キズ、ワンマンで表した“VISUAL”への誇りと感謝。主催イベント<全日本白塗協会>も解禁

ツイート

キズが、1月8日にLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)にてワンマンライブ<VISUAL>を開催した。到着したオフィシャルレポートをお届けする。

◆ライブ写真

ヴィジュアル系というシーンからもらった夢や憧れを返してゆく――そんな目標を掲げているキズ。今回は新進若手バンドの最右翼と目されるのも納得のステージで、“VISUAL”に対する誇りと感謝を表した。

剣と騎士の物語を彷彿させる幻想的な映像を背に、きょうのすけ(Ds)、ユエ(B)、reiki(G)と順に入場して音を重ね、最後に『VISUAL』と白字で染め抜かれた大きな黒旗を掲げて来夢が登場。映像内で攻め込む兵士たちと呼応するかのように「いくぞ!」と吠えると、照明で血の赤に染まる場内に放たれた1stシングル「おしまい」で、ライブ『VISUAL』の幕は切って落とされた。




以降も「ステロイド」や「傷痕」といったキラーチューンを連投し、客席を一面ヘッドバンギングの海に。ショートパンツにロングブーツという“ザ・ヴィジュアル系”な出で立ちで激しく動き回るreiki、対照的に大股に開いた両足をガッチリと床に固定して客席を威圧するユエ、逆立てたロングヘアーを振り乱してヘヴィなビートを高速で鳴らすきょうのすけと、楽器隊の演奏スタイルも多彩かつ個性豊かだ。さらに、喉を切り裂かんばかりの高音で孤独と痛みを歌う来夢のボーカルが、観る者に強烈なインパクトを与えてゆく。

本編を締めくくった最新シングル「ストロベリー・ブルー」でも、来夢が繰り返す“さぁ、こっちへ”の言葉に導かれて天井から降る紙吹雪が、“来世でもまた集おう”という約束を祝福して、これまでのキズの曲では考えらえられなかったような多幸感をもたらすことに。重厚感を増しながらも激しさを抑えたサウンドと共に、彼らのさらなるポテンシャルを証明してくれた。


アンコールでは『VISUAL』というネーミングに込めた想いを来夢が吐露。高校卒業後、腐っていた時期に、とあるギタリストから「お前の歌ならイケる」と言われてヴィジュアル系バンドを始めたこと。さらに「でも、何年経っても全然イケないし、すげー苦労したし。それでも俺を信じ続けてくれたあいつは……実はもう、この世にいないんです。あいつに騙されて、全然イケなかったけど、今日はちょっとだけイケそうな気がします」と語り、ギターケースから彼の形見だというギターを取り出した。

そして「彼のことを、僕は“みるく”って呼んでたんですけど……今日は天国からギターを持ってきたってことでやらせてもらいます。行くぜ! 俺らのVISUALをとことん受けとって帰れ!」と、披露されたのは「ミルク」。初期衝動をそのままぶつけるかのように攻撃的なパフォーマンスを繰り広げながらも、時々空を見上げて声を詰まらせる来夢から、その想いの深さと重さが伝わって拍手が湧き起こる。

続けてアコースティックギターを抱え、“腐っていた”当時の心境を綴った「十九」の狂おしい響きには、そこから光り輝くステージへと来夢を導いた存在がいかに大きなものであったかを思い知らされた。それは、今回のライブに対して彼が秘めていた思い入れの大きさに等しい。そうした個人的な想いの積み重ねこそが、やがて大きな力となり、誰かの人生を変えてゆく──『VISUAL』とは、そんな感動的な物語の具現化に他ならないだろう。


ステージを去り際に来夢が残した「また会おう!」の言葉通り、終演後には4つのライブが新たに発表された。3月5日には男性限定ライブ<漢地獄>が渋谷CYCLONEで、3月21日にはブログマガジン(FC)限定GIGが新宿BLAZEで開催。男性ファンの多いキズだけに、初の男性限定ワンマンは盛り上がり必至だ。また、4月18日には対バンイベント<全日本白塗協会-盃->がSpoify O-EASTで行われ、ニューロティカや犬神サアカス團など、彼らが敬愛する白塗りアーティストたちが一堂に集結。初期に一度“白塗り卒業宣言”をしながらも、すぐに戻ってしまった彼らの“白塗り愛”を確かめられるステージになるだろう。さらに5月14日には日本青年館ホールで単独公演<天獄>を実施。始動5周年を経て、6年目の1本目で彼らが魅せる“天国”と“地獄”の狭間に期待したい。先の見えない危うい時代だからこそ、自分自身が信じたものにひたむきに邁進するキズの姿は、2022年の我々に大きな希望を与えてくれるはずだ。

ライブ写真◎川島彩水

ライブ情報

<キズ 男限定GIG「漢地獄」>
2022年3月5日(土) shibuya CYCLONE
[開場 / 開演] 16:30 / 17:00
[チケット料金] スタンディング 前売 ¥5,000 (D別)

<キズ ブログマガジン限定GIG「息のできる死骸達」>
2022年3月21日(月・祝) Shinjuku BLAZE -Members only-
[開場 / 開演] 16:15 / 17:00
[チケット料金] スタンディング 前売 ¥5,000 (D別)


<キズ 単独公演「天獄」>
2022年5月14日(土) 日本青年館ホール
[開場 / 開演] 16:00 / 17:00
※チケット詳細後日発表


[主催イベント]
<全日本白塗協会-盃->
2022年4月18日(月) Spotify O-EAST
[開場 / 開演] 15:45 / 16:30
[出演]
キズ / 犬神サアカス團 / ニューロティカ / NoGoD 団長 / ピアノゾンビ / メリー
[チケット料金] スタンディング 前売 ¥5,500 (税込 / D別)


各LIVE詳細:https://ki-zu.com/schedule/

◆キズ オフィシャルサイト
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス