半あたりで、その後ぐらいに打ち合わせをして、という感じでしたね。

──『Lantana』ではソロとしてKEIKOさんの音楽的な可能性を探るような、新しい感覚の一枚となりましたが、今回KEIKOさんの中でイメージしていたものは?

KEIKO:1stの『Lantana』を経て「桜をごらん」という、つんく♂さんによるすごくJ-POP的な、自分が学生時代に聴いていたような耳馴染みのあるサウンドを歌った後の制作だったので、自分としてはすごくフラットなベースがありました。「この歌をうたいたい!」という様なチャレンジしてみようとか冒険しようという感じではなく、一回俯瞰で見て、「どういうものが今一番しっくりくるアルバムなのかな?」ということを意識しながら今回のアルバム作りには取り組んでいたと思います。

──それこそ昨年はソロ元年として様々な挑戦をして、それが一周まわった後のフラットな目線というか。

KEIKO:どうなんだろう? 自分としてはまだ一周まわれてないと思う。ただ、去年はまず自分が何を歌ったらいいかなっていう所から始まったので、ちょっとシンプルに立ち返ってみるというか、そういう気持ちの方が大きかったのかな? 何をやったら良いか分からない所からスタートするというのは楽しいし何でも出来るというか、「やってみよう」という気持ちになるし、挑戦を色々やってみた後に自分が落ち着く場所って見つかると思うんです。今後も常に挑戦はしていきたいけど、今回のアルバムの軸としてはソロになってから一度挑戦をした後に少なからず見えたものを形にしてみた感じです。

──そんな視点から生まれた『dew』というアルバムですが、いわゆる霞や雫、瑞々しさという意味のタイトルにはどう辿り着いたのですか?

KEIKO:タイトルを決めたのは最後です。今までも曲とかアルバムではタイトルが先行したことないんですよ。タイトルは出来上がった全体像を見てという感じでつけたかな? タイトルは何がいいか悩んでいたんですけど、今回自分で作詞も含めて一緒に制作していくなかで、なんとなくお水の持つ癒しみたいな音や自然の水の豊かさとかを感じていて。お水の世界ってぼやけたり、透明感だったり、時には濁らせたりとか色んなイメージが膨らむじゃないですか? それでお水を関連させる綺麗な言葉がないかなって探して決めました。

──確かに「通り雨」や水を連想させる曲も多いですよね。また今作では前作の「七色のフィナーレ」に続いて4曲で作詞をされています。改めてソングライティングに関わってみていかがでしたか?

KEIKO:前回よりも構えなかった感じはしました。「作詞しなきゃ」とか意識せず、気持ちの持っていき方も自然にできた感じはあるかな。昨年の自分はスタートしたばかりだったから作詞をすることに頭が勝手に働いて、「作詞するのか……書けないよ」っていう気持ちが先行してしまったんですが、今年は「どんな音楽を歌いたいかな?」とか「書きたいかな?」とか、言葉選びも含めて楽しかった時がいっぱいありました。

──確かに今回の楽曲ではそうしたKEIKOさんのナチュラルなお気持ちが出た歌詞になっていると思います。

KEIKO:出てた? 出てた? 恥ずかしい(笑)。

──ではそんな『dew』の収録曲についてお伺いします。まずは冒頭を飾る「Nobody Knows You」ですが、非常にどしっとしたサウンドやボーカルが印象的な一曲ですね。

KEIKO:これはもう“ひと聴き惚れ”ですね。アルバムを作るにあたって与田プロデューサーから「KEIKOが歌ったら面白いかな」っていうものを何曲か頂いて、そこから選曲していきました。
前作の『Lantana』が自分の色んな声の響きを探していたとするなら、今回の『dew』は低域の色んな表現を探していくアルバムになると良いなという軸があって。



──KEIKOさん本来の魅力であるボーカルの低域にフォーカスを当てたと。

KEIKO:その低域と共にKEIKOの声×チェロというサウンド作りをしていこうかなというのを最初の打ち合わせで話していました。その中で「Nobody Knows You」は世界観がドシっとしたインパクトがあったので、メロディも含めてそこが魅力なのかなと。それで「あ、一回声をあてたい」って直感的に思ったんですね。

──歌ってみたくなる曲であったと。

KEIKO:あとはウィスパーボイスというか、声に芯があるというよりも耳元で囁くという声の作り方もこの曲ならではかな。自分はライブ活動をメインにやってきたのもあって、ライブでダイナミックな音楽を歌う時にウィスパーボイスだと負けちゃうことがあるんですよ。レコーディングスタジオで作るボーカルと、ライブのボーカルって立ち位置が違くて、それこそウィスパーボイスで声を作り続けていくという制作の仕方もこれまであまりなかったので、それも含めて面白い低域で作れそうだなって。

──KEIKOさんの魅力的なレンジを、これまでと違うアプローチで歌うという意味でも、ソロとしての新しさが見えた曲ですよね。

KEIKO:そうですね。アルバムの1曲目に相応しい曲ですね。サビのメロディラインもインパクトがあったし。

──そこから続く「通り雨」では一気にシンプルな編成となりましたね。またこの曲ではKEIKOさんが作詞も担当されています。

KEIKO:この曲は、今回一緒にサウンドアレンジをして頂いたejiさんがかなり昔に書かれた曲をサンプルとして頂いていたんですね。それでメロディラインにすごく惚れて、「これに歌詞を書いてみたいです」ってなりました。サンプルの段階ではもっと広い絵が見える曲だったんですけど、あえて派手にしないでシンプルな方向でどうですか?ってejiさんに伝えたら、ピアノとチェロというすごくシンプルなアレンジが来たので、自分の歌詞のイメージも大きいものからすごく小さな世界観のものにしたいと思ったんです。



──「Nobody Knows You」から「通り雨」という、このアルバムの幅広さが見える構成になっていますよね。

KEIKO:うん、だいたいアルバムって3曲目ぐらいまでで、どんなアルバムかってイメージしません? その中でやっぱりアルバムとしてもチェロ×声というものをすごく大事にしたいなって思ってこの曲順になりました。

──そこからのキャッチーなメロディとなる先行シングル「桜をごらん」へと続きます。

KEIKO:アルバムとしてこのラインは決まってました。音楽にはドラマが絶対に必要で、アルバムだと一番最初から最後までがそう。私はこのアルバムを通してきちんとしたドラマを感じてもらいたかったから、「Nobody Knows You」と「通り雨」で閉鎖的な私の世界に入ってもらった後は、やっぱり救われたい。なので最初の段階でつんく♂さんによる救いを入れたいなと思っていました。



──緊張感がある導入から、この曲でアルバムの流れとしても気持ちが穏やかになるというか。

KEIKO:そうですそうです。私も救われます(笑)。

◆インタビュー(2)へ
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