【ライブレポート】コブクロ、倖田來未らが“音楽の力”を伝えた<大阪 MUSIC LOVER>

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12月17日(金)、18日(土)の2日間、大阪城ホールにて<大阪 MUSIC LOVER ~Road to 2025~』が開催された。

◆ライブ画像

これは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で依然として厳しい状況が続くエンターテインメント業界を盛り上げるべく、大阪府、大阪市と音楽業界がタッグを組み、2025年の『大阪・関西万博』の開催を目指して実施されたもの。両日のステージには、イベントの主旨に賛同したコブクロ、倖田來未、スガ シカオ、AIら多くのアーティストがかけつけ、それぞれの代表曲を中心に披露。また、行政と音楽業界が手を組むということで、初日の会場には吉村洋文大阪府知事が登壇。初日のMCをつとめたフットボールアワーらと共に、「新しいことをやるのが大阪!」と「エンタメの街・大阪」の心意気を宣言した。



心強い開会宣言の後、2日間に渡るイベントの幕開けを飾ったのは、今年デビュー20周年を迎えたCHEMISTRY。“もう一度あの場所から始めよう”と歌う、まさに<大阪 MUSIC LOVER>の主旨にふさわしい「ユメノツヅキ」を筆頭に、デビュー曲「PEACE S OF A DREAM」など、誰もが知るヒット曲の数々を力強く美しいハーモニーで響かせる。


続いて登場したのは、デビュー後初の有観客ライブが大阪城ホールだったという、瑛人。アコースティックギターをバックに、まっすぐで伸びやかな歌声を披露。ギターリフが響いた途端、会場中から手拍子が鳴り響いた大ヒット曲「香水」など、新曲「あ、でも」を含む全3曲を真摯に歌い上げた。


スガ シカオはたった一人でステージに立ち、自らアコースティックギターを奏でながら、「愛について」「アシンメトリー」などのヒット曲を披露。「Progress」の“あと一歩だけ前に進もう”という言葉がドラマティックに響いた後は、スリリングなギターのカッティングも印象的な「コノユビトマレ」で場内が熱狂。シンプルながら濃密な時間となった。


大阪出身のflumpoolは、アコースティック形式で登場。山村隆太(Vo)を始め、メンバー全員がスーツ姿&着席スタイルで演奏。結成当初、大阪城公園での路上ライブ(通称「城天」)を行っていた彼ら。MCで「城天」と「城ホール」への思いをユーモアを交えて話しながら、「花になれ」などのヒット曲を、シックなバンドサウンドでじっくりと聞かせた。


初日のトリをつとめたのは、『大阪・関西万博』の魅力を伝える「2025年日本国際博覧会アンバサダー」に任命されたコブクロ。小渕と黒田がバンドメンバーを従えてステージに登場すると、場内は総立ち状態に。感染対策で歓声を上げることは厳禁だが、自席スペースなら立つことも踊ることもオッケーだ。

「君という名の翼」を筆頭に、それぞれの曲への思いを丁寧に語る小渕に、黒田が関西弁で軽妙な突っ込みを入れる。大阪マラソンのテーマ曲「大阪SOUL」でカラフルなロックチューンを歌い鳴らし、場内の熱気が頂点に達したところで、最後にCHEMISTRY、瑛人、flumpoolを再びステージに呼び込み、全員でコブクロの名曲「桜」を合唱。“やまない雨は無いはずと”と歌い合い、「エンタメの街・大阪」の再興を誓った。


2日目のトップランナー、清水翔太はダンサー2名を従えて登場。クールなR&Bサウンドをバックに力強い歌声を響かせ、会場内のエネルギーを一瞬でひとつにしていく。大阪出身の清水は、地元・大阪を歌ったという「HOME」を最後に熱唱。故郷への強い思いをゴスペルのような熱い歌唱で歌い上げた。


DJのソロプレイを合図に、「衣装を大阪風にしてきた」という花柄のセットアップ姿でステージに登場したのはAIだ。「大事な曲」だという「Music Is My Life」で、自らの音楽への思いを切々と歌う。最後に、関西ではライブ初披露となる朝ドラの主題歌でもある新曲「アルデバラン」を熱唱。その温かでソウルフルな歌声と飾らない人柄で、場内をポジティヴなパワーで包んだ。


波音が響く中、笑顔で登場したBEGINが「海の声」を歌い始めた途端、場内は一気に南の島の海辺のムードに。比嘉(Vo)が、「沖縄のおばあに聞いた『島唄』の楽しみ方を教えます」と、高くあげた両手を弾むように叩く手拍子を伝授。「BEGINの中で最高のアゲ歌」という「竹富島で会いましょう」を披露すると、客席で子供が楽しそうに島唄スタイルの手拍子を打つ姿も。ジャンルも年代も超えて人を笑顔にする、音楽の力を改めて知る楽しい一時となった。


2日間のイベントの大トリを務めるのは、4人の女性ダンサーを従えて登場した倖田來未だ。「大阪のためにつくりました」という「Eh Yo」などを、クールなダンスと力強い歌声で表現した後、1人ステージに残った倖田は、「こんな私も孤独を感じることもあった」と、自身の思いを重ねた新曲「100のコドク達へ」をこの日ライブで初披露。“なぜワタシの椅子がないのですか?”というフレーズを歌った瞬間、倖田の瞳から大粒の涙がこぼれ落ち、感極まり歌えなくなってしまう。場内からの温かな励ましの拍手に、「私も音楽に助けられてきたからみんなにも音楽で幸せになってもらいたかったのに、私が元気をもらってしまった…」と、感謝の気持ちを告げる倖田。


最後に、「大阪のために」とブレイク前からの同期、AIをステージに呼び込み「BE MY BABY」のカバーを披露。さらに2人で「I Wanna Know」をソウルフルに歌い上げ、涙を糧に立ち上がる女性の強さを表現。コロナ禍という逆境をバネに未来を切り開く「エンタメの街・大阪」に、華麗なエールを送った。

文◎早川加奈子
写真◎河上良、ハヤシマコ

◆<大阪 MUSIC LOVER ~Road to 2025〜>オフィシャルサイト
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