【インタビュー】SHANK、アルバム『STEADY』を輝かせる容赦ないバンド模様「妥協はしません、させません」

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SHANKが1月26日、約1年4ヵ月ぶりのアルバム『STEADY』をリリースする。同作には2020年リリースのEP『Candy Cruise EP』から「Rising Down」「Bright Side」ほか、先ごろ配信限定リリースされたデジタルシングル「Mind Games」にHEY-SMITHのホーン隊が参加した新バージョン「Mind Games feat. HEY-SMITH」を含む全13曲が収録された。

◆SHANK 画像 / 動画

『Candy Cruise EP』リリース時のインタビューでは、ライブバンドとしてコロナ禍の活動スタンスにイレギュラーな感情を抱えながらも、「状況に応じて、無理しない範囲で、臨機応変にやっていければ」と、この時期を次への準備期間と捉えて、今しかできないであろうインプットに充てていることを語ってくれた。事実、2020年秋には自身初のアコースティックワンマンをはじめ、アコースティックカバーアルバム『THE SLOWSHANK』リリース、ツアーの延期公演等はあったものの、2021年に入っても自身主宰フェス<BLAZE UP NAGASAKI 2021>開催、ツアー<THE HEAVY CLASH TOUR>実施などなど、着実に挑戦を繰り返しながら、その歩みを進めてきた。

「作品に関しては出すたびに何か新しさだったり、進化してる部分がないと意味がない」とは前述のインタビューでの発言だが、前述の経験を経て生み出されたアルバムには、やはり彼らの新しさが充満している。結果、全13曲がこれまでで最もバリエーションに富んでいると言って過言でない。<THE HEAVY CLASH TOUR 2021>について、この2年間について、壁にぶつかることもあったというアルバム『STEADY』について、メンバー全員にじっくりと語ってもらったロングインタビューをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■アルバムのことをまず考えていました
■前向きに、やれることからやろうと

──<THE HEAVY CLASH TOUR 2021>を終えたばかりの2021年12月15日に取材しているわけですが、久々の対バンツアーの手応えは?

庵原:対バンをできていない状況が長く続いていたので、純粋に人と会えて楽しいなって感覚を取り戻せたのが嬉しかったです。ワンマンは結構やっていたんですけど、対バンは1年ぐらいやってなかったんで。

池本:ゲストで他のバンドのライブを観に行くのも控えたほうがいい状況が続いていたし、今回の対バンツアーで他のバンドのライブを観ることができて楽しかったですね。打ち上げはできなかったですけど、楽屋で話とかできたりして嬉しかったです。生存確認じゃないですけど(笑)。

松崎:対バンがいるとこんなに刺激があるんだな、って感覚がやっぱりあったので、対バンがいると楽しいなって。だからもっと楽しくなるように、状況が良くなればいいなと思っていますね。


▲アルバム『STEADY』

──その<THE HEAVY CLASH TOUR 2021>のステージ上でも話していたように、1月26日にニューアルバム『STEADY』をリリースすることが決まりました。この2年間、世の中がこんな状況になって、バンドのことや音楽のことなど、考える時間も増えたと思うんです。

庵原:確かに考える時間は多かったので、1曲に対するこだわり方は強くなったと思うんですよ。でも“バンドとは…”とか、そこまで落ちたりはしなかったですね。何とか良くしていこうということに向き合う時間だったというか。それにアルバムのことをまず考えていましたから。前向きに、とりあえずやれることからやろうと。文句言ってても仕方ないから、この状況に順応してやろうって、ずっと考えを巡らせていて。

松崎:コロナの最初の頃は、3ヵ月ぐらいライブがとんでしまって、つまんないなと思ってましたけどね。ただ、この状況でも動いているバンドのほうが、後々絶対に強いだろうなってのはあったんで。とにかく動き続けるためにいろんなことをやろうってのはありました。それにアルバムを作ることは、コロナ禍になる前から決まっていたことで。アルバム制作が最終目標ではないですけど、ハッキリしたひとつの目安だったので、アルバムを形にするためにいい時間を過ごすっていうふうに、時間の使い方を考えました。

池本:『Candy Cruise EP』(2020年9月)を出そうとか、アコースティックのセルフカバーアルバム『THE SLOWSHANK』(2020年12月発表)を出そうとか、ニューアルバムを作ろうとか、基本、松崎が提案してくれて。とにかく、やれることをやろうって。何かしら動きがあったほうがバンドのためにもなるし、自分らもずっと家にこもっていてもしょうがないんで(笑)。

松崎:僕らは今も長崎に住んでいるじゃないですか。関東や関西のバンド仲間とZoomで話とかもしてたんですけど、みんなは周りに友達とか仲間も近くにいるんで、気持ちをなんとなく保てたところがあると思うんです。でも、長崎にはバンド友達がほとんどいないので、ライブしない限り、本当に人と会わないし。絶対にこれは健康に良くないなって(苦笑)。身近に話できるヤツがいないのは辛い時期ではあったので、とにかく動いて、外に出て行こうって感覚だったんです。

──<THE HEAVY CLASH TOUR 2021>のファイナルで、“以前所属していたレーベルの社長に、コロナになってエクストリームな音楽は死ぬ、と言われた”というMCもしていました。その言葉はすごくネガティヴですけど、言われたことによって闘志をみなぎらせるきっかけにもなったんですか?

庵原:言われたときは、確かに死ぬのかな、とも思ったんですよね。でも、やれることをやっていたら死なないかなって。順応したというか、多少の諦めみたいな部分もあると思うんですけど、俺らがやることは変わっていない。それよりもお客さんがこの状況に堪えられなくて、窮屈な思いもしているんだろうなって。繰り返してライブをやってきた今、そう思いますね。

──地元・長崎での主宰フェス<BLAZE UP NAGASAKI>を開催しているSHANKだけに、あのMCに続いた「見とけ、死なんかっただろ!」って言葉に、ものすごく説得力があったんですよ。それに曲になると、怒りなど負のエネルギーを爆発させるんじゃなくて、爽快でポジティヴな方向に気持ちを動かす曲や詞だから、ライブを観ていて心に効き目あったんです。

庵原:ありがとうございます。


──今のような状況になったことは、アルバムのテーマや楽曲そのものに影響を及ぼしましたか?

庵原:歌詞やアルバムに関して、むちゃくちゃ影響しましたね。歌詞がボンボン出てくるタイプでもないんで、コロナ禍になってから最初にリリースした「Rising Down」(2020年5月発表)を作るときも、自分の経験などを落とし込むしかなかったので。でも、今までに経験したこともない現実を歌詞に落とし込めたのは良かったと思いますね。

──いい解釈をすれば、こういうときでしか書けない歌詞やメッセージでもありますよね。

庵原:うん、そういうアルバムにはなったんじゃないかな。

──メンバー間で話をすることも多かったですか?

松崎:僕と庵原が一緒に曲を作るんですけど、僕が思ったものを曲として出してみて、(庵原)将平から浮かんだ歌詞のイメージが採用されていくという形でした。曲やアレンジなどサウンド的な部分に関しては、コロナに影響されたとかはないかな。時間があった分、いつもより深く考えられたところはありましたけど。別にテーマとしてコロナが関わったわけではないです。このタイミングでやりたいことが、こういう曲だったという感じ。曲作りは自分のやりたい音楽を詰め込んでいるんで。

──作り方の変化は?

松崎:コロナだから変わったということはないんですけど、ずっと変わってはいるんですよ。前回のBARKSさんのインタビューでもお話したように、今ではPCを使って作るし。その作っていく過程で、昔よりも同じ曲を何回も聴くようになりましたね。繰り返し聴いても、とにかく飽きないようにって。自分で聴いて“これは長いな”と思ったら、平気でバッサリと切るし(笑)。今、作り出せる一番いいものを出そうって感覚です。

──作りながら常に俯瞰しているんですか?

松崎:曲を聴くのは僕らではないじゃないですか。最初に作って聴くのは僕らですけど、その後に聴くのは僕らじゃない人達。僕らが飽きているような曲ではダメだと思うんです。俯瞰で聴く、俯瞰で判断する、それはずっと心掛けてますね。あとライブで僕らが演奏していく以上、飽きちゃう曲ではおもしろくない。聴く側にも、やる側にとっても、納得できるものを出したいってことです。

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